入院してた3

心臓カテーテル検査というのは単に手首から血管にカテーテルを通してどうこうというものではなく、
非常に大掛かりな最新のレントゲン動画撮影装置を使うものである。
検査というがもはやこれは感覚的に言えば手術に近いと思う。
手術室というよりはロボットとか液晶パネルとかが並んだ町工場のようなところだ。
担当医師以外に数人の助手や技師がてきぱきと作業する。
C病院の近くにはこれだけの設備のある病院がないらしく、みなここへカテーテルの検査をやりにくるようだ。
おかげでたいへん忙しいように見える。

だいたい30分くらいで終わってしまうのだが、動脈を完全に止血するには半日以上を要する。
内出血したり、うまく血がとまらなかったりする。
2泊3日コースの入院になることが多いようだ。
1日目は準備。2日目は検査。3日目の朝までには血が止まり、その後退院となる。
そういうひとが入れ替わり立ち替わり、入院しては退院していった。
それとは別に長期入院の人もいた。

同じ腕で動脈と静脈に一本ずつカテーテルを通す。
心臓は右側が、体全体から心臓に血が戻ってきて、それを肺に送るところ、
左側は肺から戻ってきた血を全身に送るところである。
だから、動脈にカテーテルを挿したということは、心臓の左側に通したということであり、
静脈は右側に通したわけである。
右と左に同時にカテーテルを通し、心臓の動きや働きを調べる。
静脈にはほとんど圧がかかってないから、血もすぐ止まるが、
動脈は簡単には血が止まらない。
私も、8時間では完全に血が止まらず、また内出血もあって、結局専用の器具を手首に巻いて、
圧迫する空気圧を調節しながら、18時間くらいは止血してたなあ。
わざわざ手首からカテーテルを入れるということは、
できるだけ末端の、止血しやすい細い動脈から入れた方が良いということなのだろう。

心臓の動きなどは超音波エコーでもある程度わかるようだが、
カテーテル検査は、さらに造影剤を流し込んで撮影したりとか、サンプル採取したりとか、
心臓内部の圧力を測ったりとか、冠動脈を広げたりといったこともできる。

MRIもやったのだが、とにかく心臓を調べられるだけ調べてもらって、可能な病気をひとつひとつ潰していって、
結局は、「拡大型」か「アルコール性」の心筋症のどちらかだろうというところまで絞り込んだということだ。

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