吉野作造評論集

さて連休なにしよう.和辻哲郎の「古寺巡礼」を読んで一瞬奈良に行きたくなった(笑).しかし仕事もたまってるし.思いつきで旅行すんのはやめよう.

「吉野作造評論集」とか読むと,メキシコ革命の話が出てくる.

アメリカとメキシコの関係はイギリスとスペインの関係に似ている.もともとイギリスはスペインよりも優れた国であるが,アメリカはイギリスの中でも一番(金銭的というよりは道徳的に)優れた人たちが移民した国であって,一方メキシコはスペインのならずものたちが移民した国である.さらにアメリカ人は家族で移民したがメキシコ人は独り者で,守るべき貞節も規範も何もないので,土人との混血がたちまちにして進み…,

故にアメリカでは民主主義がきわめてうまく機能しており,その政治システムをそのままそっくり借用したメキシコでは革命や内戦で国民は塗炭の苦しみを味わっている.

というのだ.あの吉野作造ですらこのいいぐさである.言いたいことはよくわかるが.
昔は西洋人も日本人もずいぶんと差別的なものの考え方をしたのだな.というか吉野作造の言ってることは単なる WASP の受け売りなのかもしれぬ.

DVD の字幕

だんだんいらいらしてきたのでガンダム DVD の字幕を消したいのだが消せない.英語字幕にすることはできたがフラウボウが MeiMei になってたり,シャアが Masha になってたり….これって広東語から英語に訳してないか.なんか拙い英語だよなあ.主語が省略されたりしてるしなあ.もしかしてこれって海賊版?

いや,もしかしたら香港ローカル版なのかもしれない.香港人は広東語も英語も話すし,香港ネイティブ英語がオーソドックスな英語である必然性もないわけだ.

アムロは Yabao,ガンダムは Gaoda.ブライトは広東語名が「布」で,英語名は Mr. Bu になってた.いやはや.「了解」は I see ではなく Roger! とか Yes, Sir! とかじゃないのか.「いきまーす」は Action! とか言ってたが,空母から離陸するときにはなんていうのか. Take off! かな. Ready, Go! かな.

いかんいかん.なんかヒマ人と思われてしまう….

初代ガンダムのDVDを見る.

なぜか中国繁体字字幕.フラウボウがなぜか「美美」とか呼ばれている.ガンダムは「高達」.二十年ぶりくらいに見てみると新たな感動がある.アニメーション技術的にはきわめて稚拙だが,それなりに手をかけているようにも見える.ストーリー展開のなんとみごとなことか!

フラウボウの家族がみんな死んでしまう.アムロのお父さんは宇宙に吸い込まれる.なんかとても残酷で衝撃的だ.

シャアはいつもこむつかしい独り言ばかり言っていて違和感ある.

革命児サパタ

シェンムー2.少しおもしろい.

「革命児サパタ」というのを見た.すこしおもしろい.メキシコの歴史についていかに無知だったかを知る.革命とか戦争でもメキシコ人は常にソンブレロをかぶっていてユーモラスだ.公平にみえる.しかし,アメリカ人の視点で作られたものには違いない.メキシコ人ならもっとアメリカ資本を呪うに違いない.

「ジェロニモ」というのを見た.少しおもしろい.白人はいくら殺してもつぎから次に涌いてきた,ということなのだろう.農業と産業革命の勝利というべきか.

「アパッチ砦」というのもみた.超つまらない.途中放棄.

1965年くらいの日活を飽きるほど見てみたいのだが,まったくビデオレンタル屋にない.
カストロやゲバラやホーチミンや毛沢東の映画もない.おそらく世の中にはビデオレンタル屋に並んでいるよりは 100 倍より多くの映画があり,そういう映画の中には私のみたいのがかなりあると思うのだが.

レンズ豆

レンズ豆はレンズに似ているからレンズ豆というのではないのである.レンズがレンズ豆 (lentil) に似ているのでレンズ (lens) というのである!レンズ豆はなんと創世記に出てくる.アブラハムの子イサクは,リベカと結婚し,妻リベカは双子の子エサウとヤコブを生むが,創世記 25:27~34(新共同訳)

