kdpの販売データ一覧ってのがグラフィカルになったからよけいわかりやすいのだが、
無料キャンペーンのダウンロード数というのは、減ってきている。
私の書いたものがだんだんにつまらなくなってきている、とも解釈できるわけだが、
おそらくはkdpの注目度が下がってきているのと、
私の場合、すでに数を出しているから、読まないひとは最初からダウンロードしなくなってきているのだと思う。
kdpはもはやお祭り騒ぎの場ではない。
日常の一部なのだ。
派手なことをやれば目立つという時期は終わった。
新しいことはみんな興味をもつし取材もされるだろう。
新しくなくなるとだいたい人は離れていくし、
新しさもないのに作家活動を続けて生き残れる人はほとんどいない。
だからこそ生き残ることに価値があるともいえる。
小説なんてのは日本でもすでに竹取物語のころからあった。
和歌なんてそれよりずっと前からあった。
今更めずらしいもんでもない。
私は似たような業界にいるのである程度わかるが、
派手さも新鮮さもなくなったネタにいつまでもしがみつく人はいる。
わかりやすい例でいえばHTML (cssやjavascriptを含む)なんかがそうだ。
1995年くらいはほんとに新しかった。
新しさがなくなった後、HTMLは日常になった。
いまや世界中の、名もない子供から年寄りまで何億人という人がHTMLが書ける。
HTMLなんてテキストデータだし、ライセンス料もかからんし、
こんな元手のかからない商売はない。
しかしライバルはものすごく多いし、その中には大企業もいれば天才もいる。
まあ普通に考えれば勝てるはずがない。
ネタに新鮮さが失われたあとがほんとの勝負だといってその古いネタにしがみつくひとがいて、
間違いではないが、
古いネタで飯が食えるひとというのはいわゆる古典芸能的な人か、
ほんとうの個性を持っている人だろう。
ほんとうの個性を持っているなら、やれば良い。信じてやればよい。自分の才能にうぬぼれればいい。
しかし、ネタが派手だったころの成功体験を引きずって惰性でやめられずにいるなら、
自分の才能を錯覚しているだけなら、見苦しいだけだ。
うまくいけてるか見苦しいだけかは本人が自分で判断するしかない。
はたから見ててとやかくいうつもりはない。
作家活動と営業とは区別できない、というのは最近わかってきた。
だが、作品にみるべきものがないのに営業ばかりやってるのがほとんどの作家の実情だ。
無料キャンペーンは5日間なのだが、キャンペーン期間とレポートの期間にはずれがあって、
実質6日間の記録がみれる。
面白いのは2日目にピークがあり、
3日目はへこんで4日目に小さなピークができる、というパターンがあるらしい、
ということである。
1日、2日目に落とすひとというのはたぶんはきんどうさんのところなどの速報を見て落としている。
きんどうさんのような広報をしてくださる方にはやはり感謝をしなくてはならないと思っている。
4日目に落とす人はたぶんアマゾンのランキングを見てそれで目について買っているのかと思う。
私もどちらかと言えば後者な人だ。
よほど注目している作家(たとえばツイッターでフォローしている)でない限り、
出ていきなりは買ったり落としたりはしない。
キャンペーン期間が終わりかけたころにやっと気づいて買うほうである。
kdpはやはり最初の頃に比べるとインパクトは薄まっている。
kdpに近いことは、やり方はさまざまだがアマゾン以外でもはやってきている。
たぶん au がやってるくらいだから docomo も softbank もなんかやってるに違いない。
google も apple もやってるに違いない。
電子書籍のユーザーというのはようはスマホユーザーであって、
いわゆる読書人ではなく、
ほんとうの読書人というのはそんなたくさんはいないはずだ。
ライトなスマホユーザーに対して営業活動をして、その中に稀に存在している、
ほんとのファン、ほんとの読書人に気づいてもらうというのが、私のビジネスモデル、のはずだ。
今小学生や中学生の人たちは将来ほとんど全員がスマホユーザーになる。
その後生まれてくる人たちはほとんど全員電子書籍で本を読むようになる。
今と比べ物にならないくらいにユーザー数は増える。
今のうちにあるまとまった量の本を書いておくことは意外と後で効いてくるかもしれん。
ライトなスマホユーザーに対してライトな小説を提供するのが私の仕事ではない。
私がほんとの読者をどのくらい獲得しているかはわからんのだが、
無料キャンペーンをやるとしばらくわずかだが有料で買ってくれる人がいる。
無料の本を読んで面白かったから有料の本も買ってくださったのだろうと、
勝手に解釈しているのだが、
そういう声無き、お金を払ってくれる支持者というのはうれしいし、
そういう人をどうやって増やすか、
1つ目だけでなく2つ目のピークやそれ以外のピークをどうやって作っていくかが課題だわな。
いずれにしても無料キャンペーンは私にとってほとんど唯一の営業活動なので、
月に一回くらい、
定期的にやるのがよいと思う。
逆に言えば、
執筆量から逆算して月に1度定期的に出版できるような連載物もしくは短編を執筆すべきではなかろうか。
月刊、季刊、そのくらいのペースで出していく。別に今更珍しいビジネスモデルではない。
連載物がたまってきたら合冊して売ればよい。
こまめに執筆こまめに営業して露出を絶やさないことは重要だろうと思う。