kindleベストセラー

ものすごくじわっとだが、売れ続けている。
この先どうなるかわからんが少しは夢見ても良いのかもしれん。

『ノーファインダー』だが、しばらく読んでいるとスカイツリーの話題が出てきてどうやら 2010年くらいが話の舞台らしい。
作者は40代半ばくらいか?
となるとほぼ私と同年代、小説を書き始めた動機も同じ?などと思えなくもない。
文章は非常に書き慣れていてほとんどまったく破綻がない。
一気にさっと書いてる感じがする。
そりゃまあ他人の文章だからそう感じるだけかもしれん。
私の場合書いてる途中でプロットが変わったり人称変わったり順序入れ替えたりするので、
ある程度落ち着いた後でもいろいろ修正しないとまともな文章になってくれない。
落ち着くところに落ち着くまで数年かかる、ような気がする。

次は『紫峰軒』を無料キャンペーンする。
これはたぶん完成度は高いと思う。短いし。
現代小説だが、昭和五十年頃を回想する話なのでプチ歴史小説とも言える。
徳川幕府が駿府藩に転封する、という小説を書こうかと思ってたのをこいつにまるごと突っ込んでいるので、
なんとなく歴史小説の匂いもする。
そうね、なんとなく歴史小説の匂いのする現代小説、と言うこともできるかね。
田舎は砂利道、桑畑が広がり、飲み屋といえば屋台くらいしかなかった時代、
藁葺き屋根の農家を改造した、8トラックのカラオケスナックが出来始めた頃のノスタルジーみたいのを書きたかったわけ。それだけ。
昭和三十年代のノスタルジーものってけっこうある気がするが、五十年代はまだちと近すぎて書かれたものがあんまりないよね。
ていうか当時書かれた風俗小説が腐るほどあるからそれを読んでもいいのかもしれんが、
現代の視点で書かれた、しょんべんくさい、戦後昭和末期的な。

てか半七の作者の岡本綺堂が、麹町に茶畑とか桑畑があったって書いてた。
幕府や武家屋敷が退いた後の明治時代の話。
薬草なんかも栽培しててそれで元園町という名前になったとか。
今の半蔵門駅のあたり。
元園町なんて地名はもう残ってない。

[kindleベストセラー](http://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/digital-text/2275256051/ref=sv_kinc_2)
をチェックするのが日課のようなものなんだが、
マンガが top100 にほとんどない。
kindle は画像だけでできてる写真集や漫画などのコンテンツには向いてない。
日本は漫画じゃないと電子書籍が売れない、と言われていたわけだが、
kindle ユーザーは必ずしもそこにこだわってない、てことが言えるのではないか。
まー、私も最初は「限界集落温泉」(有料)とか「ブラックジャックによろしく」(無料)とか買いましたけど。
それからなんかしょうもない無料の写真集も落としてみたけど。
こういう画像コンテンツを読むためのデバイスじゃあないよね、kindle は。
どちらかといえば青空文庫なんかテキストベースの軽いコンテンツを電車の移動時間中などに手軽に読むもんだよね。
有料のラノベが上位に来てるのはわかる。
テキストメインでたまに画像ね。わかるわかる。
あとは、自己啓発本とかビジネス本、英会話本。
これもわかりやすい。

そのほか。よくわらかん個人のブログみたいのをそのままkindle本にしたようなもの。
これは痛い。
でもしょうがない。それが kdp ってもんでしょ。

やっぱね、需要というのは漫画だけじゃないんですよ。
さくっと活字が読みたい人もたくさんいるわけですよ。
アマゾンのユーザーには普通に活字の本(新書とか)読む人がもともとたくさんいるのだと思う。
今まで電子書籍は漫画であると、漫画じゃなけりゃ売れないという既成概念はね、やっぱ間違ってたんじゃないかな。
極めて健全な方向性だと思う。

kindle本がほとんど売れてないだけかもしれんけど。
「伝え方が9割」ってやつもまだ100とかしか売れてないらしい。
100じゃあねえ。
でも将来はどうかわからんよ。今は過渡期だからなあ。

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