[Aus dem Leben (Projekt Gutenberg)](http://gutenberg.spiegel.de/buch/aus-dem-leben-670/1) (1900)
はテキストデータ化されているのだが、元の書籍の写真(PDF版)は見つからない。
[Verirrt und Gefunden](http://www.e-rara.ch/sikjmc/id/5316201)
は初版は1872年だが、このPDF版は1882年の第2版。
[Ein Blatt auf Vrony’s Grab](http://www.e-rara.ch/sikjm/content/titleinfo/5287470)
は初版は1871年だが、このPDF版は1883年の第4版である。
細かく差分を見て行くとこの三つの版は少しずつ、微妙に異なっている。
それでどれが一番古い形なのか、
まあ普通に考えれば 1882版なのだろうが、1883版のほうが古いような気がする箇所もある。
1900版では明らかに標準ドイツ語への書き換えが行われている。
Fluth を Flut と綴ったり、thut を tut としたり。
treulich Hülfe を treuliche Hilfe としたりしている。
また zum ersten Mal を zum erstenmal としたり、
大文字や小文字を変えたり、
コンマやコロン、セミコロンの打ち方を細かく変えたりしている。
ただしこの辺りのことはヨハンナ自身ではなく編集や校正がやった可能性が高い。
1882版と1900版では
> Wir waren nahe Freunde.
となっているところが、1883版では
> Wir waren nahe befreuendet.
となっている。
どちらも「私たちは仲良くなった。」と訳せば良いわけだが。
また 1882、1883版では
> Warte nur, balde, balde /
Schläfst auch Du!
となっているところが 1900版では
> Warte nur, balde /
Ruhest du auch!
になっている。
1900 のほうはゲーテの詩のままであるが、
昔のは少し改変してある。
それをヨハンナは気にして、
後から[ゲーテのオリジナル](https://de.wikipedia.org/wiki/Wandrers_Nachtlied#Ein_Gleiches)
に戻しているらしいのである。
しかし子供の頃のフローニが口ずさんだ歌としては 1883 のままのほうがそれっぽくみえる。
実は私がこのゲーテのオリジナルを見つけたのはまったくの偶然だった。
たまたまゲーテの詩集を読んでておやっと思ったわけだが、それくらいこの詩は有名だということになる。
* [Ein Blatt auf Vronys Grab 1883](http://tanaka0903.net/libroj/Vrony_1883.txt)
* [Ein Blatt auf Vronys Grab 1900](http://tanaka0903.net/libroj/Vrony_1900.txt)
引用符は » と «、または › と ‹ に揃えてある。
実は原作は引用符がきちんと閉じてないところがあって、それは 1900版でも直ってない。
訳すときに割と困った。
仕方ないのでそこだけは私が直した。