亦不知其所終 田中久三 aka 田中紀峰のサイト。

Indie Author News top 10 indie books

01.01.2017 · Posted in kindle

TOP 50 (1-10) INDIE BOOKS Readers’ Choice Top 50 – September 2016

ちまちまやっても仕方ない。ざくっといこうざくっと。

1位。Last Chance: A Second Chances by L. P. Dover

Women’s fiction。Romance。 ようするにロマンス。

作者 L. P. Dover は女性。New York Times と USA Today のベストセラー作家。

編集はCrimson Tide Editorial。なんぞそれ。

2位。Rush: The Season by Nicole Edwards

作者の Nicole さんは女性。 テキサス州オースチンに夫と三人の子と四匹の犬と暮らしている。 ジャンルはロマンス。 編集者は?わからん。

3位。In the Dark by Chris Patchell

ジャンルは Criminal Fiction。なんて訳すんだ。推理サスペンスとでも訳すか。 子供の誘拐。連続殺人。 作者は女性。

4位。Her Sister’s Shoes by Ashley Farley

ジャンルは、なんちゅうのかなこれは。 ある一族の年代記みたいなものかこれは。 作者はやはり女性。

5位。A Shade of Vampire by Bella Forrest

超常現象、吸血鬼もの。作者はまたまた女性。

6位。Bishop’s War by Rafael Hines

テロリズム。戦争。政治。著者は男性。

7位。Cold-Blooded by Lisa Regan

私立探偵。女性刑事もの。作者は女性。

8位。The Atlantis World by A.G. Riddle

これはあれです。前に書いた The Atlantis Gene と同じシリーズ。

9位。Meanwhile, Back in Deadwood by Ann Charles

幽霊もの。女性作家。

10位。Sleep Tight by Rachel Abbott

子供の誘拐。殺人。サスペンス。作者は女性。

作家は、女性8人に対して男性2人。

まあこうしてみるとアメリカのテレビドラマとなんの違いもない。 というか、明らかにテレビドラマの原作みたいなの狙って書こうとしてるよね。 インディー出版は普通の伝統的な出版とすでに完全に競合していて特に区別がない状態だよな。

タイトルはどれも抽象的。 表紙の絵も描き込まれているが、何がいいたいのかよくわからないものが多いなあ。

Indie Author News top 10 indie books はコメントを受け付けていません。

インディー作品を調べてみる 5

01.01.2017 · Posted in kindle

アトランティスの遺伝子、スリラー。 読まなくてもタイトルだけで中身がわかりそうな。 200万部が売れて、映画化進行中、らしい。

作家の A. G. Riddle は10年間ネットビジネスの会社で働いて退職、 2013年から(つまりKDPだわな)小説家になった。

これ、kindle unlimited だから読んでみようかな。

まどれもこれも大衆娯楽作品だわな。

7万年前、人類は絶滅に瀕した。 我々は生き残った。しかしなぜ生き残れたか、いままで誰もしらない。 人類の次の進化は始まっているが、人類は今度は生き残れない。

Andy Weir の The Martian もある意味インディーだしな。

夏目漱石の「こころ」は自殺の話だし、 太宰治は作家自身が自殺しちゃったし。 まあ自殺の話みんな好きだよね。 私は書かないけどね。書かないよ。

インディー作品を調べてみる 5 はコメントを受け付けていません。

インディー作品を調べてみる 4

01.01.2017 · Posted in kindle

ジャンルはロマンスらしい。 シングルマザーがボーイフレンドか夫を求める話らしい。

アマゾン以外特に出版社が見当たらない。 アマゾンがペーパーバックまで出してくれたということだろうか。

インディー作品を調べてみる 4 はコメントを受け付けていません。

インディー作品を調べてみる 3

01.01.2017 · Posted in kindle

これは、クリスマス向けの絵本のようだ。 kindle版しかない。 著者はたくさんいて、話も短篇がたくさん集めてある。

出版社はGemma Halliday。 小規模な出版社。 Genre fiction というのは日本語で言えばファンタジーに相当するか。 女性向けファンタジー作品。 18歳の娘や80歳のおばあちゃんにも読めるように、 エロ( sexual content)やバイオレンス(graphic gore)はやらない。 作品を応募している。

