水回りの修理

今借りている部屋は風呂場に給湯器がついていて、そのガスの元栓が癒着して回らなくなっていたのでガス屋さんに来てもらって回るようにしてもらった。そのときガスとは直接関係ないのだが、排水溝の蓋もパイプもボロボロに錆びていて、これはどうしたものかと相談したら、古い都営住宅なんかでも同じで、ホームセンターに売っているので同じような形のものと交換したほうが良いと言われて、東浅草のコーナンPROに買いに行った。あるにはあったので交換しておいた。これは正式名称は防臭椀というらしい。トイレ工事のときに一緒に言えばついでに交換してもらえたかもしれない。トイレは水が止まりにくかったからフロート弁(フロートバルブ)というものを取り替えてもらったのだが、やはりコーナンPROに売っていた。参考までに写真を取っておいた。1280円のほうなのか3980円のほうなのかはよくわからない。

防臭椀のほうは1280円(税抜き)で売っていた。入居時の交換なので本来大家さんがやるべきことだと思うが、まあ誤差の範囲か。

アマゾンで同じようなものをなんと709円で売っていた。しかしこれはポリプロピレン製とあるから軽いのだろう。私が買ったやつは明らかに鉄製の重いやつだった。

防臭椀のようなものはホームセンターで確認してサクッと買うで正解だと思うし、フロートバブルは自分で交換できないから業者に直してもらうので正解だったと思う。

水道代1月分の請求がきたのだが、使用料は0m^3なのだが、上水道と下水道の使用料を取られた。1m^3以上使うにはだいぶ使わなくてはならないようだ。

長年染み付いた生活臭というものが、部屋ごとに調理などするととたんに廊下に漏れてくる。なんとも言えない匂い。何十年もリフォームもせず同じ人が住み続けているとこういう匂いになるのではなかろうか。都営住宅なんかみんなこれではなかろうか。また賃貸物件に関する新しい知見を得た。

浅草地下商店街マップ

Map of Asakusa Underground Shopping Street

2025.01.25 暫定版

通路にはけっこう細かな屈曲がある。

浅草地下街は基本的には馬道通りの地下に南北に作られている。銀座線6番改札から出て、6番出口から出て、浅草寺に向かう最短経路ともなっている。6番出口はしかし非常に小さく狭くてわかりにくい(しかし google maps にもちゃんと6番出口と記載されている)。

浅草地下道株式会社なるものによって管理されているらしい。その事務所らしきものも(トイレと忍者場の間に)存在する。テナントはけっこう入れ替わりが激しいようだ。北側のどん詰まりはずっと先まで通路が続いているように見えるが、途中で止まっており倉庫として使われているとのこと。

倉庫手前には謎の雑貨屋がある。あまりやってない。通路に大量に山積みされているトランクケースはおそらくこの雑貨屋の売り物であると思われる。

Jプライスは一見アダルトDVD屋に見えるが、刑事コロンボシリーズが揃っていたり、古い洋画などが売られていたりして、けっこうマニアック。

Jプライスの向かいにあるレコード屋はもしかしたらここもJプライスなのかもしれない(未確認)。

ケバブ・ファクトリーは真上1階部分にも新仲見世通りに面して店舗がある。上と下の店は直接つながってはいないが、上で買って下で食べたり飲んだりできるようになっているそうである。

地下道全体が禁煙かと思いきや喫煙可な店もいくらかある。

カットセブンという店はもともと700円調髪だったのでセブンらしいのだが、今では800円になっている。

水子地蔵。水子がたくさんまとわりついている。

上野、御徒町、浅草の合せ技

浅草はスーパーやディスカウントストアやドラッグストア、業務スーパー、あるいは弁当屋などがたくさんあって安くて良い店が多い。OKやBigAなどは良い。マルエツや東武ストアなどもまあまあ。デリカぱくぱくという弁当屋も良い。浅草公会堂で日曜日に歌舞伎をやるときには入口ホールあたりでさまざまな幕の内弁当を売っているのだが、珍しいもので、一通り食べてみたいと思っている。

