九条良経と田安宗武

九条良経と田安宗武。
一人は藤原氏で一人は徳川氏だが、
この二人はある意味でよく似ている。
和歌をダメにした二大元凶といえる。

九条良経は和歌を権威主義のおもちゃにした。
田安宗武はそれを武家に都合の良いように作り変えた。
一方は惰弱、他方は空元気。

九条良経は歌が下手だったが題詠や本歌取りという手法でとりつくろった。
田安宗武も歌が下手だったが、万葉調という手法で取り繕った。
それぞれの時代の和歌のわからん連中はみなそれにならった。
題詠、本歌取り、万葉調、いずれも歌学者が門人を増やすためにこしらえた方便にすぎぬ。
これらによって、
和歌は大衆化し、同時に和歌は死んだ。

明治や昭和の歌壇も九条良経や田安宗武がやったのと本質的には同じ過ちを繰り返している。
かなり悪質だが、枝葉末節だからこのさいどうでもいいとして、
今私たちが和歌がダメだと言っていることの多くは、
九条良経と田安宗武という為政者による芸術への介入に遠く起因している。

万葉時代までの原始蓄積を光孝宇多醍醐三代が発展させた。
それが和歌の本質だ。

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