二人の子供は成長して,エサウは巧みな狩人で野の人となったが,ヤコブは穏やかな人で天幕の周りで働くのを常とした.イサクはエサウを愛した.狩りの獲物が好物だったからである.しかし,リベカはヤコブを愛した.ある日のこと,ヤコブが煮物をしていると,エサウが疲れ切って野原から帰って来た.エサウはヤコブに言った.「お願いだ,その赤いもの(アドム),その赤いものを食べさせてほしい.私は疲れ切っているんだ.」彼が名をエドムとも呼ばれたのはこのためである.ヤコブは言った.「まずお兄さんの長子の権利を譲ってください.」「ああ,もう死にそうだ.長子の権利などどうでもよい」とエサウが答えると,ヤコブは言った.「では今すぐ誓ってください.」エサウは誓い,長子の権利をヤコブに譲ってしまった.ヤコブはエサウにパンとレンズ豆の煮物を与えた.エサウは飲み食いしたあげく立ち,去って行った.こうしてエサウは長子の権利を軽んじた.

最近読んだ某という本では,アメリカのエグゼクティブは大量の活字を読む速読術を身につけていて,一週間で聖書の三倍の文章を読む,とか書いてあった.そりゃあ嘘だろう.嘘ではないかもしれないが,新約だけのことを言っているのかもしれない.旧約は新訳の約三倍あるからね.

田舎教師その2

ぷろぐれ日記
に書いてあった「博士の異常な愛情」というのを見た.
まあ,見て損はないかな.
アメリカがソビエトの ICBM 基地を誤爆するという話.
空軍の全面的協力によってしか作れない映画である.
それゆえ,冒頭で「こんな事故は決して起きないとアメリカ空軍は保証する」
という言い訳がついていておもしろい.
「未来世紀ブラジル」あったら見てみたいが DVD ではさすがにないだろ.

田舎教師を読んでいて,

> 寺の庫裏の入口の広場にも小作米がだんだん持ちこまれる.
豊年でも何かと理屈をつけて計りを負けてもらう算段に腐心するのが小作人の習いであった.
それにいつも夕暮れの忙しい時分を選んで馬に積んだり車に載せたりして運んできた.
和尚さんは入口に出てあいさつして,まずさしで,
俵から米を抜いてそれを明るい戸外に出して調べてみる.
どうもこんな米ではしかたがないとか,
あそこはこんな悪い米ができるはずがないがとかいろいろな苦情を持ち出すと,
小作人は小作人で,それ相応な申し訳をして,どうやらこうやら押しつけて帰っていく.
豆を作ったものは豆を持ってくる.
そばを作ったものはそば粉を納めに来る.
「来年はひとつりっぱに作ってみますから,どうか今年はこれで勘弁していただきたい」
だれもみんなそんなことを言った.

>「どうも小作人などというものはしかたがないものですね」と和尚さんは清三に言った.

というところに妙に感心した.
農地改革からこちら地主は悪で小作人は善という観念が植え付けられているのだが,
実際には今の大家と借家人のようにどちらがどれほど悪いというほどの関係ではないのかもしれない.
まあ確かに地主というのは資産家で裕福で不労所得者なんだろうから,
小作人よりは良い立場にいるわけだ.
しかし,小作人は小作人で,自分のところで取れた一番悪い米を地主に押しつけて,
一番良い米は自分で食うか金に換えてしまうのだろう.

その他,天長節(天皇誕生日のことでんがな)には小学校でオルガンの伴奏に合わせて
「君が代」と「今日のよき日」というものを歌うそうだ.
「今日の良き日」とは正式には「天長節」という名前の唱歌のようだ.
たくろうの名曲玉手箱
というところにいろんな唱歌がある.

田舎教師

マテ茶はうまくもまずくもない.

田山花袋「田舎教師」を読んだ.日露戦争の戦勝で日本中が沸き立つ中,若く無為に病死する田舎教師を描いたもの.戦争の捉え方がけっこう冷静客観的で,かつ哀れで感動的であった.この「田舎教師」を映画化してみるとしよう.江戸から明治に移り変わる帝都東京,日露戦争を CG で再現するのはとてもたいへんそうだが,なかなかおもしろそうだ.

The Cell

The Cell を DVD で借りてきてみた.
VHS ではこの画質は出せないだろうなあ.とてもきれい.
ヨーロッパ映画かと思うくらいシュールな作りだが,
アメリカ人はこういう精神異常とか猟奇殺人のようなものが好きなのかも.
ていうか,エヴァンゲリオンの強い影響を受けているように思うし,
他人の夢の中に入っていくのはドリーム仮面そのものだ.
アメリカの映画監督がドリーム仮面を知っているとすればそれはそれですごいことだと思うが.

なんかネットで調べてみたらドリーム仮面はつい最近復刻されたらしいぞ.
ますますあやしいなあ….