しかしながら飲み屋はいわゆる観光地価格であり、他の地域、特に上野なんかと比べるとかなり割高だ。しかも喫煙可の店が大半である。そこで帰り道に上野で途中下車して上野で安くてうまくて禁煙の店に寄り、浅草で仕上げするというのが良いと思っている。

東上野にかぶら屋という、これは普通のチェーンの居酒屋だが、普通に安くてうまい。しかも禁煙。最初に手を消毒されるのがうざいがまあ不満はそれくらいで我慢できなくもない。鶯谷にもあるようだ。上野だとあとは浜ちゃんなどが禁煙らしいので、混んでなけりゃ行こうと思う。鳥椿は鶯谷にも浅草にもあるチェーンで禁煙らしいので、今度寄ったらいこうと思っている。

上野で公園側から東中野に抜けるには銀座線から日比谷線に乗り換える地下道を通るのが良さげである。

浅草のお好み焼・もんじゃ焼 津久志はある意味浅草らしく、非常に面白い店でそんなに高くないので混んでない時にときどき行こうと思っている(つくしという名のもんじゃ屋はホッピー通りにも2軒あるらしい。系列かどうかは未確認)。そのすぐ近くの房総料理 木むら。ここも気に入ってるので、中をのぞいて見て混んでなければときどき行っている。どちらも禁煙ではないが客がタバコを吸っていることはほぼない。

地下道の天才焼きそばも良く行く。地下道は全体が禁煙。ここの焼きそばは変わってて最初は焦げてて固くて食べにくいなと思うのだが、何度も食べていると癖になり、ほかの焼きそばでは物足りなくなる。初心者には敷居が高いとも言える。好きになるまで何度か通わなくてはならない。瓶チューという瓶のチューハイがメイン。備前、備中、備後とは関係無いらしい。

浅草地下道には忍者場(NinjaBar)と焼きそば福ちゃんというのが外国人に人気らしい。福ちゃんは、焼きそばはまあふつう。餃子がうまいらしいので今度食べてみよう。忍者場は一時期流行った缶詰バー的なもので、つまみの缶詰とワンカップの日本酒が並んでいるだけらしい。いくかどうか微妙。

この地下街はいつも床が濡れていて非常に気になるのだが、主な原因は福ちゃんともう一軒なんとかという店(鳥じん?)の排水のせいらしい。最近は気にしないことにしている。この地下街だがまともな地図がない。google maps を見ても何がなんだかわからない。今度 svg かなにかで描いてみようか。刑事コロンボのDVDが全巻揃ったDVD屋などがあったりしてそれもそれでけっこう興味深い。

浅草の荒井屋 へその店は老夫婦がやっている禁煙の店で非常に浅草らしい料理もおいしい店。

あとは観音裏の愛ひめ、それから、小時。これらも禁煙。

あとは新御徒町の佐竹やに時々寄る。

こんなあたりをぐるぐる回っていれば十分な気がする。

上野寛永寺入口の茶店でおでんと酒を売っているので一度行ってみたい。昼時は普通に食事の客で混んでるので、空いている時間帯にふらっとはいりたい。

南千住から浅草を通り上野までいく都バス(上46系統)が210円均一。非常に便利なのだが、それなりに混んでいて、電車と歩きのほうが健康にはよさそう。1時間5本だが、5分間隔くらいにしてくれれば良いのになとは思う。

とにかく意地でも禁煙の良さげな店を開拓してここにも書いていくつもりである。

浅草なんだけどヨドバシかビックかヤマダかなにか、電機量販店が一軒くらいあってほしいと思う。上野まで行けばあるんだけどさ。なぜ進出してこんのですか。つくばExpでアキバまで行けよという話ではあるんだが。あとでかい本屋もほしいっちゃほしい。

