脳内麻薬

多分、私は、脳内麻薬がどばどば出てないとやる気が出ない性格なのだろうと思う。
それはまあ、多かれ少なかれ、どんな人でも同じだと思うのだが、普通の人の場合、
その脳内麻薬というのは、同じことでも割と持続が効いて、
一つのことに対して一年とか三年とかでなく、それこそ二十年とか四十年とか、そのくらい長く、
一つの仕事に興味が持てるのだと思う。
四十年同じことに興味をもてる人は要するに、
定年退職まで一つの仕事に興味を持ちつづけることができるということだ。

しかし私の場合多分三年もすると脳内麻薬の効きが悪くなり、
いろんなことをまぜあわせながらやりくりしても十年とはもたない、のだろうと思う。
つまり、まわりのことがみえなくなるほど没頭できる、集中できるネタをみつけた時は幸せだが、
それは長くは続かない、飽きにも似た、疲れにも似たようなものが、どんどんたまっていき、
関心を失ってしまう。
どんなにおもしろくやりがいがあることでも、先が見えてしまうとやる気をなくしてしまう。
時間がたてばたつほど、同じことをやりつづけることに、非常に大きな努力が必要になってしまうのだ。

やりがいがある仕事とか、おもしろい仕事というのは、純粋に脳の中の生理現象に過ぎない。
理性的に、この仕事には価値があるから、何年間か続けてやっていこう、そういう計画ができないのだ。

客観的に考えて、自分の脳の中では、そのような現象が起きているのだろう。
そう考えるとうまく説明がつくのである。

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