1955年から新聞連載して連載終了前に映画化しているから、
最初から映画の原作として書かれたんだろうな。
ていうか、小説は完結してないんだから、
先に映画の原作があって、それを小説化しつつ映画化したというところか。
ウィキペディアなんかだと映画化されるかテレビドラマになるかした小説でないとなかなか記事にはならん。
この父子鷹もそのたぐいなわけだが、
当時の事情はよくわからんが、
これは「新選組始末記」と並ぶ大作で、
しかも始末記の方は分量は多いが短い逸話をたくさん集めたもの。
こちらの父子鷹はきちんと一本筋が通った長編小説。
おそらく子母沢寛もそうとう用意周到に執筆したものに違いない。
で、これも推測に過ぎないが、連載中に新聞で読んだ人もあったかしらんが、
ほとんどの人は映画でこれを知っているのに違いない。
あるいは、後にドラマ化されて。
わざわざ原作を通して読んだ人がどれくらいいるか。
それくらいに読みにくい話ではある。
ただ映画やドラマを作るだけならこんな長くて詳細な小説を書く必要はなかっただろう。
またわざわざこんな読みにくい小説を書かなくてもよかっただろう。
映画の資料として作った感じがすごくする。
小説はのちのち映画化されたり漫画化されたりするわけだから、
そういうこと考えながら書いた方が良い、というか、そうなることを想定して書いた方が書きやすいものなのかもしれん。
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