庖丁人味平

「こたつむり伝説」はいまなら「ひきこもり伝説」だな.なんという先見の明.木村千歌偉い.

先週も昨日も見忘れた北条時宗見たけど.喜望峰を見つけたのはバーソロミュー・ディアス 1488 年,インド航路を発見したのはバスコ・ダ・ガマ 1498 年じゃろ.なんでモンケ・ハンの時代(1250 年頃)の世界地図に,アフリカ大陸があんなはっきりと書き込まれてるんかのう.まあ確かにイスラムは当時すでにアフリカ東海岸を含むインド洋全域を航海していたが,しかしインド洋が大西洋につながっててヨーロッパまで行けるかどうかということは知らなかったはずだ.

しかしまあ庖丁人味平は傑作だよなあ.庖丁人味平は今の料理漫画の草分けなんだが,最初の包丁試しとか肉裁きとか荒磯の船の上の料理とかは,ただ手際の良さというか,奇術というか,なんかわけのわからん荒唐無稽なものだった(おそらく当時流行していたスポーツ漫画の強い影響を受けていたのだろう)が,うしお汁当たりからほんとの味勝負になり始めて,このカレー勝負は全編中でも一番「人々の記憶に強く刻み込まれた」インパクトの強いあたりだ.カレー屋を食べ歩いたり,漬け物を食べ比べたり,真の味勝負と言えるのはこのあたりからだ.しかしこの勝負は相手が香辛料に麻薬を混ぜるという反則負けで終わる.結局味と味の真っ向対決で優劣を決したのと違うのが悔やまれる.しかしこれは今日の視点で言ってのことなのだ.今はそんなんばっかりだが.そういう意味では後世の料理勝負モノとはじゃっかんニュアンス違う.うしお汁も味平の汗という不確定要素によって勝ち負けが決した.包丁貴族との戦いはどう決着したんだったっけ.

そういえば「真中華一番」の第一巻を読んだらば,時代設定は清町末期と明記してあった.宮廷調理師とかいう肩書きもあったようだ.だとすれば男子は全員弁髪しなきゃ弁髪.だとすれば女子は全員纏足しなきゃ纏足.だとすれば清朝の領土には外モンゴルが含まれてなくちゃ.ついでに刺身食うなよな中華料理でよ.まあそんなのいまさらどうでもいいか.