高山病と鬱血性心不全は症状がほとんど同じだそうである。高山病の場合はまず血中酸素濃度が下がる。そうすると、血流を増やさなくてはならないので、24時間365日、心臓をよけいに稼働させなくてはならず、つまり運動やスポーツといった一時的な負荷ではなくて、常時心臓に負担をかけるために、次第に心臓が弱ってきて、静脈が水を心臓に返すことができなくなって、むくみや腹水、肺水腫という症状がでてくる。このうち肺水腫が一番自覚症状としてわかりやすく、また末期なので、肺に水がたまり始めるとやばい。即、入院。
アルコール性心筋症の場合、血中アルコールが直接心筋を弱めるとか負担をかけるとは考えにくい。それで私はふと考えたのだが、アルコールを大量に、毎日、何年間も続けて飲むと、肝臓は常にフル稼働でアルコールを代謝しなくてはならない。肝臓をフル稼働させるにはそれなりの血流が必要であろう。というより、ただ単に、血液を肝臓に通してアルコールを強制分解するためだけでも、肝臓を通す血流量を増やす必要があろう。というより、肝臓のフル稼働が常態化していることが、心臓にメッセージとして送られて、なら心臓もフル稼働せねばならぬ、という体質になってしまい、心臓もまた常時フル稼働させられる。そうして常時心臓に負担をかけるために、次第に心臓が弱ってきて、高山病と同様に、やがて、静脈が体から水を抜くことができなくなって、むくみや腹水、肺水腫という症状がでてくる。とまあこういう具合ではなかろうか。
この仮説が正しいとすれば、高山病とアルコール性心筋症はどちらも急性心筋症とでも言うべきものだ。心臓を休ませる。血液量を減らすために塩分を控える。水の摂取も控える。
高山病の場合山を下りれば血中酸素濃度が増えて心臓が休まり治るわけだが、アルコール性心筋症を治すには、別に、アルコールやカフェインなど、肝臓で代謝される物質の摂取を控える。というより、毎日大量に摂取するのをやめる。そうすると、肝臓の稼働率が下がる。肝臓の稼働率が下がると、どういう仕組みかは知らぬが、これまで肝臓にばんばん血液を回してくださいよ、とか言ってたホルモンの分泌が減る。心臓への指令が減って稼働率も下がり、次第に心臓が回復していく。とまあ、こんな具合ではなかろうか。この理論によれば、肝臓が丈夫で、肝機能障害がおきていなくても、肝臓の稼働率が高いだけで、心臓に負担をかける理由が説明できるのだ。アルコール性心筋症について書かれた論文をネットで検索して読んだことがあるが、現時点では、アルコールによって肝臓に何らかの障害がおきて、それがどういう理由でかわからんが、心筋を弱らせる、と考えられているらしいのである。実に曖昧模糊とした仮説ではないか。
γ-gtpが今年は150くらいまで上がったから、アルコール性肝機能障害であったことは間違いない。そうすると、やはり、肝臓はアルコールを分解するために余計に血流を必要とし、などというフィードバックがかかってた可能性があるよなあ。誰かこの理論の正しさ(或いは間違い)を証明してくれ。
ましかし、アルコール性心筋症などというマイナーな病気を研究する人などほとんどいないか。