スース

パブーで山崎菜摘名義で[スース](http://p.booklog.jp/book/27144)を公開。
小林旭の演歌が似合いそうなしぶい短編にしあがりました(笑)。

スースはもともと全然違うプロットの話だった。

> 純子は別れた夫からいつもあだ名でスースと呼ばれていた。その前の夫には、純子と呼ばれ、そのまた前の夫にも純子と呼ばれた。しかし、その前のOLだった頃や、学生時代、子どもの頃は、ずっとスースと呼ばれて来た。独身の頃の名前が須山純子だったからだ。友達は皆、純子をあだ名でスースと呼んだ。前の夫たちの間に子はいない。
スースは、自分の半生を振り返って、自分ほど家庭の妻に向いてない女はいない、しかし、私ほどいつも安易に家庭に入ってしまう女もいないのではないか、と思い始めていた。恋多き女、ただそれだけなら、こんな苦労はしない。結婚せずにいろんな男を渡り歩いていればよいのだが、いわゆる「世間」というものが、男と女を、「結婚」とか「家庭」という枠組みにはめようとする。それでたいていの男女はうまくしっくりと行く。

とか(笑)。だが、あまりに陰々滅々とした話だったために、ほったらかしていたのである。
今回別のネタと組み合わせて、さっさと無料公開することにしたわけだ。