御家人の給料

折り焚く柴の記を読んでいると、御家人に支払う給料の話が出てきて、御家人は料地をもたないから扶持米をもらうわけだが、実物をもらうのではなくて、その年の上米・中米・下米のうち上米を基準としてその値を金で支払う習慣だったようだ。上米が1俵(3.5斗 = 35升)で37両なので、1俵の米の代わりに38両を支給せよ、などと書いてある。実に興味深い。

wikipedia によれば御家人は30俵から80俵をもらっていたそうだ。30俵だと年収が約千両ということになる。別にそこから所得税や住民税や社会保障費を引かれるわけではなかろうから、手取りが千両、ということであってるだろうか。ただしそれをまるまる自分のために使えるのではない。収入に応じて家来を抱えなくてはならないから、その家来と家族も養わなくてはならない。となると千両は多いのか少ないのか。よくわからん。

同じ記述の箇所に「右筆集」というのが出てくる。これはやはり下級書記官らのことをいうのだろう。

中ノ口、というのは江戸城本丸の事務方の執務室が並ぶところだが、そこに「お給米の張り紙」というのが貼られて、勘定書から草稿が出てそれを右筆が清書して張り紙にする。

上米の値で支給すれば、御家人たちはその金で中下米を買ってしのぐので都合がよかろう、などと書かれている。面白いなあ。中下米はもっとずっと安かったようだ。

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