日本赤軍の女

昨日週刊アスキーを GET しようと思ったら見当たらない.
もしかして今日発売?
体が週刊誌を読みたい状態になってたので,
仕方なく週刊新潮と週刊文春を買う.
週刊新潮「たかが,されどテレビ」というコラムで,
ある日本娘がテルアビブ空港でテロリスト扱いされたという話.
他の乗客と隔離され,
兵隊のような男に銃を突き付けられたまま連行され,
飛行機でもずっとその兵隊と一緒だったそうだ.
そりゃあ生きた心地もしなかったでしょうね.
なんでも化粧もせずスッピンだったので日本赤軍に間違われたそうな(大爆笑).
久しぶりに笑かせてもらいました.
きっとマニュアルに書いてあるんだな.
こうこうこういうみなりの日本女性は日本赤軍だ.
とか.
男だとサラリーマン風を装った方がいいんのかな.
私も一度シカゴ空港で捕まったことがあって.
エディーマーフィーみたいな顔の警備員に
「domestic airline はどこですか?」と聞いたら,
どうもみなりがみすぼらしすぎたのがいけなかったらしいのだが,
「何日滞在するんだ」
「一週間です」
「荷物が少なすぎる.服はどうする」
「そのうち買います」
とかってしばらく尋問されて,
国際会議の資料などを見せたらようやく信用されたのでした.
私は荷物は最小限にして服は現地調達.
帰りにおみやげ代わりにもって帰る.
という方針なのですね.

しかしこの女性は敬虔なクリスチャンだったそうで.
かわいそうな話ではある.
外国では化粧をしない清楚な日本女性とは思ってくれないんだなぁ.
化粧はどのくらいすればいいかって私の好みでいえば,
口紅とクリームくらいかな.
匂いのきつくない.

今朝の日経では,どうも大使館関係者らしい人が,
イスラエルのオスマントルコ時代の鉄道の跡をいろいろ探して廻ったという
物好きな話が載っていたが,
あちこちでパレスチナ人やイスラエル人に尋問されたという.
物騒な話である.
列車にはマシンガンを持った治安要員が二人乗っていて,
爆弾が仕掛けてないか,床にはいつくばって調べるんだそうだ.
いやはや物騒な国だ.

これは週刊文春の方の記事だが.
役所広司という人は私と同郷,つまり諌早の人らしいのだが,
それはともかく.
「うなぎ」がグランプリを受賞したのは,
フランス人がアメリカ映画を嫌っているからだ,と受賞した監督が言っていた.
ふーん.
まあアメリカ映画は純粋に娯楽だから.
こないだ「ツイスター」見たけど.
なんも考えずに楽しめるわな.
子供の離乳食みたいなもんだ.
この監督はお金をかけた映画というもんは肯定してて,
お金は使わないよりは使った方がいい.
どんどん集めてどんどん使ってどんどん儲けてどんどん作るべきだ.
と言う.
私も,お金のかかる研究は否定しない(笑).

追記: 尋問されたのは、みなりというよりは、ホテルの予約がなかったからだろう。

なぜ豆腐は固まるか?

野田春彦著「生命の起源 改訂版」NHK ブックスというのを読んでいたら,コアセルベートの話のついでに「なぜ豆腐は固まるか?」についてほんの少しだがヒントが書いてあった.つまり蛋白質は水という溶媒に溶け易い.が,塩やアルコールを加えると,蛋白質が水に溶けにくくなり,蛋白質どうしが集まって沈澱することによって豆腐が析出!するのだそうだ.

なるほど.でも,なぜ塩化マグネシウムよりもグルコノδラクトンの方が固まり易いのか?なぜ豆乳を熱するのか?については未だ明らかにされてはいない.さらなる研究を要するとみた.しかし,世の中には蛋白質に詳しい人もいるだろう.蛋白研の人とか.豆腐研究を本職にする人もいるだろう.その人達に聞くのが早いのではないか.まあいいや.

梁塵秘抄

「梁塵秘抄」があったので借りてきて読む.

> 我が子は二十に成りぬらん 博打してこそ歩くなれ 国々の博党に
さすがに子なれば憎か無し 負かいたまふな 王子の住吉西の宮

という歌があり,冒頭の
「我が子は二十に成りぬらん 博打してこそ歩くなれ」
の部分なんて,
不良息子を持った母親の愚痴のようで面白いよなあ.

>
山伏の 腰に付けたる ホラ貝の ちやうと落ち ていと割れ
砕けてものを 思ふころかな

これはなんてふざけた歌だろうか.と思ったら,
実は山伏の失恋の歌なのだそうだ.
ますますふざけてる.

