有料化

[パブー](http://p.booklog.jp/)に公開している小説だが、一部を残してすべて有料化した。
いや、正確にいえば、スースと超ヒモ理論に関しては、最終話だけを有料化した。
つまり、スースは[スース7](http://p.booklog.jp/book/29283)を、
超ヒモ理論は[超ヒモ理論III](http://p.booklog.jp/book/24254)を、それぞれ有料にした。
棟梁三代記とトゥエンティ・トゥエンティは全体が有料だが前半だけ試し読みとした。

まあ、ほとんどは無料でみれて、最終話を読まなくてもだいたい雰囲気はわかるわけだし、
どうしても結末が知りたい人や、お金を払ってもよいと評価してくれた人が、100円払ってくれればよい。
無料にしても有料にしても、まったく読まれないわけでもなく、ものすごく読まれるわけでもない。
ものすごく読まれて、お金がどんどん儲かるようになるには、今とはまったく別の方法論が必要になるだろう。
まるで見当つかないけどね。

今や完全無料は[アルプスの少女デーテ](http://p.booklog.jp/book/27196)だけかな。
これは一話完結でごく短いものなので。

無料というのは、ようするに、一種の広告費、広報支出なわけだ。このくらい無料で公開していれば十分だろう。

今のところ、一番読まれているのは[棟梁三代記](http://p.booklog.jp/book/24015)で、その次が[スース](http://p.booklog.jp/book/27144)。
だが、勢いからして、いずれスースが一番になるだろうと思う。

しかし、思うのだが、スースとか超ヒモ理論などはパブーで一から書いたものであり、
棟梁三代記も、オンラインで読んでそれほど違和感はないのだけど、
も少し長い小説をパブーで公開しようとすると、かなりよみづらい。
パブーで長編小説を読むというのはかなり難しい気がする。
やはりキンドルのような専用デバイスがないと、ある程度以上の分量の文章を読むのはきつい、と思う。

こないだ、鈴木みそがパブーに漫画を無料公開していたけど、読むのがかなりめんどう臭かった。
しかしあれが紙媒体なら、じっくり読むことができ、めんどう臭さも大してなかったように思う。
鈴木みそも、パブーのようなオンライン書籍向けに書いたわけではあるまい。
彼の漫画は、特にああいう蘊蓄系のものは、こってりしているので、紙媒体で読むくらいでちょうどよいのだと思う。

逆にさらっと読める程度の漫画ならばパブーにも向いていると思う。

頑張らない

「頑張らない」とか、「頑張れ」というとよけい負担になる、などというのは確かにそのとおりだと思うのだが、
それを10代や20代の若者までいうのはどうかと思う。
30代くらいまでは、わけもわからず、周りも見えず、自分の可能性もわからないのだから、
とにかくがむしゃらに頑張るというのは、アリだと思うのだ。
そうやって突っ走るとだいたい自分がどのくらいできるかがわかる。

しかし、40過ぎると、過去の資産がたまってきて、それを要領よく使い回せば、特に頑張らなくてもなんとかなってしまうし、
また、あまり新しいことばかりあたふた試行錯誤するよりは、いわば枯れた仕事を淡々とこなした方が、
周りにとっても有益だったりする。
ふと立ち止まると、昔に比べてずっと見渡しも見晴らしもよくなっていて、
リソースとか、100%使わなくても、20%くらいでそれなりに仕事できたりする。
その上、40過ぎると無理がきかなくなる。
40というか、45過ぎたら、後は余生だと思って、過去の蓄積をうまくやりくりして、
ある意味のんべんだらりと仕事した方が、自分のためにも周りのためにもなるのではないか。
余った時間はいろいろ今までとは違うことに使えばよい。
ずっと同じことを定年まで続けるなど、むなしくないか。

逆の言い方をすれば、40代くらいまでにそのくらいの過去の蓄積がないと苦しいよなあ。
年金とか積立貯金とか不動産みたいなもんだよなあ。

素朴な疑問

國破山河在
城春草木深
感時花濺涙
恨別鳥驚心
烽火連三月
家書抵萬金
白頭掻更短
渾欲不勝簪

高校の漢文の教科書の最初に出てくる、杜甫の「春望」だが、これは普通次のように訓み、また訳す。

国破れて山河在り 国は崩壊してしまったが、山や河は変わらず、
城春にして草木深し 城内では春が訪れ草木が青く茂っている。
時に感じては花にも涙を濺ぎ 時世の悲しみを感じては花を見ても涙がこぼれおち、
別れを恨んで鳥にも心を驚かす 家族との別れをうらめしく思っては鳥の鳴き声にすら心を痛ませる。
烽火 三月に連なり 幾月が経ってものろし火は消えることはなく、
家書 万金に抵る 家族からの手紙は万金にも値する
白頭掻けば更に短く 白い頭を掻けば掻くほど髪の毛が抜け落ち、
渾て簪に勝えざらんと欲す まったくかんざしを挿せそうにもないほどだ。

