> 願はくは花の下にて春死なむその如月の望月のころ
西行の命日(とされている日)はグレゴリオ暦だと、3月23日。
旧暦で如月の望月というのはちょうど春分くらい。
西行はだいたい春分(3月20日か21日)くらいをあてにしてこの歌を詠んでいるはずだ。
春分に咲く桜の花はなくもないが、かなり早咲きのほうである。
どうもこの花というのは桜ではない。
梅か、桃ではないか。
西行は確かに桜、特に山桜の歌を詠んでいる。
ヤマザクラの開花時期は春分頃ではない。
とくに吉野のような山の奥のほうのヤマザクラは、
よっぽど異常気象じゃない限り、春分には満開にはならない。
山家集の中の配置を見ると桜のようではあるが、しかし、梅の歌も西行はたくさん詠んでいるから、
梅の可能性はなくもない。
桃の歌はなくはないが少ないので桃ではあるまい。
どうもみんなしてだまされているようだ。
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