今更ながら無料にしてみた

投稿者: | 2011年4月20日

『棟梁三代記』なのだが、PVはある程度あるようだが、全然売れない。
パブーで人気の順位はダウンロード回数やお気に入りなどによって決まるようだが、
純文学などは無料公開のものが多く、このままでは埋もれるばかりだ。
それで『棟梁三代記』の方は、無料にしてみた。

で、ついでに自分で解説してみるのだが、本来ならば著者の解説なしに読んで楽しんでもらうように書いたのに違いないのだが、
私の(歴史)小説の場合、まじめに解説しようとすると本文よりも解説の方が長くなりそうなものが多い。
或いはほんとうは他人に解説してもらいたいのだが、いつまで待てば良いかもわからんから、
もうとっととやってみる。
まず、棟梁三代というのは、頼朝・頼家・実朝の鎌倉三代将軍のこと。
最初に出てくる「まさ子」というのは北条政子のこと。
他にも範頼と、実朝の妻の坊門信子が出てくる。
頼家の次男の公暁と、四男の禅暁も出てくる。
これらはみな一人称で、それぞれが物語るという形になっている。
この一人称で群像劇っぽいやつは、他にもやったことがあるが、
子母沢寛『新選組始末記』のオマージュだと思ってもらえば良いと思う。

鎌倉や箱根、修善寺などを観光してみて、吾妻鏡など読んでいると、ついこういう話を書きたくなると思うのだが、
案外ないものだよな。
さらに、頼朝や実朝の小説はたくさんあるかもしれんが、頼家について書いたものはあまりない。
なので、私の話では逆に頼家の部分をややふくらませて書いてみた。
京都で暮らす坊門信子を、将軍を辞めさせられた宗尊親王が訪問して、昔語りをするという形で最後をしめている。
これもやや珍しいだろう。
また、実朝の歌

> もののふの 矢並つくろふ 小手の上に あられたばしる 那須のしの原

に新しい解釈を加え、偽の歌(つまり私が実朝の歌として詠んだ歌)

> 武蔵野や 名越えの関を こえもみで はるけくしのぶ 雪景色かな

を付け足したりした。
実朝の歌か、私の歌か、用心して読まないとだまされますよ(笑)。
いや、そもそも「もののふの」の歌は、実朝の実作かどうかも疑わしいのだが。

北条政子が本当に温泉好きだったかは定かではない。
政子が尼将軍として活躍するのは実朝が死んだあとの承久の乱だが、そこは書いてないし、
頼朝の活躍についてもほとんど何も書いてない。
そういうのは、すでに多くの人が小説にしているからだ。

ああ、あと、富士川の戦いを、将門の乱と対比して、解釈してみたりもしたよ。
北条政子が詠んだ歌

> 濁れるも 澄みて清きも 色濃きも 泡立ちたるも 湯はみなよろし

> 海に入り 川に流れて 出づる湯の 尽きせぬ国か やまとしまねは

これも偽物、つまり私が詠んだ歌。頼家や政子の和歌というのは、たぶん一つも伝わってない。
ちなみに、「濁れるも」は元は酒の歌だったのを少しだけいじったのだ。

> 濁れるも 澄みて清きも 色濃きも 泡立ちたるも 酒はみな良し

最初考えていたタイトルは『まさ子の温泉大好き』だった。これは三田寛子が昔、
わらっていいともでやっていた、「寛子のおかし大好き」にちなむものだった。

実朝が「京都の師匠」と言っているのは藤原定家、最近出た歌集というのは新古今集、「あの方」と言っているのは後鳥羽院のことだ。

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