調べれば調べるほど、ナポレオン戦争からイタリア統一戦争までのイタリアの歴史は面白いのだが、
なぜ塩野七生は小説に書かないのか。十字軍書くよりずっと良いと思うが。
いや、つまり、古代ローマの話はイタリア視点で書いてもいいかもしれん、
ヴェネツィアとオスマントルコの戦いも。
しかし、十字軍は、それよりずっとでかい話で、
イタリア史観に無理やり押し込めて書くことは不可能だと思うのよね。
それはそうと、ガリバルディはなぜあんな短期間に両シチリア王国を滅ぼせたのか。
英語版の wikipedia を読むと、
シチリア島の首府パレルモに進軍するときに、イギリス軍が休戦を調停したとある。
また、シチリア島からメッシーナ海峡をイタリア本土に渡るときに、イギリス海軍が助けた、
とも書いてある。
つまり、ガリバルディは、たった千人のイタリア人の義勇軍で両シチリア王国を倒したのではなく、
当時の超大国であるイギリスの支援を受けたから成功したのである。
なんだ普通のパワーポリティクスじゃんか。
日本語版を読んでいるだけではその辺の事情がよくわからない。
ところで英語版では、イタリア統一戦争を Italian War of Independence
と表記している。
イタリア独立戦争。
いったい何が何から独立するというのだろうか。
どうもアメリカ人は、ひとつの国家ができる戦争を独立戦争と呼びたがるようだ。
実に funny だ。
そんなら、プロイセンが主導したドイツ統一はなんというかと調べると今度は
Unification of Germany
とある。意味わからん。
ふむ。イタリアはオーストリアから独立したことになっているのか。
違うだろ、それは。
それは北イタリアの一部の話であり、全体としてみるとイタリア統一戦争と言うしかないだろ。
そんなこと言うのならドイツ統一だってオーストリアからの独立戦争じゃんか。