体感的に言えば浅草には町田よりも10倍くらい飲み屋がある。上野あたりまで含めると100倍はあるだろう。いわゆる奥浅草、観音裏と呼ばれるあたりは住宅街の中に霜降り肉のように飲み屋が点在していて、ここだけでも相当数の飲み屋がある。恐ろしい街である。

しばらく体を休めたほうが良い

仕事場が中野にあり、住処が浅草にあると何が起きるかというと、東京を西から東、東から西の移動が頻繁に発生する。これがけっこう疲れる。いろんな路線のいろんな駅で乗り換えるのだけど、東京の東西移動で比較的楽なのは大江戸線で、時間帯にもよるがそんな混んでないし座れる確率が高い。地下鉄は東京を動き回るには便利だけど割と時間がかかる。kindleで漫画でも見てりゃ時間は潰せるんだけどね。

浅草は浅草で、楽しい町なので、つい遊びすぎてしまう。楽しみすぎてやらかさないか心配だ。浅草の中に自分をうまくすっぽりとはめ込むにはまだ時間がかかりそう。慣れてくれば楽になるかもしれないが、とりあえずしばらく何もせず体を休めたほうが良いかもしれない。どこかに無理が溜まってるかもしれないし。

浅草から見ると上野は確かに山で、しかもかなり登らなくてはならない。入谷、鶯谷辺りまでは平らでおよそ山手線の内側辺りから坂になり、谷中、根津などは山なので歩きにくい。根津と根岸は似ているが、根岸は平ら。本郷、湯島辺りも山。なので、だらだら散歩するには入谷、根岸辺りまでがよい。上野といっても御徒町あたりは平ら。最近は上野・御徒町あたりの飲み屋も禁煙がだいぶ増えているようだ。磯丸水産なんかもいつの間にか全席禁煙。すばらしい。養老乃瀧、全席喫煙可。すがすがしい。行かないけど。

東京の西側はだいたい坂だらけで中野も世田谷も坂だらけで、それに比べると浅草は歩きやすいのが良いといえば良い。

浅草飲み歩き2

浅草飲み歩きの続き。

ユーチューブで浅草飲みの動画など見ているのだが、ニュー浅草、神谷バー、焼きそばふくちゃん、あとホッピー通りなんかが出てくることが多い。

ニュー浅草は昔池袋辺りで飲んだことがある気がするんだが、ともかく、浅草以外のどこかで飲んでた。本場浅草の本店にも行ってみたんだが、とにかく人でごった返していて、落ち着いて飲むどころではなかった。

神谷バーにはまだ行ったことがない。みんなが行け行けいうところにはあまのじゃくだから行かない。あと電気ブランはそんな好きじゃない。

ホッピー通りの店には基本行かない。正ちゃんとあそこには行くけど。

水口食堂は禁煙らしいので今度行ってみようと思う。

君塚食堂も禁煙。17:00ラストオーダーなのもあってか、平日は女子(おばちゃん連中)の憩いの場となっている。

焼きそばふくちゃんにはまだ行ったことがない。そのうち行く。田原町にも焼きそば屋があったのだが閉店したそうだ。残念だ(東京都台東区西浅草1-1-18にあった花家という店2021年5月に閉店したらしい)。

食堂とか料理メインの店で酒とつまみだけ注文してよいものかどうかいつも迷う。

私もユーチューブ動画など録ってみたいのだが、なにしろ相手がいることだし、出演交渉するのもめんどくさい。でも今記録しておかないと近い将来行けなくなってしまうだろう。

浅草は瓶ビールを注文するとしれっと小瓶で出てきたりするから油断がならない。メニューに小瓶と書いてくれていればいいんだけどさ。基本的に観光地価格だと思って良い。中には安いところもある。君塚食堂は安いと思う。おでん盛り合わせ880円は分量を考えるとほかの町と比べても安い。今はおでんも高くなったからねえ。