  • Cozy Mystery 短篇の読みやすいミステリー
  • Chick-lit/Romantic Comedy ロマンスコメディ
  • Danger Cove サスペンス?そういうシリーズがあるらしい。

インディー作品を調べてみる 3 はコメントを受け付けていません。

インディー作品を調べてみる 2

01.01.2017 · Posted in kindle

これはなんだろうか。 棚に居る妖精。おもちゃか。

インディー作品を調べてみる 2 はコメントを受け付けていません。

インディー作品を調べてみる

01.01.2017 · Posted in kindle

Womanizer は女たらしの男。同じタイトルの本はたくさん出ている。

作者の Katy Evans は多分女性の作家で、 New York Times や USA Today、Wall Street Journal などで評価を受けた、 実話に基づく男娼の話を書くひと、らしい。

出版社はCreateSpace。 独立出版支援会社。 誰でも作家登録できるってことかな。 2000年くらいからあるもので、たぶんpubooとかカクヨムに近いものではないか。

インディー作品を調べてみる はコメントを受け付けていません。

indie authors and indie publishers

01.01.2017 · Posted in kindle

いろいろ海外事情をググってみると、 indie なのにペーパーバックも出してたり、ペーパーバックしか出してなかったり、 いろんなパターンがあるのだが、 indie というのは単に個人作家を差すのではなく、 そういう個人作家を支える独立系の出版社があって、 さらにはそういう小さな出版社を支えるクラウドファンディングみたいなものが背景にあるんだろうなと思われる。

日本を見るとまだまだそういう、個人作家と中小出版社とクラウドファンディングの結びつきなどというものはほとんどみられない。

個人作家は kdp で、まさに自費出版と同じような感覚で、本を出している。 自費出版だが、電子媒体なので、kdpという仕組みのおかげで、出版費用はかからず出せている。そんな感覚。 いっぽう紙で自費出版をプロデュースする出版社も旧態依然としている。 素人からむしり取ることしか考えてない。 中小の中堅出版社はいまや社会の激動についていくのに精一杯、 淘汰圧に耐えるのでいっぱいいっぱいで新しいことには手を出せない。 ネットと結びついたいくつかの出版社は成長しているものの、多くのプレイヤーは前世紀から続く大手出版社だ。

著者もまた大手出版社を頼る。 同人作家もいざ商業出版しようとすると、まずは大手で箔を付けたいのだろうが、 いくら搾取されてもそこから独立するのは難しいらしい (マンガ界の竹熊健太郎とか佐藤秀峰なんかがその先駆かもしれないが)。 大手もよくわからないラノベ部門やラノベ文庫を抱えている。 大手出版社の闇はそうとう深い、と私は思っている。 みんながそこから抜け出したいと思っているはずなのに。

kdp は個人作家や自費出版をプロモートするものではないのかもしれない。 アマゾンが敵対しているのは既存の大手出版と大手流通だ。 そこをすっとばしてインディー出版社を育てる。 インディー出版社はすぐれた個人作家を発掘してプロデュースする。 そういう世界に我々を導こうとしているように思われる。

クラウドだか、或いはある特定のエンジェルだかは知らないが、 欧米にはちゃんとした投資家がいて、インディーを育てている。 きちんとマーケティングして、きちんと装丁して、普通の商業本と同じ体裁で世の中に送り出している。 だがね、日本の書店や流通がそういう本を店先に置いてくれるかな。 まあ、売れりゃ置くに決まってるけどね。

indie authors and indie publishers はコメントを受け付けていません。

01.01.2017 · Posted in kindle

kdp がメインなのは変わらないのだが、kwl と bwi (book walker indies) にも登録した。 kdp でプライスマッチするのが目的なので kwl だけでも良いかと思ったが(というか bwi の存在を知らなかった)、kwl にはいくつか問題がある。 kdp は再出版したり編集したりするとこまめにメイルを送ってくるのだが、 kwl は kwl に登録したときによこしたきりであとはこない。 しかもアップした epub に不具合があると出版停止になるらしく、 停止というより一旦削除されてしまうらしく、アマゾンがそれをみてプライスマッチをやめてしまう。 なぜ正常だったもとのファイルでそのまま出版を継続してくれないか。 非常にはがゆい。 その他とにかくいっぱいいっぱいな感じが伝わってくる。 今のままでは、修正・追記版をアップするたびに不具合で登録削除のおそれがあり、 kdp のプライスマッチが途切れて有料販売になってしまう。

