光厳天皇

陰々滅々。
面白くなくはないが、なんかこう、どうしてこうなっちゃった感がすごい。
歌謡曲で言えば、五輪真弓や中島みゆきか。
あるいは演歌か。

北朝第一代。なんか思うところあったのかなあ。
まあいろいろ人には恨みは買ってるだろうな。
南朝の歌の影響もあるのかしれん。

> 舟もなく筏も見えぬおほ川にわれ渡りえぬ道ぞ苦しき

> 我が恋よけぶりもせめて立ちななむなびかぬまでも君に見ゆべく

> 今年またはかなく過ぎて秋もたけ変はる草木の色もすさまじ

> 恋しとて返さむとはた思ほえず重ねしまゝの夜の衣を

> さ夜ふくる窓のともしびつくづくとかげも静けし我も静けし

> 沈む日の弱き光は壁に消えて庭すさまじき秋風の暮れ

思いと恨みと契り。

> 我は思ひ人には強ひて厭はるるこれをこの世の契りなれとや

> 浅くしもなぐさむるかなと聞くからに恨みの底ぞなほ深くなる

> それまでは思ひ入れずやと思ふ人の恨むるふしぞさてはうれしき

> 憂きに耐へず恨むればまた人も恨む契りの果てよたゞかくしこそ

> 憂しと捨つる身を思ふにも更になほあはれなりける人に契りよ

寒いんです。

> 起きてみねど霜深からし人の声の寒してふ聞くも寒き朝々

> 寒からし民の藁屋を思ふにはふすまの中の我もはづかし

犬やカラスの声、ツバメなどを歌に詠むのはこのころからか。

> 霜のおくねぐらの梢さむからしそともの森に夜がらすの鳴く

> 月に鳴くやもめがらすは我がごとく独り寝がたみ妻や恋しき

> 夜がらすはたかき梢に鳴きおちて月しづかなる暁の山

> 里の犬のこゑを聞くにも人知れずつゝみし道の夜半ぞ恋しき

> 起きいでぬねやながらきく犬のこゑのゆきにおぼゆる雪のあさあけ

> つばくらめすだれの外にあまたみえて春日のどけみ人影もせず

鐘の音。

> 明かしかぬる時雨のねやのいく寝覚めさすがに鐘の音ぞきこゆる

> 鐘の音に夢は覚めぬる後にしもさらに久しきあかつきの床

> この夜半や更けやしぬらむ霜深き鐘の音して床さえまさる

> 霜にくもるありあけがたの月影にとほちの鐘もこゑしづむ也

> 霜にとほる鐘のひゞきを聞くなへにねざめの枕さえまさるなり

くにたみを思う。

> 正しきを受け伝ふべき跡にしもうたても迷ふ敷島の道

> 祈ることわたくしにてはいはし水にごりゆく世を澄ませとぞ思ふ

> 照りくもり寒き暑きも時として民に心の休む間もなし

> 十年あまり世をたすくべき名はふりて民をしすくふ一事もなし

面白い。

> 野山皆草木もわかず花の咲く雪こそ冬の飾りなりけれ

> わかれましつらからましと聞くもつらし八こゑの鳥の明方のこゑ

> ときは木のその色となき雪の中も松は松なる姿ぞ見ゆる

> 飛ぶ螢ともし火のごと燃ゆれども光を見れば涼しくもあるか

> とほつ空にゆふだつ雲を見るなへにはや此の里も風きほふなり

> 夜を寒み寝ねずてあれば月影のくだれるかべにきりぎりす鳴く

> 夜は寒み嵐の音はせぬにしもかくてや雪の降らむとすらむ

> 夜もすがら雪やと思ふ風の音に霜だに降らぬ今朝の寒けさ

> 年くると世はいそぎたつ今夜しものどかにもののあはれなるかな

> 冬をあさみまだこほらねど風さえてさゞ波寒き池の面かな

> 濡れて落つる桐の枯れ葉は音重み嵐はかろき秋のむらさめ

桐の葉は大きいので枯れ葉の落ちる音が重いが秋の嵐は軽いというのが面白いよなあ。

> 夕暮れの春風ゆるみしだりそむる柳がすゑは動くともなし

この自然観察はすばらしいなあ。

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