司馬遼太郎全集をまた読み始める。
「義経」の最初の方に、
> 武家は二流にわかれている。源氏と平家であった。その勢力地図もくっきりしている。源氏は東国に地盤をもって騎馬戦が強く、
平家は西国に地盤をもって、海戦と貿易に長じていた。
というのだが、はて、確かに平清盛は「西国に地盤をもって、海戦と貿易に長じていた」と言えるが、
平治の乱ののちは圧倒的に平氏の天下であって、
東国にも平氏と源氏が割拠しており、源氏が東国に地盤を持っていたとは言い難い。
たとえば頼朝が預けられた伊豆の北条氏も平氏側だし、関東にも平広常などがおり、
頼朝挙兵のときにも大半は平氏側だった。
明らかにおかしな記述だ。
まあそんなことにいちいち目くじらを立てるまでもないのかもしれんが。
しかし、頼朝が源氏の地盤の関東で挙兵したから簡単にことが成った、と思われては困るのだ。
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