『正法眼蔵随聞記』2-1

是によりて一門の同学五根房故葉上僧正の弟子が、唐土の禅院にて持斎を固く守りて、戒経を終日誦せしをば、教へて捨てしめたりしなり。

葉上とはまさしく栄西のことである。道元が栄西のことを「一門の同学」と呼んでいるのは興味深い。このくだりは、仏像や仏舎利などを崇拝したり、戒律を遵守し一日中読経するのは、あまりにやりすぎれば逆に外道となる、南宋の僧も必ずしも戒律にはこだわらなかったし、栄西も戒律にこだわるのを捨てさせたというのである。

道元は栄西を同じ宗派だと考えていたのだろうか。

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