Sword of Gideon

「ギデオン」というのを借りた.
原題は Sword of Gideon.
これは,ミュンヘンのオリンピック村で起きたテロに報復するために,
その 7 人の首謀者に対して,モサドが 5 人の刺客を送る…という話.

ミュンヘンのオリンピック村のテロ事件というところまでは,
少なくとも実話なのだろう.
1 人がその場で射殺され,
11 人が人質になったが,
ドイツ軍の強行突入作戦が失敗し,
11 人全員が手榴弾で爆死するという凄惨な結末になった.
字幕で「スパイ」と訳されているところは英語では
secret agent とか agent of Mossad などと言っていた.

ギデオンといえば,
国際ギデオン協会の聖書が有名だ.
ホテルにもよく置いてあるし,
私が学部生のころは大学でときどきただで配っていた.
ちょっと気になったので調べてみたら,
ギデオンというのは士師記に出て来る人で,
イスラエル人がミデアン人に支配されていたときに
現れた預言者(指導者)とのこと.
ミデアン人はイスラエル人に征服され,そののち再起することができず,
またギデオンが生きている 40 年間イスラエルでは平和が続いたそうだ.

さて,ギデオンには 70 人の子供がいたが,
そのうちの一人のアビメレクという人が,
自分の兄弟を皆殺しにして王になった.
ただしヨタムという人だけが逃げて助かり,アビメレクを呪った.
しばらくしてアビメレクは彼を王に立てた民と不仲になり,
その民を攻めている途中に,
ひとりの女が落した石臼に頭蓋骨を砕かれて死んだそうだ.
ふーん.

蝙蝠を撃て!

雁屋哲が「週間金曜日」で
「蝙蝠を撃て!」という漫画の原作をやってるらしい.
「諸君!」によれば「左翼版ゴーマニズム宣言」を試みたもの,
だそうである.
今度読んでみるかな.
ここで言っている「蝙蝠」とは
戦後の「転向」とか「反動」のことらしい.
例えば,江藤淳.
私の知る限り,かつてこの人ほど「転向」よばわりされた人はない.
「転向の象徴」なのだろう.
世の中のすべての「右翼」
は左翼からみると,たかだか「左翼からの転向」なのであろう.
でもこれは一昔前の事情である.
吉本隆明の「我が転向」を挙げるまでもなく,
いまどき転向者は掃いて捨てるほどいるようだ.

江藤淳は東工大教授だった.
江頭先生という名前で,こちらが本名なのだろう.
一度,教官室までおじゃましたことがある.
どういういきさつだったか今では良く覚えていないが,
諌早の詩人伊東静雄のことなど話をした.
伊東静雄の話になると長くなるので,やめておこう.

「左翼版ゴー宣」が出て来るということは
「元祖ゴー宣」はつまり「右翼」なわけだ.
小林よしのりも,
もう引くに引けないところまで来てしまったわけだなあ.

どうでもいいことだが,
「ナニワ金融道」
の原作者の青木雄二は,ばりばりのコミュニストらしい.
蟹工船まがいの漫画を一度見た覚えがある.
また,なんとかという週刊誌にコラムを書いていた
(アサヒ芸能の「天下極楽人生相談」か?).
おそらく「ナニワ金融道」
はそのへんのエキスを薄めて作られたものだろう.

γラクトンとδラクトン

岩波理化学辞典.グルコン酸 gluconic acid は水に溶けると一部がラクトンに変わる.
γラクトンとδラクトンがある.
このグルコノδラクトンは水に溶かすとすみやかに加水分解されて,酸-ラクトン平衡に達するという.
ううーむ.で,結局のところ,豆乳にグルコノδラクトンを加えて熱するとどうして固まるのでしょうか.

