gpt-oss

世間で話題になっている gpt-oss を使ってみたのだが、一般常識がなさすぎて使い物にならない。常識を仕込んでカスタマイズできるのかと思うのだが、それも一個人では難しそうだ。プログラミングとか数学のような仕事ならば狭い範囲の知識を元に推論すれば良いかもしれないが、文芸とか歴史とか文化なんかは要は知識量と学習量が勝負になるから、金も無く時間も無くビッグデータも持ってない個人にはどうにもならんのではないか。

人間が月旅行するには理論的にはニュートン力学があれば良い。しかし実際には工業技術とか莫大な国家予算が必要だった。人は月に降りた。しかし月移住は進んでない。火星探検もまだまだだ。理論的には天王星の衛星トリトンに人類は移住可能かもしれないが、その実現には膨大な金がかかる。

同じことはAIにも言える。人間の脳の機能と言っても結局は神経細胞が束になっているだけで、規模は違うが、要するにミミズや魚と同じ原理で動いているに過ぎない。AIはたぶん人間の脳にできることは何でもできる。おそらく人間の脳をはるかに超えることもできる。しかしそれには膨大な金がかかる。膨大な電力が必要だ。月まで行ったが月に移住することは事実上できない。深海には貴金属資源が眠っているが採算がとれないから採掘できない。おんなじことがAIでも起きるだけなのではないか。

費用対効果が良いプログラミングなどの分野でAIはまず伸びていった。今のAIは結局一般常識などはネットに散らかってるゴミみたいな情報の寄せ集めに過ぎない。正岡子規が詠んだ和歌をきちんと時系列に並べてその変遷を分析するなんてことはできてない。やればできるはずだがコストがかかる。正岡子規の和歌を調べるなんて需要は世の中にはないから資本家も開発者もわざわざそこにリソースを割くはずがない。では個人の研究者が自分のAIに学習させればできるかといえば現状ではまだできない。正岡子規一人ならできたとしても世の中には何万と歌人はいて、その全部を調べ上げることなんて当分できない。和歌以外にもやらなきゃいけない仕事はいくらでもあって結局火星移住と同じでやろうと思えばできるけど実際はできないねってことになって終わりではないのか。

それでAIはまだ発展の余地があるがコストをかけてリターンがあるものが優先されて、コスパが悪いものは放置されるというアメリカ社会みたいなことになるだけなのだろう。

学習とか知識量というものは暗号資産と同じで計算した結果を適当な形で蓄積できれば、いくらでも価値を創造できるのだろう。計算コストの資産化というか。金を掘るという労働も金という形で資産化でき価値となるからみんなやるわけだ。

投資に見合う計算であればどんどん計算するだろう、今まで計算できなくて放置されてきたことはまだかなりあるはずで、たとえば夏目漱石や正岡子規レベルでもまだまだきちんとAIによって解析はされてないのだから、計算はした方が良いのだが、資本家たちがそんなことに金を出そうとするだろうか。またそこからどれほど利益が得られるというのか。興味深い結果は出てくるかもしれないが利益が無いというのなら、今の人文学がまったく振るわないように、誰もわざわざ金を掛けて調べようとしないのではないか。

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