個人出版はいかにプロデュースされるべきなのか

プロデュース、本来は何か物を作る、特に農産物を生産することのはずだが、多くの場合、ラジオやテレビ、映画など、
何かの作品を作るために人と金を手配して、作品を市場に売り込むことを言うらしい。
別に日本人がそう誤解しているだけでなく、本家のアメリカでもそうらしい。

[Amazon 講談社の読み放題対象作品を一方的に削除した問題](https://kindou.info/74150.html)。

> きんどうとしては、もともと読み放題にユーザーさんが参加されても、読まれてもアフィ収入にはならないので……そのどっちでもいいっちゃいいんですが。

なるほど。
ぽちって買わないと広告収入にはならないわけですね。

私としてはアマゾンがこれからも「実験的」な新サービスを次々繰り出してくれることはありがたい。
アマゾンとしては Kindle Unlimited がどっちの方向へ走り出すか、
完全に読み切れない状態でのスタートだったと思うんで、不測の事態に備えて、
一方的に配信停止したり、契約解除できるような契約を結んでいたのに違いない。
大手出版社や、佐藤秀峰らが、アマゾンとどんな形で契約していたのか。知らんがな。
実際にアマゾン側に不手際があったのかどうか。
そんなことは私にはわからないから推測するしかないのだけど。

たとえば、佐藤秀峰さんところの「マンガ on ウェブ」。
今も読み放題で提供されている。
これは良い本だ。
アマゾンはこれは切ってない。
それ以外のどんな本が切られたのか。
佐藤秀峰は言及してない。

どんな本がどんな理由で配信を拒否されたか。
それについては誰も語りたがらない。明示してない。
語りたくないからでしょう。
ほんとうにアマゾンが不当だったのか。判断できない。
自分に不利なカードは隠して戦おうとしている。そりゃそうだろう。商売とは、訴訟というものはそんなものだ。
どうもどっちもどっちな気がしてしかたない。
出版社側もわかってるのではないか。なぜ切られたか。
ほんとうに自信がある本が切られたから怒ってるのじゃあるまい。
アマゾンにカスをつかませようとして断られたからキレてるだけでしょ。違うの?

私としては、アマゾンに対して、まじめな個人作家の作品をなんとかプロデュースしようという「愛」を感じている。
読者がたくさんの文字を読むということは、良書であるということだろう。
たくさんの文字を書いて、それをきちんと読んでもらえたということは、報いがあったと感じる。励みになる。
KENP はおそらくその指標のために作られたものだろう。

中身がすっかすかで、1ページ辺り読むのに1秒かかるかかからないかで読み捨てられるような本。
エロと猫と萌えの写真がずらずら並んだような本。
アマゾンとしてはそんな本をプロデュースしたくて KDP を始めたんじゃなかろうよ。
私も自分で書いていて、この本の1ページと自分の本の1ページ、同じ報酬で読まれたんじゃたまらんなという本をよくみた。
逆ももちろんある。
ああこの本の1ページには他のアホみたいな本の100ページ以上の価値があるのにと感じることもある。

もちろんアマゾンも商売で本が売れりゃそれでいい、しかし、
いままでの流通や広告では見すごされて、埋もれていた、良質な個人作家の作品を、マスとして掘り起こしたい。
潜在需要を掘り起こしたい。
いわゆるロングテイルというやつ。そういう戦略で KDP をやっている。
アマゾンの一連のサービスや対応で見えてくるのはそこだ。
アマゾンに一貫する長期戦略というのはそこだよ。
個人出版としてはそこに乗っかるしかないじゃないか。

あほみたいなマーケティングに明け暮れる出版業界。
そのあほみたいなマーケティング、特に、すでに形骸化して久しい文学賞とか権威付けに群がるしか能の無い読者たち、作家たち。
アマゾンがそこをヤってくれるかどうかはわからんが、そこが、長い目で見て解決されなきゃならない部分でしょ。淀みでしょ。

読み放題や試し読みの方法はもっといろいろ試されて良い。もっと広まったほうがよい。
読んでみたらつまらなかった本は淘汰されたほうがよい。
今のアマゾンランキングは改善されるべきだ。
これからもどんどん変わっていくのに違いない。

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