講談社が赤字だと言うが、モーニングやヤンマガなどを抱える講談社が赤字とはにわかには信じがたい。週刊少年マガジンなどが不調ということか。かつてミスターマガジンは王道の狗とともに休刊してしまったのだが、ではミスターマガジンはなぜ死んだのか。今のイブニングやモーニングツーやグッドアフタヌーンはミスターマガジンの屍の上に築かれているのだろうか。ていうかもう講談社は薄利多売の少年誌やめちゃえば良いんじゃないのか。どうよ。
それはそうとモーニングの某自己啓発漫画というのか、ドラゴン桜とかなんかのあれだが、要するに、高度経済成長期の会社というのは軍隊組織をまねたということだろう。軍隊というビジネスモデル。それは資本主義とも社会主義とも親和性があるが、どちらかといえば社会主義に近い。資本主義の中に社会主義を埋め込むには最適なモデルだったかもしれん。新卒というのはつまりは新兵。純真無垢な田舎の農民の子を新兵として徴発し、先輩の兵士に新兵を訓練させることで、単に教育するというのでなく上級の兵士にモチベーションを持たせたり、濃密な上下関係を作ったりする。
20代、30代の頃は、フレッシュマンとして入社して、やがて部下ができてその教育と指導もするようになり、だんだんに出世して会社全体の組織が見渡せるようになると同時にやりがいも増大していく。そうやって社員全体のやる気を最大限に引き出していく。これまさに日本軍の軍隊モデルではないか。
そのモデルは、大企業であればあるほど有利。スケールメリットがある。無駄に細かく階級を作って2,3年に一度くらい徐々に出世しているように見える。定期昇給。なんとなく自力でだんだんに出世していっているように思える。しかしほんとはすべては見せかけであり、できレースであり、単に会社に管理されているだけ。その証拠に40才以上になると、とたんに方向性が見いだせなくなり、どちらに突っ走れば良いかわからなくなる。自分の頭で考えて自分の実力で出世していたように勘違いしていたせいだ。実際軍隊で40代より上で昇進するのは職業軍人の将官だけということになるから、すべての社員に対する見かけの出世によるモチベーションの維持というモデルがこの年齢以上には適用されない。もともとの軍隊にもなかったのだから、戦後の日本社会にもなくても不思議はない。
ただ高度経済成長期であれば、40すぎれば後は若手がわらわらとがんばってくれて60の定年まで特に疑問を持たずにたどりつけたのかもしれん。そういう無能な上司に給料を払い続ける経済的余力もあったろう。人間自分の存在意義について疑ったりはなかなかしないもの。たいていは自分の実力で今の安逸な地位を確保したと錯覚したまま定年を迎える。そして一度にすべての人間関係とやりがいを喪失して何をやって良いのかわからなくなるというパターンが多かったのだろう。
思うにこの軍隊モデルというものは幕末、明治維新以来の、軍国日本の最大の遺産であり、これに変わるモデルというのは容易には見いだしがたいに違いない。
それはそうと今のDellのキーボードはノートPCの方がデスクトップよりうちやすい。スペースキーの右側によけいなキーが多すぎてスペースキーが短すぎる。短いのは許せても全体に左に寄っているのが許し難い。いったい誰がこんな配置にしたのか。ノートPCはスペースキーがまだ中央に位置していてよろしい。