会話

小説の中で、キャラが台詞を言う場面があり、いちいち誰が何を言ったかは書かないことが多い。
順番に読んでいれば自明なことが多いからだ。
それはそれで良い。

問題はいきなり台詞があって、
しかも複数人の会話である場合だ。漫画や映画なら人物が描かれるから区別が付くが、
小説ではわからない。

> Aは言った、「うんぬん」と。Bは答えた、「うんぬん」。

まあ、こう書いていれば分かる。しかし退屈だ。

> 「何々だねえ。」「ああ何々だなあ。」「まったくだねえ」。AとBは言った。AとはこれこれでBとはこれこれな奴なのだが、

のように登場人物の説明をいきなり会話から始めることもある。
まあ、たぶんこれもよく使われるのだろうと思うが、確証はない。
これが延々と続くようだと困りものだが、
だいたい人間は、先読みというものをするから、誰の発言かはわからずにしばらく読んでみて、
それで後から補完・修正しながら読んでいくのではなかろうか。

ときどき、わざと違う人たちの会話と切り替えることがある。
そうすると、前の人たちの会話だと、間違えてしまうのだが、
しばらく読むとわかる仕組みだ。
たとえば大人の会話を子供の会話と切り替えてみると、何か違和感がある。
大人と子供の会話の違いをわざと感じて欲しいからだ。
これをフェイントと見るか、単なる悪文と見るのか。

それがために読みにくくて仕方ないと言われることがある。
人に読ませてみて初めて気づいたのだが。

Visited 25 times, 1 visit(s) today

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA