現状を変更しようというときに、
既得権益を持っている連中は必ず反対するのだが、
それによって誰が既得権益を持っているかすぐにばれるのだが、
それが左翼の場合(あるいは右翼も同じかもしれんが)、
だいたいどういう反応をするか、私もだいぶ学習した。
たいていの人間は普段経営とか政治というものと直接関わらず生きている。
現状維持派は会議を紛糾させて引っかき回して、多数派たちを不安にさせる。
判断できないまま、右往左往してしまう。
そこで多数決を採れば、不安に駆られた連中は、現状維持の方が無難だと考えて、
改革派の意見を否定してしまうのである。
そういうその他大勢の連中に主体的に判断させるのが問題だ。
左翼はもう何十年もそういう戦略で生き残ってきた。
彼らは無知な多数派、民主主義とか多数決というものを人質に取ることで、
経営判断とか政治判断というものをつぶしてしまう。
ふつう民主政治といっても全員が政治に関わっているわけではない。
間接民主政というやつで、政治判断を選挙で選ばれた代表者に委任している。
比較的少数の場合には直接民主政となるが、
例えばスイスなどは毎年何回もリファレンダムやるんだが、
そういうところはふだんから一人一人が政治判断をしているからできるんであって、
ふだん間接民主政で委任している連中がいきなり直接民主政にひっぱり出されるとたいてい恐怖に駆られて後ろ向きな判断をしてしまう。いっせいに寝た子が起きた状態になる。
そういうことではたいていの会社はつぶれてしまうから、会社法というものがあるんだろう。
株式会社は短期的な独裁はできるようになっている。
ともかく左翼はそういう戦術で、民主主義の御旗をかかげて多数派を扇動してきた。
その言うことはそのときそのときはもっともに見える。
だが彼らがやってきたことを長期的に見ればその場限りの自分たちに都合の良い取るにたりないことをかき集めたに過ぎない。
たぶん古代ギリシャのアテネの頃からずっと繰り返されてきたことに違いない。
政令指定都市が大きくなるのも、大阪市を解消して大阪府にするのも、
地方行政の単位を大きくしようという意味では同じなのに、
政令指定都市が市であることを根拠に、大阪市の区への解体は他の地方自治体の流れと反する、などと言ったりする。
少なくともそこには嘘がある。
そして一つ嘘があるということは他も嘘かも知れない。
そういう嘘を紛れ込ませるということは既得権益者であろう。
実は多くの人は政治的に右往左往するのが好きなのかもしれない。
そういう遺伝子を持った人が多いのではなかろうか。