もしかすると kwl だと最新版が常に読めるのかもしれない。 未確認だが。

bwi はも少しまともに対応しているような感じがする。でまあ、 今のところ仕方なく進出した形。

dmm は基本的にはアダルト通販サイトみたいなんで自分のポリシー的には近づかないほうが良さそうだ。

でまあ kdp メインで、無料サンプルは kdp + kwl + bwi という態勢でしばらくやってみる。

これまでは、私は基本的には自分の書きたいものを書いてきた。 そしていつかは私の本を読みたい人が、私の本までたどり着いて読んでくれるんじゃないかと思っていた。 私の読者の総数は世界中で数万人かもしれないし数千人かもしれないが、 たとえばコンスタントに2000部くらい売れりゃそれでいいと思ってた。 だがそのやり方では不十分だってことはこの3、4年でわかった。

私の書いたものはそのままでは全く売れない。 2013年頃売れてたようにみえたのはまだ作者自体が少なく、 なんか新しいものを読もうという読者が相対的に多かったからだ。 需要と供給の関係でいうと、需要も少なかったが供給はもっと少ない状況だったわけだ。

今、電子書籍は普及して需要もふえつつあるが、供給が何十倍かに増えたと思う。 そうすると無料キャンペーンやったくらいじゃ焼け石に水。やっても無駄。というところまできた。

それで多くの作者は、意識してかせずかは知らないが、読者サービスをするようになってきた。 読者が読みたいものを書けばそこそこ売れるってことに気付き始めた。 本が売れるかどうかは基本的にはクオリティではなくて需要である。

マンガが小説より売れる理由は簡単で、絵をかける人は少なく、絵を描くのには時間がかかるから、 自然と供給が制限されるのに対して、 マンガなら読もうかという需要は多い。 需要と供給のバランスでいうとつねに供給不足な状態になるから売れる。 小説は書きたい人が多くて書こうと思えば絵ほど手間はかからない。だからどんどん供給されてしまう。 需要は無いとは言わないがマンガほどはない。だから売れない。

売れる本のパターンも決まってる。エロとバイオレンスである。 それ以外ありようがない。 まったく無名の作者で宣伝もしてないのに、本の中身を読んで買う人がいるはずがない。 ここでもクオリティではなく需要によって売れるのである。 エロとバイオレンスならば読者は無限にいるといってよい。 だから、売り上げも途切れず長く続く。

もしエロとバイオレンスが無ければ、一定の読者に行き渡ればそこでぱたっと売れなくなる。 趣味の読者は有限なのである。 エロとバイオレンスは趣味ではない。 人間に共通の物欲であり、余暇である。 だからそこに餌を投げないと売れない。 昔は紙の本を出版するのは寡占だったから、自然と需要と供給のバランスが保てて、 エロともバイオレンスとも関係ない本がそこそこ売れるように見えたがこれからはそうはいかない。

世の中で、エロやバイオレンスを糾弾して、 戦争や、過労死や自殺、痴情のもつれの殺人なんかを非難しているその人が、 知らんぷりしてそういう小説やマンガを喜んで読んでいるのだ。 そういう構造が透けてみえる。 どうも人間というのは業の深いものだ。 私としては、特に必然性がないかぎり、その世界には入っていかない。

でまあ私が書いている無料サンプル、今のところ『妻が僕を選んだ理由』と『新歌物語』だが、 露骨にエロとかバイオレンスは出てこないものの、読者サービスで書いている。 バイオレンスはともかくとして読む人が読めば十分にエロは感じられるはずだ。 読者サービスに徹しているとはいわないが、万人受けする、老若男女が読んでもそこそこ楽しめる内容にしている。 そこで私の作品を気にいってもらえれば有料本も買ってもらおうというわけだ。

