古くは「田植ゑ」という言葉はなかった。
歌には「早苗取る」という言い方なら良く出る。
苗代の早苗を取って田んぼに移し替えるわけだが、
その田んぼに移し替える作業、つまり田植えに相当する言葉がない。
苗代に水を「堰き分く」とも言う。
その前の段階で田かへし(「耕し」の語源)、田おこし、というのもある。
つまり、歌に詠まれるのは、田を耕して、苗代に水を入れてその苗を取るところまでで、
その後の農作業はいちいち歌にしなかった、ということか。
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