FRB というと Federal Reserve Board を指すのか、それとも Federal Reserve Bank を言っているのか区別がつかないので避けられる傾向にあるのではないか。FRS (Federal Reserve System) という言い方もある。単に Fed ということもあるが、意味はほとんど同じであると言って良いと思う。
chair of the Federal Reserve は単に Fed chief と呼ばれることが多いようだ。
今の Fed chief 、連邦準備理事会議長はジェローム・パウエルという人だが、彼は利下げは結局しなくてはならないと考えているようだ。しかしFRBの理事には利下げに反対する人がいて、なかなか利下げに踏み切れない。利下げしろとFRBに圧力をかけてきているのは当然アメリカの銀行だ。失業率が上昇し、借金の取り立てが滞ると銀行はつぶれてしまう。FRBは銀行にお金を出して救済しなくてはならない。しかしFRBがせっかく銀行に金を貸してあげても、銀行はそれをそのまんま投資に回してしまう。コロナ騒ぎの時に行われた緊急融資制度 BTFP (Bank Term Funding Program) を悪用して利鞘稼ぎし、市場に余計な資金が流れ込んで株価の異様な高騰を招いたりした。また BTFP は FRB が決めたことではなくアメリカ政府が政策として決定したことだったから、政府が金利に介入した前例を作ったと非難された。
つまりここから見えてくるのは、銀行は政府に圧力をかけて、政府はFRBに圧力をかけて、銀行救済のための利下げを要求してきており、議長はやむなしと考えているけれども、それに反対する人もいるということだ。なんで反対するんだよ、金利は下げれば良いじゃんと思うかも知れないが、銀行や政府が金くれくれと言ったからといってほいほい金をくれてやっては国の借金はどんどん増えてしまう。銀行は結局最後にはFRBや政府が救済してくれるからと安易に借金し、コロッコロ金を転がして金儲けして、安易に貧乏人に高リスクの貸し付けをするようになる。汗水流して堅実に商売し、真面目に税金を納めているのが馬鹿らしくなる。返せないとわかっていて貧乏人に金を貸し人を破滅させ、国家の治安を危うくするのは悪徳ですらある。パウエルが利下げするというのも単に状況に流されて議長として保身でやるというくらいの理由からだろう。なんらかの歯止めは必要なんじゃないかと考えるのが普通だと思う。
警備会社と自警団に守られた金持ちだけが安泰に住む街がある一方で、スーパーで万引きしたくらいでは警察も動かないスラムもある。それでもなお移民を受け入れ、失業者や路上生活者は放置し、さらに高利で金を貸し付ける。貸す銀行の側もいつ倒産するかわからない。弱者はいつでも切り捨てられ、強者だけがうまうまと生き延びる。アメリカはひどい国だ。農林中金が匙を投げたのも当然だ。この格差はさらに加速していくのだろう。好きなだけやりたいだけやれば良いと思う。