それでまあ、無料サンプルと割り切って今回書いてみたのだが、 私の場合無料サンプルを書くつもりで書いたほうが自分としても面白い作品になるような気もしたので、 今後は少し検討してみる。

私の場合には kdp をハックしている感じだ。 『妻が僕を選んだ理由』はプライスマッチがはずれるまで失速せずにそれなりにダウンロードされていた。 そうすると無料kindle本のランキング上位に浮遊する。 こまめにサブカテゴリーまで見るひとには目立つことになる。 よくよく見ると、ロマンスとか歴史のサブカテゴリーにはほとんど他の本がないから、 ここに無料サンプルを投入することには意義があると思ったわけだ。 『妻が僕を選んだ理由』がロマンスでそこそこうまくいった感があるので、 今度は私の得意分野の歴史ジャンルに『新歌物語』を投入した。

私のもくろみが正しければ『妻が僕を選んだ理由』と『新歌物語』の連携プレイで、 マイナーサブカテゴリーで順位をそこそこキープできて、 新しい読者がときどき kindle unlimited を読みにきてくれるだろう。 そんな戦略、というかハックでいこうと思っている。 それにはプライスマッチがコンスタントに機能していなきゃいけないのに kwl と来た日には。

コメントを受け付けていません。

日本人が知らない村上春樹

12.24.2016 · Posted in 読書

何が言いたいのかさっぱりわからない本だ。 ましかし、少しだけ面白い箇所もあるから引用してみる。 日本在住のスイス人の作家が書いた文章。

複雑だったり、抽象的だったりする。新たな文体の冒険も随所に見られる。しかし本質的にはやはりなじみやすいし、感情移入しやすいし。全編でないにせよ、また錯覚と分かっても、誰にでもある程度まねできる日本語だという感覚を抱かせる。

アメリカ文学の影響をうけた村上の文体を翻訳調と見る人もいるらしい。しかし、25年ほど日本の小説を読みあさってきた僕はそう感じない。

彼の日本語が僕にとって理解しやすいのは決して翻訳調だからではない。翻訳調なら、文体の不自然さのためきっとかすかな混乱と違和感を覚えるだろう。・・・あくまで彼の日本語は、僕が昔から慣れ親しんできた芳しい日本文学の中にあり、唯一無二の旋律を奏でている。例えば今回の作品で言えば、こんな表現だ。

「吹く風の感触や、流れる水音や、雲間から差す光の気配や、季節の花の色合いも、以前とは違ったものとして感じられる」

平明な文体は決して平板な文体ではない。綿密に言葉を選び、その並べ方に工夫を凝らす村上は、平淡な文章から極めて洗練された言い回しまで、実に色彩豊かな日本語の世界を僕らに提示してくれる。

彼の小説世界は、誰にとっても分かりやすいものでは決してない。しかし心地よい音声の中を旅する読者は、それを読み解きたいとさらにページをめくる。

そうなのよね。 わかりにくいのだが、なじみやすい、自分にも真似できると錯覚させる文体。 もっといえば、何か難解な文学を理解したような気分にさせてくれる文体。 それは錯覚に過ぎないのだけど、そう読者に思わせることは著者にとって大きなメリットになる。 翻訳調というのは確かに一つの風味付けにすぎない。 上に引用された言い回しもまた、ごく普通の少女漫画にでてきてもおかしくない。 そこがまあ、グリム童話の、魔女が建てたお菓子の家のようなものだと言えなくもない。

次は別の人の文章

ニューヨーク・タイムズの書評家であるジャネット・マズリンが、「1Q84」を「あきれた作品」と酷評した。自ら提示した問題への答えを示しておらず、登場人物の乳房のことばかり書くなどおかしな部分がある

そう。私にもそんなふうに思えるし、逆に、そんなふうなおかしな文章が好きな人が村上春樹を読むのだろう、としか言いようがない。

へんなたとえかもしれないが、PPAP は実にくだらないどうでも良い動画だが、 世界中の多くの人が視聴した。 村上春樹もそんなものなのではないか?