房総料理木むらもアットホームな感じで良いと思った。ユーチューブ見たらめっちゃ顔出ししてワロタ。

正直ビヤホール本店の記事がこちらに。もとはと言えば吉原の中にあった正直という名のカレー屋だったらしい。今その建物(東京都台東区千束4丁目27-8)は一階部分が時間貸し駐車場になっている。更地にせずに二階部分を残したまま駐車場にしているのはけっこう無理やりな感じがするが、大きなお世話に違いない。

禁煙の店だけえりすぐって飲み歩きたいのだがなかなかそうもいかない。ときどき若い女性やら、あるいはおっさんやらがやたらとたかっている店があって(うなぎのおにぎりなんかの店だったりする)、気にはなるのだが、たぶん私はそういう店にはいかないほうがよかろう。良く行く店でも混んでるときにむりやり入り込むのはやめよう。すいているときにすっと行って1杯か3杯くらいで帰ろうと思っている。

ウナギ、フグ、寿司、その他高級料亭のたぐいにはたぶん行かない(その手の店は浅草は特に多い)。若い頃は肉料理が好きだった(特にホルモン焼きなど)が、今は重くて食べたくないのでいかない。じゃ刺身ならいいのかというとそうでもない。刺身は全然食べたくない。私にとって寿司はスシローで十分であり、刺身はスーパーの総菜で十分だ。日本酒と和食の店などというのが苦手だ。私は日本酒はもう、吟醸酒とか純米酒というのは飲みたくない。普通の本醸造を熱燗で飲めればそれで良いのだけど、今時なかなかそういう普通の店がない。ビールで始めて途中から熱燗も追加し、ビールをチェイサー代わりにして熱燗と交互に飲むという飲み方がしたい派なのだが、いまどきの和食屋ではそういうのはたぶん邪道なのだろう。

蕎麦屋や定食屋、食堂は難しくて、昼夜かまわず食事でも酒でもどちらでも良い(どちらも歓迎する)と言ってくれる店ならいいんだが、蕎麦はマストとか言われるともう行く気がしなくなる。私の場合外食は基本的に飲みにいくしかない。外食でうまいものを食いたいという気持ちは今はほとんどない。うまいものを食ったからなんだというのか。別にうれしくともなんともない。腹が出るだけではないか。まずいよりはうまいほうが良いけれども。あまり腹が膨れない程度に酒のアテになるものが食べれればそれでよい。食事もそうだが私には喫茶店というもののありがたみがまったくわからない。コーヒーが嫌いなわけではない。コーヒーは自分で淹れて家でゆっくり飲む派だ。喫茶店で周りががやがやしている中でコーヒー飲みながら仕事したり勉強したりするのがはかどる、という人は多いようだが私はそうではない。

朝5時くらいの浅草はほんとに車も人もなくて心地よい。朝9時くらいになると路上や地下鉄にせかせか歩く人がたくさんいてストレスフルになる。なるだけ朝早く移動したほうが良い。

観音裏から三ノ輪へ歩こうとすると吉原のど真ん中を突っ切るのが近いが、朝早くから黒塗りのアルファードみたいな車が駐まったり出たりして非常に歩きにくい。吉原はどの駅からも遠いのと、プライバシー的に車の送迎が多いのだろう。

浅草飲み歩き

郊外から都心へ向かう路線、たとえば小田急線なんかは、始発からすでに混んでいて座れない、というか、隣に他人が座っていると私は腰が痛くなってしまうので、そういう場合はたいてい立つようにしている。隣に座っている人が頻繁に肘を動かしているのもかなり気になる。

しかしながら都心の地下鉄、たとえば大江戸線などは、始発から6時台くらいまでは快適に座れるので(そのかわり足を組んだり投げ出したりするやつがいるが。銀座線、丸の内線、JRなどはもしかすると始発から混んでるかも)、だいたい17時くらいから飲み始め、20時には寝て、4時くらいに起きてシャワー浴びたりなどして、5時半くらいに家を出て、6時台に電車で移動しようかななどと考えている。