浦安ネズミーランドからの中継

大宮悦子
はい、私レポーターの大宮悦子です。ここ浦安ネズミーランドはゴールデンウィークの中日で、晴天にも恵まれまして、観光客や家族連れでたいへん混みあっております。さっそくちょっとお話をうかがってみようと思います。あのーお楽しみのところすいません、ホゲテレビですが、少々お話をうかがってもよろしいでしょうか?
通りすがりの女子高生風A
えー。ホゲテレビぃ?なんですか?
大宮悦子
諌早湾の干拓ってご存知ですか?
Aの連れの女子高生風B
知ってますよぉ。
大宮悦子
つい先日、潮受け堤防が閉め切られ、ムツゴロウや、トビハゼ、ヤマトオサガニ、ワラスボ、クロヘナタリなどのたくさんの海の生物たちが、今まさに死に絶えようとしていることについて、どのようにお考えですか?
女子高生風B
えー。なんかちょーエムエム~って感じ。
女子高生風A
ムツゴロウ可哀想。生き物を殺すのは良くないことだわ。
女子高生風B
ラムサール条約がどうしたこうした、って感じだわ~。
女子高生風A
B子って超ものしり~。
女子高生風B
うふふ。いわゆるリケンってやつね~。
女子高生風A
まったくどうしてみんな環境問題について深く考えようとしないのかしら?
女子高生風B
いますぐ干拓をやめてもとの干潟に戻すべきよ!いまならまだ間に合うわ~。
大宮悦子
その通りだと、私も思います。でも、ここ、ちょうど私達が今立っている浦安ネズミーランドは、以前は遠浅の海で、浅草海苔の養殖場でもあり、キスやカレイやアサリがたくさん採れる、海の生き物たちの楽園だったっていうことはご存知ですか?
女子高生風AとB
えー?知らなーい。
大宮悦子
たくさんの海の生き物たちを生き埋めにした上で、のほほ~んと楽しそうに遊んでいて、罪の意識を感じませんか?少なくとも、諌早湾の干拓にシノゴノ言う資格は、あなたたちにはないとは思いませんか?諌早湾の干拓を中止して干潟に戻す前に、今、私たちが暮らしているこの東京の、浦安ネズミーランドを元の遠浅の海に戻すべきだとは思いませんか?
女子高生風A
えー?どうして~~。私達関係ないし~。
女子高生風B
せっかく作ったのにもったいないじゃ~ん。お金もかかってるしい。それに浦安の昔のことなんて知らなかったんだもん。
大宮悦子
つまりあなたがたはマスコミの垂れ流すことならなんでもその通り、怒ったり騒いだり文句を言うけれども、それ以外のことは自分の快楽を優先するお調子もの、っていうことですね?せっかく作ったのに壊すのがもったいないなら、諌早湾の潮止堤防だって、超~もったいないんじゃありませんか?
通りすがりの某タクシードライバー
ちょっと待ちなよホゲテレビの大宮悦子さん。
大宮悦子
は?どなたですか?
某タクシードライバー
おれはこの浦安で20年間タクシーの運転手をやってる大沢木ってもんだ。さっきから聞いているといったいぜんたいあんたは何が言いたいんだ?
そもそもオタクのホゲテレビは、つい最近、お台場の新社屋に引っ越したばかりじゃなかったかね。お台場だってもとは海だったんだよ。たくさんの海の生物が生きていたんだよ。その海の生物を皆殺しにした上でのほほんと、バラエティ報道番組なんか作っているホゲテレビに、>諌早湾の干拓がどうしたこうしたとか、浦安ネズミーランドがどうしたこうしたとか、ってホゲホゲヌカしている資格があるとでも思ってんのか。そもそも、海を埋め立てて作った羽田空港や、湾岸道路や、港湾施設や、コンビナートや、ゴミ処理場の恩恵を毎日受けている東京都民に、諌早湾だの三峡ダムだのカワイルカだの、よそさまの土地の世話を焼く資格があるのか。環境問題がどうのこうのっていうんなら、まず自分たちが住んでいる東京の海をもとの干潟や海に戻すべきじゃないのかね?あーん?
台場ホゲテレビ スタジオ 808 でふんぞり返っているディレクターS
ちっ。こちとら、視聴率さえ稼げりゃあいいんだよ。たまたま世の中の騒ぎになってるからネタにしたまでだ。さっさと CM に切り替えろ!

ジェーン・エア

嵐が丘を書いたエミリ・ブロンテのお姉さんがシャーロット・ブロンテで,その人の書いた小説がジェーン・エアで,その映画化されたビデオを嵐が丘のついでに借りてきた.普通に楽しめた.主人公(ヒロイン)が幸薄い孤児で,

愛された人のためなら馬に蹴られても牛に突かれてもいいわ!

と言うところなんか,思わず馬の後脚にぱかっと蹴られるシーンや,牛の角にどかっと突き飛ばされる姿を想像してしまって泣けた.

小説にも映画化しやすいのとしにくいのとあるだろうけど,ジェーン・エアはごくしやすい方ではないか.