日本人が知らない村上春樹 はコメントを受け付けていません。

村上春樹『ノルウェイの森』の薄気味の悪さ

12.24.2016 · Posted in 読書

村上春樹『ノルウェイの森』の薄気味の悪さ(Ⅰ)

少女漫画のように読みやすいということ、食べ物・音楽・ファッションなど衣食住に関する描写が心地よく感じられること、それからさらに何か得体の知れない薄気味の悪さがある

少女漫画のように読みやすい、というのは、そうかもしれないなと思う。 何も難しいことは書いてなく、 書いてあってもそれは表面をなぞるだけで中に入っていくわけではない。ただのBGM。 たとえば、村上春樹には、第一次大戦と第二次大戦に挟まれたチェコスロバキアの人民が幸せであったかどうかなんてことを深く追求するつもりはないのだ。 村上春樹にとってハプスブルク家は中世以来の圧政的・絶対王政的な封建領主であり、ヒトラーは独裁者なのだ。 だからその両者から自由であったチェコスロバキアは自由だったはずだ、と言っているだけのことであり、 実際に自由だったかどうかを考証するつもりもない。単に世界史的にはそのように教科書に記述されている、それで充分なのだ。 ヤナーチェクの音楽がどうだということを語るつもりもない。単にそれらは、読みもしないのに本棚に飾られている革張りの書籍と同じだ。

そして唐突に殺人や自殺やセックスが挿入されるのはまさに少女漫画的展開であり、テレビドラマ的でもある。 軽薄すぎる、とさえ言える(私は冒頭いきなり人が死ぬ話が好きになれない。多くのミステリーがそうだが。いきなり事件が起きて、謎解きするだけ。1Q84もある意味そうだ。殺意もとってつけたような場合が多い。殺意は単に、推理に必要とされるヒント、加害者と被害者の関係性としてだけ利用されている。そんなただのパズルみたいな話はいやだ)。

居心地がいいけれど、厨房の奥に底知れない闇があるような、そんな喫茶店

グリムの「ヘンゼルとグレーテル」に出てくるお菓子の家

人さらいのいるサーカス小屋

着飾った女性たちのいる遊郭

そう、村上春樹は読者に魔法をかけてやろうと待ち構えている。 そんな「薄気味の悪さ」は確かに村上春樹の作品の特徴だろうと思う。 そうして、そこにやらせを感じて、読むのをやめてしまう人もいるはずだ。私はどちらかと言えばそっちだ。 魔法をかけてもらおうとよろこんで身を委ねる人もいるだろう。彼の読者はおそらくこちらのタイプだ。

この小説は本当に恋愛小説といえるのだろうか? 本当に恋愛小説として読まれているのだろうか? 精神病者の観察記録やポルノグラフィーとして読まれている可能性はないのだろうか?

何をもって恋愛小説というかだが、たとえば、氷室冴子の小説が恋愛小説だとすると村上春樹は全然違うと思う。志賀直哉や吉行淳之介や安岡章太郎なんかとは全然違う。谷崎潤一郎とか田山花袋とも違う。どちらかといえば、三島由紀夫や川端康成のそらぞらしさに近いものがあるかもしれない(ちなみに私が書くものは比較的志賀直哉や吉行淳之介に近い、と本人は考えている)。 ちなみに宮崎駿の作品には恋愛ものはない。若い男女の非日常があるだけだ。

作者とワタナベ君のみ息が合っていて、女性ばかりが蚊帳の外という感じなのだ。恋愛小説で、作中人物が如何に鈍感であろうとも、作者が鈍感であることは許されない。そのような滑稽さ、苛立たしさを感じるのはわたしだけだろうか。

そう。村上春樹は実はほんとは恋愛なんかしたことないんじゃないかと思いさえする。

村上春樹『ノルウェイの森』の薄気味の悪さ(Ⅱ)

村上春樹という男は、触ったもの全てに自分の臭いをこすりつける性癖がある。作品の中で、ある世界観を物語るためだけに一面的に引用されたこれらは、食い散らされて、本来の持ち味を、意味合いを、香りを、輝きを失わざるをえない。何という惨憺たる光景であることか!

そう。1Q84のヤナーチェクもまさにそう。別に何の必然性もない。

村上春樹『ノルウェイの森』の薄気味の悪さ はコメントを受け付けていません。