ただ早朝からたばこ臭い通りがあったりして非常に迷惑だ。

最近行った店で良かったところ。

正直ビヤホール分店。なにがどう分店なのかはわからないが、ひさご通りの北の出口あたりにある。正直飲み屋には見えない外観。ビール1杯800円は割高だがうまい。昔はキリンだったが今はサッポロにしたそうだ。食べ物はお通しの柿ピーと6Pチーズしかない。お通しはなぜか無料。お店のおばさんは面白い。10杯以上飲む人もいるという。10杯飲むと8000円だ。ちょっと信じられない。しかし確かにここのビールはおいしくて何杯でも飲めてしまう気がして怖い。グラスが薄くてきれい。もうひとりいた客は12杯くらい、1万円以上飲むそうだ。つまみは柿ピーと6Pチーズしかないのに!ママとだべりながら延々とビールを飲むらしい。私は2杯で出たが後で通りがかったらまださっきの客はいた。浅草でも特別に変わった店と言って良いだろう。浅草に来たら神谷バーなんかに行くよりかまずこの店に行くべきだ。

ホッピー通りのあそこ。「あそこ」が店名。比較的安価。たけのこ煮、身欠きニシンなどのお惣菜が良い。お店のおばさんは面白い。ホッピー通りには珍しい「純日本居酒屋」。

千鶴。女性二人でやってる。浅草にしては安い。居心地も良い(たまたま客が少なかっただけ?)「八代亜紀セット」1000円。ぬる燗とスルメのセット。私は熱燗にしてもらった。ぬる燗とか冷(常温)が好きだった頃もあるんだが、本醸造は熱ければ熱いほど旨いと思う。冷たいと本醸造の悪いところが出る。甘くないほうが良い。近頃はみんな冷酒ばかり飲むようになった。

愛ひめ(えひめ)、ここは禁煙なのが良い。愛媛料理。店のママさんが良い。男闘呼組のポスターが貼ってある。

だるま。浅草には「だるま」という店がいくつもあるがこれは初音小路にある居酒屋。店のママさんが面白い。混んでいて入れないことが多いが空いているときにいく。

小江戸天才焼きそば屋。地下街。たまに行く。店主が面白い。禁煙。

安兵衛。立ち飲み屋。料理は確かに安い(立ち飲み価格)が酒はそれほど安くはない(浅草価格)。たいてい混んでいる。店内は一応禁煙。

のんき屋。立ち飲み屋。いっぷく横丁、翁そばの向かい。なんとも言い難いがときどき行く。

ほていちゃん。ひさご通りの南の出口にある。安い。禁煙。チェーン店だが割と行く。カウンターが満席なときが多く、そういうときは行かない。浅草は案外立ち飲み屋が少ない。ほていちゃん、のんき屋、安兵衛。他にはもう無いかな?

洒落者、浅草スタンド、などがあるらしい。

ぽんず。禁煙。悪くない。和食。

コトヨン。寿町四丁目なのでコトヨン。浅草というよりは蔵前、いや、最寄り駅的には田原町か。禁煙。悪くない。ここ、浅草と蔵前の間の裏通りには透明書店をはじめとしてなんだかハイソサエティな店やカフェが点在している。

一時期ハイボールばかり飲んでいたが体がウィスキーに飽きたのか最近はビールばかり飲んでいる。

虚構の歌人 藤原定家

『虚構の歌人 藤原定家』を書いたのは2015年、もう10年も前のことなのだった。久しぶりに読んでみると恥ずかしい。特に最終章がかなり恥ずかしい。自分の中ではこんな終わり方じゃなかったはずなのだが、確かにこう書いたのは私なのだった。まぎれもない証拠だ。最後にちょっと気取ってカッコつけてそれらしいことを書こうというスケベ心が出てこんなことを書いてしまった。