「感時花濺涙」の主語は「花」なのではないか。つまり、「花が時に感じて涙を濺ぐ」。
「恨別鳥驚心」の主語は「鳥」ではないのか。つまり、「鳥が別れを恨み、心を驚かす」。

教科書にはいろいろと解説が載っているのだが、上の箇所については何も説明していない。
おそらく、きちんと説明できないからではなかろうか。

「白頭掻けば更に短く」の読みも何か変だ。
「白頭掻」「更短」のように切れるわけがない。
「掻白頭」のように動詞の後に目的語が来るべきだ。
2-3と切れることはあっても、3-2と切れることは、詩の歌い方としてあり得ない。
従って、「白頭」「掻更短」と切れるはずであり、またそのように訳すべきだ、詩なのだから。
「掻更短」は、「掻」が主語、「更」が動詞、「短」が目的語、ということはなかろうか。
「更」を漢和辞典で調べると「更に」という意味の例は少なく、ほとんどは「更める」という意味だ。
直訳すれば、「掻くことは短くする」というような意味ではなかろうか。
「簪」は単なるかんざしではなくて、冠を止めるための留め具のようなものだろう。
「冠を止めるためにかんざしを挿す」という動詞で使われている可能性もある。

それで、「白頭掻更短 渾欲不勝簪」を敢えて訳せば、
「白髪は、掻けば掻くほどに短くなり、まったく冠をかんざしで止めておけなさそうだ。」となる。

英訳を発見した。

Du Fu: A Spring Scene in Wartime (From Classical Chinese)
A Spring Scene in Wartime
By Du Fu
Translated by A.Z. Foreman

The state in pieces, hills and streams endure.
The city’s springtime: grass and vines on rock.
Touched by the times, the flowers spread their tears.
Loathing to leave, the birds bolt up in shock.
The torch of war has filled three months with fire.
One word from home is worth ten tons of gold,
I’ve scratched so much of my grayed hair away
Even my hairpin weighs too much to hold.

ふーむ。やはり、花と鳥を主語で訳しているな。
最後の箇所はしかし、白髪をかきむしったので、かんざしがとまらなくなったと訳している。

いろんな意味で、伝統的な書き下し文で漢文を教えることには限界があるのではないか。

つまり、変な意訳をされてしまうと、鑑賞するだけならおもしろおかしくて良いかもしれんが、
いざ自分で漢詩を作ろうというときに、まるで勘が狂ってしまうというか、一から勉強し直さなきゃいけないと思うのだ。

カフェインとアルコール

どうしても飴をなめるのがやめられない。
思うに、以前は朝起きて夕方までずっとカフェオレかミルクティーを飲んでいて、その後は酒を飲んで寝ていた。
つまり、起きている間中カフェインかアルコールを摂取していたわけだ。
カフェインもアルコールも肝臓で代謝されるわけで、いずれも、肝臓に負担をかける。
その両方を今はやめているから、どうにも落ち着かない、それで飴とかガムを常に求めてしまうのに違いない。

やめられるかなあ、この習慣。

電車でのど飴舐めてる人をみかけたが、良い大人が飴舐めるのは、はたで見ててあまりみっとも良いものじゃあないな。
何で舐めてんのこの人とか思ってしまう。

飲み間違い

こんだけ薬があると飲み忘れたり飲み過ぎたりしてもおかしくないよなとは思ってたが、
腹の上、Tシャツの上にアーチスト錠がひとつ落ちていて焦った。飲んだ。
それから包装を確認すると、一種類だけ同じのが2つあった。ジゴキシンだ。鬱血性心不全の強心剤。おなじの二個飲んでしまった。
うーむ。
気を付けないと。

まず、パッケージを調べ、錠剤を取り出してそれを紙の上かなんかに並べて、こぼれないよう一気に口に入れて、
すかさず水で流し込むと。

代償行為

今日は動悸が不安定なこともなく、血糖値が下がりすぎてくらくらすることもなく、血圧も心拍数もまずまずで、
とにかく平穏無事な一日だった。
こんな具合で体調が安定してくれるとありがたいのだが。
飯をたくさん食うと血糖値が上がって目がぱちりと目覚めるようだ。なにしろ10kgも一気に体重落ちたのだから、
無理に食事制限するのは危険だ。
徐々に徐々に体重を落としていかないと。
家族に以前は手が暖かかったが今は冷たいなどと言われる。
心臓の動きを抑えているせいなのか。
それともそもそも血の中にアルコールがないせいか。
単に体重が減ったせいかもしれん。

