プロンプト

コロナにかかって約2週間、やっと嗅覚が戻ってきつつあるように思う。醤油、わさび、ケチャップ、化学塗料の匂いなどなど。

一つのことにあまりに集中すると、それ以外のことではもう一生懸命になれなくなるということはあると思う。今回一冊の本を書くためにものすごく時間とてまひまをかけた。てまをかければかけるほどよくなっていくのがわかる。今まで書いていたものはいったいなんだったんだろうともおもうし、もうこれ以上のものは書けないだろうなとも思う。これ以外のことでこんなに充実した気分になるのは不可能な気もする。この本を書き終えて世に残せたらあとはもうどうでも良い、みたいな気分にもなる。

日本経済はどうしたこうしたとか、これから何が伸び何が廃れるとか20年後に死ぬ私にはなんの関係もない。興味がもてない。もう好きにしてくれとしか思えない。思えば去年はいろんなことをやったが、だいたいのことはやったような気がする。だから去年までにやったことを多少手直ししてあと定年までの七年間もたせる。もうそれで良い気がする。そうするとだいぶ楽になるし時間の余裕も出るように思える。

今の生成AIって要するに「プロンプト」に対していかに的確な言葉なり画像なり動画を返すか事前にあほみたいに学習しておく、っていう原理にすぎない、つまり「プロンプト」に対する最適化問題にすぎないから、ある種のゲームのルールの中で最適解をみつけだす「メソッド」ではない。つまりゲーム理論みたいなものからはすごく遠いように思える。たとえば17文字で俳句を作れとか31文字で和歌を詠めみたいな「プロンプト」に対してはそもそもその17文字とか31文字という制限が今の生成AIには守れない。間違いを指摘しても改めることができない。与えられたルールの枠組みの中で最適なものを出すということができず、勝手に最適だと学習したことを返してくる。

今のAIにゲーテみたいなドイツ語の詩を作れというと、太陽が輝いて鳥が歌い、人々は楽しげで花は色とりどりに咲く、みたいなあほみたいな詩を作る。じゃあハイネみたいな詩を作れというと、春は過ぎ去り夏は来る、昼は黄金色で夜は花が香る、みたいな詩を作る。

geminiとの対話

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