応仁の乱で勅撰集の編纂も途絶えた日本に『新古今』以来の「長(たけ)高く幽玄有心なる姿」を復興しようと唱えたのは宗祇だ。なるほど連歌は和歌から派生したものである。また世阿弥は「能の道を極めようと思う者は能以外の芸を行うべきでない。ただし歌道は能を飾るものなので、特に勉強しなさい」と言っている。 私はずっと和歌ばかり見ていた。それで定家を調べることになり世阿弥や宗祇に出会った。そして彼らに教えられた、和歌はひとり日本文芸の核心なのではない、日本芸能すべての祖(おや)であり源流(ルーツ)なのだと。皆がそれほどまでに和歌を愛しているのだと。そう気づいて私はこれまでずっと和歌をやってきて良かったなと思った。

10年前からこんなことをずっと考えていた。同じようなことを今も考えている。その表現の仕方が10年前だとどうにも拙いし、浅い。そこが恥ずかしい。書くなら書くでもっとましな書き方があったはずだ。文章を書くと言うことは難しい。書いているときには気付かない、なかなか気づけないのが難しい。

あれから10年経って私は少しは成長したのだろうか。10年後の私が、今年出すはずの本を見てどう思うだろうか。とりあえず悔いのないように推敲しておきたい。

ここのこういうブログに書いたものなどはろくに推敲もしていない。書いたら書きっぱなしなことが多い。あまりに変なやつは非公開にするようにしている。

掛け布団カバー

今までは何気なくアマゾンで一番安い掛け布団カバーを買っていたのだが、最近は、いやいや、外資系企業がネット通販している、外国工場に丸投げした製品ではなくて、ちゃんと日本で作った品物を日本の企業から買ってやらねばなるまいと思い、楽天市場など見るがだいたい出品が(本気で売る気あるのかというくらい)割高だし、送料も高い。では店舗で買うかとなるのだが、メーカーはニトリかアイリスオーヤマあたりが安いらしいんだが、近頃は何もかもが値上がりしたせいかとにかく安い掛け布団カバーがない。

私としては西川のようなまっとうな国産の高級品が買いたい(買って応援したい。日本経済に貢献したい)わけではない。ただ単に布団の生地が傷まず、汚れてもカバーだけ洗えば済むような一番安いやつが欲しいのである。病院の四人部屋とか自衛隊のベッドに使われているような無地のカバーで十分。というわけで某イトーヨーカドーに行ったのだが、ニトリ売り場の掛け布団カバーはどれもネット販売のものよりも高い。大量にいろんな種類の掛布団カバーがこれでもかこれでもかと売られているがどれも高い。

それでイトーヨーカドーの衣服売り場に行ってみるとなんと掛け布団カバーが700円(税込み770円)で売っているではないか。この物価高の御時世に恐るべき安さである。ヨドバシ価格の2分の1か3分の1だ。おそらくそうとう長い間ここで売れ残っていたのだろう。イトーヨーカドーの売れ残り在庫がすごいという話は聞いたことがあったが、私にとっては実にお買い得だった。中国製と書かれていたのでもしかしてこれも〇〇人の〇〇労働で作られたものなのかなあと心が痛んだが、とりあえず満足した。

ニトリは安値を売りにはしているがなんとかブランドイメージと価格を維持しているんだが、イトーヨーカドーはとにかく無駄なく在庫をさばこうとしているようにみえるんだよね。これからもハイエナのようにイトーヨーカドーの売れ残り在庫を物色していこうと心の中で誓った。みんなが世の中の商業主義に目くらまされず、イトーヨーカドーに行って安く買い物をすれば、家計も助かるしイトーヨーカドーも助かるんだがなあってたかだか特売の掛け布団カバー買ったくらいで、すごい偉そうなこと言ってみた。

ついでだが、キャベツ1玉1000円とか世間では煽っているが私の見たところ、まあ、小玉1個で500円か600円というくらいか。東京都の最低時給と比べているところがせこい。キャベツが食えなきゃ白菜を食えばよかろうと思った。白菜もまあまあ高かったけど。

