オリンピック種目でもセンター試験でもそうだが、
日本人はこれという確かな目標が定まると、ガラパゴス的にそれに最適化しようとする。
外乱が少なすぎるのだろう。
外乱がない方が、特殊な、独特な進化を誘発しやすい。
それはガラパゴスの良い発現の仕方だが、
悪い方へいくと、要するに将来性の全くない、盲腸のようなものをひたすらはぐくみ育てることになる。
民主党政権が崩壊して不況がやや和らいだように見えるのだが、
結果論で言えば、民主党政権の前の自民党政権のとき円安なのに不景気だったのは、
日本の政治がどうしようもなく行き詰まってしまっていたからだろう。
そして自民党がしばらく野党に転落して返り咲くと、
日本の政治の連続性の良い面が息を吹き返して、経済や民心によい作用をするのだと思う。
民主党は、ようは、小選挙区制を導入して日本に二大政党政治を人工的に作り出そうとして、
みずからをアメリカの民主党のようなリベラルと位置づけて、自民党を相対的に共和党に仕立て上げた。
アメリカの政治はエスタブリッシュメントと、移民や黒人などの対立からできているから、
資本家と労働者、
保守と革新、
共和党、民主党というわかりやすい対立の構図ができ、その間をだいたい8年とか16年くらいのかなり長い周期で調整するので、
うまい具合に機能するのだろう。
ところが、民主党というのは、いつまでたっても人工的に作り上げたリベラル与党というだけで、
何の実態も持ち得なかった。
そうすると、戦前の政治家の生き残りである自民党の「血筋」の良さというものが、こういう不景気には効いてくる。
自民党は野党になるたびに刷新して強くなる。
民主党にはその気配すらない。
世襲議員はダメだとその一点張りしか言えない人もいた。
世襲議員はあまりよろしくないが、それを完全に否定しようとするととんでもないことになるってことは今回よくわかった。
結局日本というのは、自民党という一党独裁が20年とか30年周期くらいにときどき野党に転落して、
そこで政治的調整と混乱を経て、
ふたたび一党独裁に戻る。
そういう政権交代の形を取るのが一番安定していて効率的なのではなかろうか。
確かに自民党政権は未だに何もやってない。
為替操作とかインフレターゲット政策すらまだやってない。
やるかもしれませんとは言ったかも知れないが。
景気が回復しつつあるのは、
自民党政権が復帰したとき、多数議席を占めたとき日本は強いという歴史的前例があるからだろう。