アメリカ人の借金

アメリカは経済を失速させないようにどんどん通貨を増やすからインフレになる。インフレを放置するか金利を上げるかどちらかということになる。どちらにしても個人消費は減ることになる。ところがアメリカの消費者はインフレになろうが金利があがろうが消費を減らさない傾向がある。貯金を使い果たすと借金をしてでも消費し続けようとする。

消費が減ればインフレは収まり、金利も下がるのだが、アメリカはなぜかいつの間にか消費者が消費を決して減らさない社会になってしまった。だから政府が経済を活性化させるために通貨を増やした分、ほぼ自動的に個人の資産が減ることになってしまった。

クレジットカードやデビットカードの支払いが滞るとそれを車や家のローンに組み込む形で借り換える。そうして借金はより見えにくい形の借金にかわるだけで減るわけではなく、むしろ増えていく。以前のサブプライムローンよりもさらに巧妙で見えにくい形の借金が増えている状態であろうと推測される。

そうして信用を失ったり、破産したりした人が増えていけば、いつかは金融機関の連鎖破産ということが起きる。金融業界の再編で済むうちはよいが、個人預金が保証されなければそこでついに経済が失速する、ということになる。

じゃあ政府がドルを刷るのをやめればいいじゃんと思うけど、それをやると大恐慌がきたり、日本のバブル崩壊のようなことがおきてやはり経済は破綻する。

アメリカは覇権国家だし、人口もまだ増え続けているし、情報産業は絶好調だから、アメリカという国自体がぽしゃる可能性は低いが、個人の借金を制御できなくてしばしば経済が不安定化する、ということだろう。要するにアメリカ人が全体として身の程にあった生活をして、借金してまで贅沢しなければよいだけのことだ。企業もメディアもどんどん物欲を刺激して消費させるから、それになんらかの規制をかければよいのではないかなあ。

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