定年までのヒマつぶし

いまさらこの年になって浅草の飲み屋を開拓してみて思うのは、確かに浅草はすごい街だなと思うのだけど、しかし30年くらい飲み歩きをやってきていて、たいていのことはすでに体験済みなことばかりで、なんか似たようなこと昔あったよなあとか、デジャブ感があるというか、自分の人生において初めて、という感動はあまりないなと言う気がする。30年というのはそれなりに長い時間だし、私の中で重要な資産になっているのだ。

私が初めて飲み歩きをしたのは三軒茶屋と新宿三丁目だった。要するに最初の仕事場が田園都市線沿線にあって、三茶に住んだからだ。それ以前は学生だったので飲み歩きなんてものはいくらやりたくても金銭的にできなかった。

世田谷区世田谷、つまり、世田谷線沿線のあのあたりの雰囲気は今も好きだし一生住んでも良いと思っていた。ただまあ長く住むとどこでも飽きはくるもんで、特に田園都市線沿線は、今はどうかしらないが昔はまともな本屋が全くなくって困った。本を読まなくても生きていける人たちが住むところなんだろうと思っていた。

その後東武東上線沿線に仕事場が移り、主に上福岡で飲み歩いた。そのあと小田急沿線に仕事場が移ったもんで、本厚木とか町田とか中野新橋辺りで飲み歩くようになった。自分の限界まで飲み歩いた町というのは幸か不幸か町田だった。私が町田周辺に越してきたのはもう20年も前だが、そのころにはまだ屋台のラーメン屋などもいたし、再開発直後で町田の古い雰囲気も少し残ってた。1990年代の町田も知らなくはないのだが、あの頃の町田は魔窟みたいで良い感じの街だったよな。溝の口辺りもすごい魔窟感があった。今はもうそういう雰囲気はない。そう、溝の口にもたまには飲みに行ったりもしたのだ。

思うに上福岡というところは酒も肴もかなり安かったと思う。今となってはいくらくらいだったか記憶にすらないのだけど、駅前の山ちゃんという立ち飲み屋で、ビール1本、焼き鳥数本を買ってお勘定するとおばちゃんが800万円と言ってたのだけは覚えている。

それに比べると浅草はたいていが観光地価格で、ビール小瓶で700円ではいつまでたっても酔えそうにない。そうでない店も若干あるのでそういう店もかけもちする感じでやってる。

浅草にアジトを置いたのは私の仕事とは直接関係ない。ただ三年ほど前から千葉の方にいく用事ができたからその中間地点という意味はある。だから、浅草でちょこちょこ飲み始めたのは三年前からだ。

今現在も私の職場は東京の西側、つまり中野あたりにあるんだが、浅草は東側で、東京をまたいで東西往復するというのは、いろんな意味でかなり消耗する。例えば電車に乗るとして、たまたま隣に座ったやつが多動で独り言とかいうやつだったりすると結構メンタルを削られたりする。なんかしらんけどやたらと腕を動かしてそのたび肘が脇腹あたりにぶつかってくるのがいらいらする。なんなんだろうなあれは。無意識に相手を威嚇しているのかもしれんな。道を歩くにしても交通量が多いところは排気ガスがかなり気になる。

私の人生の中で東京の東側というのは未知のものではあったがすでに西側とか南側とか北側でたいていのことは経験してきたわけであって、ある意味、やり残した仕事の、最後の仕上げみたいな感じもしなくはない。

上野の博物館にしてもまったく初めてなわけではない。ただし博物館てものは常設展であっても少しずつ展示物が変わっていくし、見落としもあるから、近所に住んで、頻繁に通えばそれなりに楽しめる余地がある。見慣れた映画を何度も見返す感じというか。

定年までのあと六年間の良いヒマつぶしにはなると思う。

今書いている本は一年半もずっと推敲と加筆訂正を繰り返していていい加減もういやになってきた。定家やシュピリなんかは、半年くらいで書き上げて、出版してあとから直したいとか書き換えたいという欲求があって、次にはもっと良い本を書きたいという欲望もあったわけだが、今回はもうほとほと疲れたし、執筆意欲というものもずいぶん消耗し枯渇したような気がする。こんな苦労はもうしたくないなという気もする。ある意味頑張りすぎたので、当分は何も書かなくてもいいやっていう気持ちもある。ともかく私なりに本を書くということを十分すぎるほどに体験させてもらったなと思う。

