イオンが4kg税抜2680円でカリフォルニア米「かろやか」を売るそうだが、私が普段ビッグエーで買っているブレンド米やベトナム米よりも安い。発売開始が6月6日というのも、絶妙のタイミングだ。ほんとはもっと安く売れるのだろうけど、値下げ競争が始まるまではできるだけ高値を付けて売りたいというのが本音であろう。
イオンはかつて日本の小売業者を敵に回して懲りている。米の価格が高止まりしているのはイオンに錦の御旗を与えた。イオンの外米を食べて、なんだ普段食っている国産米と違わんじゃないかとなれば、消費者に長年かけられていた呪いがやっと解ける。みんな悪夢から覚めたように外米を食べるようになるだろう。
そうすると結局国産米は今の和牛と同じ運命をたどる。高級銘柄米だけが残って、一部の金持ち、一部の好き者だけが食べるようになり、海外にもばんばん輸出されるようになる。米の値段なんて原価全体からすればたかが知れてるから、旅館や料亭などが国産米を売りにしたからといって別段困ることもあるまい。価格に転嫁すれば済む話だ。今時その程度の金を使いたがるやつはいくらでもいる。
高級銘柄米を作れない農家、或いは補助金に依存する零細兼業農家は淘汰されて農地の整理統合が進み、稲作も多少は合理化されるかもしれん。あまり悪いところが見当たらない。
米は2kgの上はいきなり5kgでその上は10kgでしか売ってない。10kgを3ヶ月くらいで食べきるのであれば10kgを買えば良さそうに思える。イオンは2kgと5kgの間の空白を狙ってきたとも言える。ともかくいろいろと計算尽くで「かろやか」を投入してきている。
ましかしこんなことは私が今更指摘しなくても米業界ではとっくにわかっていたことだ。なるべくしてなるようになる。米は日本人の主食で安全保障上国産しなくてはならないなどという嘘八百はもう通用しない。