どうしても飴をなめたりガムをかんだりしてしまう。
紛れもなく酒を飲めないのでその代償行為を無意識のうちに求めているのだと思う。

『極道めし』など見ると、刑務所では囚人が甘い物や酢昆布など菓子をほしがるというのが出てくる。
大の大人がなぜ菓子を食べたがるのか不思議だったが、
アルコールやカフェインの摂取を禁じられるとその代償として菓子類を食べたくなるのだろう。
菓子は刑務所でもたまに食べられるが、酒やコーヒーなどは禁止されているから、勢い菓子で発散するのではないか。
アルコールやカフェインも広い意味では薬物中毒。
甘い物もそうなのかもしれん。
これらの依存というのは、おそらく、簡単には断ち切れないのだろうなあ。

退院したあと飲み屋にもいくのだが、アルコールが入ってない飲み物は、一杯飲むと飽きてしまう。
酒の場合には、何杯も飲んでいくうちに徐々にアルコールが回っていって気分が変化する。高揚していく。
飲めば飲むほどに坂を上っていく感じ。
たぶん、その変動が楽しいのだ。
しかしアルコールフリーだと、いくら飲んでも自分の気分は一定、なんの変化もない。
だから、もう一杯、さらにもう一杯と飲もうという動機がない。

アメリカ人の味覚

CNNgo.com というサイト。
[World’s 50 most delicious foods](http://www.cnngo.com/explorations/eat/worlds-50-most-delicious-foods-067535)。
50位のうちに、アメリカ料理が七つも入っている。明らかに公平性に欠く。
それも、アイスクリームとかドーナツとか、ケチャップとかポップコーンとかポテトチップとか。あほかと。
ドーナツとケチャップに関して言えば、一生二度と食わなくてもかまわん。
ていうかケチャップよりマヨネーズの方がはるかに重要じゃねえか。
アイスクリーム、ポップコーン、ポテトチップはたしかに好きで良く食うが、お菓子だろ、乾きもんだろ。

イギリス料理では、フィッシュアンドチップスとバタートーストが入っているが、
まあたしかにトーストはうまいと言ってやってもよいが、それより白いご飯の方がうまいだろ?
フィッシュアンドチップスより天ぷらの方がましじゃね、とか思う。

そもそもイギリス料理やアメリカ料理が多すぎるわりに中華料理やイタリア料理やフランス料理が少なすぎる。
タイ料理が多すぎる気もする。

テレビと節電

私は、自分の意志ではテレビはみない。家族がつけているので、ついでに見るくらい。

DVDや、ナショジオなどは見る。NHK BS は割と好き。

で、テレビを切れば節電になるというが、実際うちの家族はラジオをつけてやっても、
結局テレビを見てしまう。

入院したときは相部屋だったが、みなテレビカードを1000円で買ってきて、延々と見ている。
退院してまた別の人が入院してきても、やはりテレビは見ている。

結局日本人はほとんどみなテレビを見る。
で、病院に無線LANなど用意されてはいない。

このような状況で節電のためにテレビを消しましょうなどといっても無駄に決まってる。
だが、循環器系というのはたいてい中年か老人が入院するものであり、
今の若い連中はも少しテレビ依存が少ないものと期待したい。

最近は何か地震速報にしろ何にしろ、新しいニュースを知りたいときはツイッターをまず見る。
つぎにフィードリーダー経由で2chかなあ。
直接ニュースサイトを見ることはほとんどない。

電波なんて競争入札にすればいいのに。

心臓カテーテル止血

これは入院中に撮影したものだが、

心臓の左側と右側に同時にカテーテルを通す。左側は動脈から入れ(左心室は、全身に血を送り出す側)、
右側は静脈から入れる(右心房は全身から血が返ってくる)。
動脈は手首から、静脈は肘の内側から入れる。
動脈は高い圧力がかかっているのでなかなか止血できない。
中が空洞になったバンドを当てて、そこに空気を送り込んで、圧力をかけて止血する。
手首が動かないように添え木をあてる。
徐々に空気を抜いていき、8時間ほどで止血バンドを取れるはずなのだが、
中で内出血していたらしく、じわじわ血がにじみ出してくる。
それで再び空気を入れて、それを1時間おきに徐々に抜いて、最終的には翌日に止血バンドを外した。

黒い点々はマジックで書いたもので、内出血の範囲がさらに広がってないか確かめるために書いたもの。


止血バンドをはずして血などをきれいに拭いたところ。

心臓カテーテル装置だが、[このページの写真](http://www.kamagaya-hp.jp/depart/cardiology/cardiology.html)
のものとほとんど同じだと思う。
X線カメラが二台、ロボットアームみたいなのでぐいんぐいん動き、
液晶ディスプレイが8枚くらい並んでいる。