京都

京都には十ヶ月ほど住んだことがあるのでだいたい土地勘はあるのだが、普段あまり近寄らない清水寺に出かけてみて最悪だと思った。五条から歩いて登ろうとすると歩道は狭いし車は多いし、途中で引き返した。本堂は国宝らしいが、家光の時代の再建だ。せいぜい重要文化財止まりではないのか。京都は古そうに見えて徳川の世になってから再建されたものが多い。仁和寺なんかは日露戦争より後に修復された。そういうものをいちいち国宝にしててはきりがない。清水寺が国宝なら根津神社だって国宝ではないか。

京都で平安時代から残っているものは案外少ない。法住寺の三十三間堂は古い。あれは清盛が後白河のために建ててやったものだから、正真正銘平安時代だ(※追記。火災で焼失し鎌倉時代1266年に再建されたもの)。他になんか残っているかというと思いつかない。

銀閣寺は義政の頃から残っているから、古い。確かに国宝だ。他にも竜安寺石庭など室町時代のものはいくつかあるようだ。

それはそうと、伊豆修善寺に政子が頼家のために建ててやったという指月殿というのがあるんだが、もし当時のままだとすると鎌倉初期。当然国宝になってなくてはならないのだが、あまり有名でもない。壁は古色蒼然としているが、屋根が綺麗すぎるから葺き替えかもしれん。国宝になってないということはだいぶ改築されたのではなかろうか(※追記。多分ごく最近建てられたものだろう)。

京都の話に戻ると、修学旅行生は、嵐山、映画村、龍安寺、金閣寺、大徳寺、北野天満宮、二条城、三十三間堂、銀閣寺、哲学の道、清水寺、などを回るようだ。まあそのことにいちいち文句を言う気はないのだが、京都が文化遺産になった根拠の一つとして、平安遷都以前からの由緒がある上賀茂神社をなぜ見ないのかと思う。いや、上賀茂神社に中学生や高校生がわらわら来られても困るわけだが、修学旅行生はほんとの京都を見ていないことになると思うなあ。

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