去年は仕事内容をいろいろと入れ替えなくてはならなかったから忙しかったが、今年以降、定年までほとんど変えずに何も新しいことはやるまいと思っているし、新しい本も死ぬまで書かなくても良いって気もしている。それでは退屈で死んでしまうかもしれないし、今でも退屈は死ぬほど嫌いではあるのだが、というか何もしない空白の時間を作ると何かで埋めなくてはなんだか申し訳のない気がするのだが、実際、何もしないことに慣れてしまえばそれが日常化して別に平気になるかもしれないし、とにかく今は、何もしないってことをやってみたいと思っている。

世の中に飽きたというより自分という人間に飽きてしまったんだな。今までは自分がどんな人間か知らずにあれこれ試してみて、自分にどんな才能がまだ残っているのか、絵を描いてみたり、本を書いてみたり、作曲してみたり、動画作ってみたりしてきた。そういう試行錯誤を60才までにいろいろやってこれたのはよかったとおもう。例えば大阪とか京都に住みなおすとかインドとか中国あたりに移住すればも少し違う経験もできるのかもしれないが、わざわざいまさらそんなことをしたいとも思わない。30代くらいならアメリカあたりに長期滞在して仕事しても良かったかもしれないが、今はそんなことする体力も気力もない。じゃあなんでおまえはいまさら浅草に住み始めたんだと言われると困るんだけど、まあ要するに、何度も言っていることだが定年後は物価が高く人も多い東京に住むことすらないと思うから、それまでのわずかな期間、浅草生活を楽しんでみてもよいのではないかと思ったわけだ。

そういえば定年退職してそれまで転勤した町を改めて飲み歩くと言う話を『紫峰軒』というのに書いた。私もついにその年に近づいてきたわけだ。おおむね『紫峰軒』に描いたのと同じ人生を送ってきたと思う。

浅草の水回り

初音小路辺りで聞いた話なのだが、浅草二丁目はほぼ全域が浅草寺の土地なのだそうだ。てことは、場外馬券場とかドンキの土地なんかも全部浅草寺から借りているということだろうか。土地はお寺のものだが、建物にはそれぞれ大家がいるという。小さな店が密集しているがここらには共同トイレというものがないので、どんなに小さくてもそれぞれにトイレが付属しているらしい(全部を確かめたわけではない)。で、とある店では大を流すと詰まるので小だけしてくれなどと張り紙がしてあって、下水が土管でその土管が壊れていて大を流すと詰まるのだそうだ。

またこれは浅草の地下街で聞いた話なのだが、雨が降ると床が水浸しになる。これは天井から水が落ちてきているのではなくて、雨が降ったり、下水が増えると地下水位が上がってそれで床下から水が出るのだそうだ。やはりこの地下街も土管の下水を使っているのに違いない。雨が降ると1日か2日くらい遅れてやはり床が水浸しになるという。困った地下街である。

再開発すればしかしこの味わいがなくなってしまうかと思うともったいない気がする。今は今で楽しんでおけばよかろう。

そういえば浅草地下街には共同トイレがあるような気がする。店ごとに鍵があってそれを借りてトイレにいくのだ。

今どきネットでも馬券は買えるのになぜわざわざ土日に浅草に人が集まるのか、不思議に思い聞いてみたが、明確な理由はなさそうだ。大江戸線やつくばエクスプレスは地下が深いので、日曜朝にエスカレーターが異様に混む。異常な町だ。馬に賭けるくらいなら株でもやれば良いのにと思うのだが。

浅草寺境内はだいたい通り抜けができるのだが伝法院というところはたぶんお寺の完全にプライベートなゾーンになっていて、これが浅草のど真ん中にあって迂回しなきゃいけないのがややめんどくさい。