嵐が丘は難しいよね.私も読む前に恋愛小説だという話は聞いていたが,読み始めてしばらくは誰と誰が愛し合うのかさっぱり分からず,もしこのまま映画化すれば,最初の 30 分間はただもう殺伐として陰惨な家庭のありさまが延々と描写されるだけだ.映画化するにはある程度小説としてのディテイルを落したり,或いは筋を整理したり流れをつかみやすくしなくてはならないと思うが,そうするとあの独特の粗野で雑然とした雰囲気が伝わらなくなってしまうだろう.そのうちキャサリン・アーンショウという気性の荒い女の子と,アーンショウ家に拾われてきた(或いはその家の亭主の隠し子?)ヒースクリフという男の子がこの話の主人公らしいことがわかってくる.この二人は幼い頃嵐が丘で野性児のように放任されて育つ.互いに相手を自分の分身のように考えていたが,そのうちキャサリンだけがおしとやかな女性として育てられるようになり,とくに好きでもない近所の金持ちの家の息子エドガー・リントンと結婚してしまう.ヒースクリフはいじけて家を飛び出す.三年後ヒースクリフはお金をたんまり稼いで嵐が丘に戻って来る.そしてアーンショウ家とリントン家に徹底的な復讐を開始する.ヒースクリフはエドガーの妹イザベラをかどわかして結婚する.わがままなキャサリンは夫エドガーというものがありながらヒースクリフとの交際も続けたがり,エドガーにも彼との交際を勧めるが,エドガーはそれを拒絶する.キャサリンは三日三晩自室に閉じ籠って怒り狂った挙げ句,脳膜炎をわずらい半病人になってしまい,ヒースクリフと再会したとき発作をおこして死んでしまう.ヒースクリフはいよいよ復讐の執念を燃やす.という救いようのないお話なのでした.まあ凡庸な監督が映画化しても収拾つかん筋書きだよなぁ.西原理恵子なんかが漫画化すると笑えるかもしれん.

嵐が丘2

なかなか面白い.これは,キャンディキャンディとか赤毛のアンとか(赤毛のアンは実は読んだことも見たこともないが :-P)よりもむしろシドニーシェルダンに似ている.penguin books の本も借りてくる.ビデオも借りて来る.しかしこの映画はとんだデキソコナイだ.借りて損した。

青木大使

夕刊フジに書いてあったが,日本大使公邸が占拠されたのは日本大使の責任であるから,大使は辞任すべきであるという.外務大臣も辞任すべきであるという.また,同じことは日経の春秋にもちょっとだけ書いてあったが,こちらはどちらかというと同情的である.私は,理由の如何を問わず,また本人が人質になったかどうかも関係なく,大使公邸での事件はつまるところ大使が責任を取るのが筋だと思う.責任者が処分されることによって責任の所在が明らかになることが重要なんであり,そのために責任者は部下よりも余計に給料を貰い名誉も与えられているのであり,それが綱紀粛正ということであり,それが noblesse oblige というこである.青木大使個人がどれだけ頑張ったかとか,サムライだったかどうかとか,そんなことはどうでも良い.いやサムライだったんならなおさら潔く「辞任」し,後世に範を示すべきだろう.

どちらかと言えば日本政府全体がそういうぬるま湯みたいな体質だから起きたとも言える事件ではある.そんなことはもちろんわかり切っている.夕刊フジによれば,例年は用心のため昼間に小規模のパーティを開いていたが,去年は夜盛大に開いたそうだ.誰の指示かは明らかだ.よって国家的信頼の喪失,人的物的被害,数百億円の支出,などなどの結果を生んだ.のんきにパーティを開いて隙を作るとか,重大事件が発生したときに大使が不在だとか大使が遅刻するとか(日米開戦の時),そういう不祥事の再発を防ぐためにも厳しく処分すべきではなかろうか.

追記:
日本大使公邸においてペルー政府が,日本政府または日本政府の全権を委任していると見なされる大使に許可なく軍事行動を起こして,邦人に死者が出た場合,それは本来戦争事由にもなりうる重大事件だ.もちろん,日本がペルーに対して宣戦布告する,ということもあり得る,という意味でだ.橋本龍太郎がブゼンとしていたのも当然だと思う.まあしかしそれは極端な例ではある.帝国主義華やかなりし日のやり方である.今回の場合,日本政府は軍隊も派遣せず,ペルー政府にすべてをまかせていた形になっているので,事後承諾でもやむを得ないだろう(で結局何がいいたいのだ?).

人質が一人死んだのはわざと殺したんだという疑惑が現地の新聞で取り上げられているそうだ.まあ私が独裁者フジモリになり代わって考えてみるに,人質全員無事救出することの方が,やっかいな政敵をどさくさに紛れて殺すよりも,国際世論にも国内世論にも評価され,ずっと自分の独裁体制を固めるのに役に立つんじゃないのかな?だから私はその手の話は信憑性は低いと思う.ただ,軍の影響力がどのくらいあるかというのが不確定要素ではある.フジモリ大統領ではなく,軍の中の一部の勢力の指示かもしれないし,それはあり得るかもしれない.アメリカ政府や日本政府はそのへんを気にしているようだが….