強化学習は不要だ

評価関数を決めてその値をひたすら最適化するために計算機をぶん回す強化学習。やりたきゃやればいいが、そんなことこそ機械に任せておいて、人間はもっと別のこと、つまり、何が最適解なのかとか、どんな評価関数がほんとうは必要なのか、ってことを探求することにその能力を使うべきだ。

ビッグデータを集めてくることは重要だが、どんなデータをどんな用途に使うために集めるべきかってことを人は考えるべきなんで、ただただひたすらドブさらいみたいになんでもかんでもデータを収集しても大して役には立つまい。

AIは儲かる、人の仕事を代替できる、賃金を抑えられるとなると投資家はどんどん資金を回し、開発者はリソースを割り当ててきて、AIに課金させて、それで資金を回収する。そうすると AIで儲かる分野はますます発展するが、そうではないところがおざなりになる。必ずそういう不均衡が起きるから、人は、儲からないところ、資金が回収できるかどうかわからないところをなおさら探求しなくてはならない。

研究、開発、営業という仕事の区分があるとして、ただ与えられたノルマをこなせば良い開発や営業はもうこれからどんどんAIが人の仕事を奪うだろう。しかし研究はそうではない。効率を最優先するのは開発であって研究ではない。二次創作でイラスト描いたり動画作ったりするような仕事はこれからはAIのほうがうまくなるだろう。AIが作った作品で満足できる人が大半になればそうなる。いままでは一次創作と二次創作の間はそんなに明確でなかったし、近接していた。しかしこれからは一次創作と二次創作はどんどん離れていき、世の中にAIが作った二次創作があふれかえり、なんちゃってクリエイターはみんな失業するだろう。

逆に一次創作の価値はますます上がっていく。さらに零次創作、メタ創作とでもいうべきものが重要になっていく。零次創作にはファンもいない。前例もない。何にもないところ、ゼロから一を作る創作だ。やがてここにもAIは進出してくるかもしれない。しかし産業的に採算がとれないから結局ヒマを持て余した、あまのじゃくな人間どもがやるしかないということになると思う。

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