国際問題と国内問題

捕鯨問題にしろ領土問題にしろ、多くの日本人はこれらを国際問題だと考えているが、
実際にはその大半は国内問題なのだ。

国際的な喧嘩になると、日本人の中には、そんなアメリカ様やヨーロッパ先進諸国や、
アジアの隣国ともめるくらいなら譲歩しましょうとよとか、必ず言い出すやつが出てくる。
そのメンタリティは結局は、言うこと聞かない外国がいるなら征伐してしまえ、というものと裏返しなだけだ。

国際問題をきちんとネゴシエートして解決していきましょうというのがめんどくさいだけ、
日本人は日本に閉じこもって外国の面倒に向き合いたくないだけなのだ。

ある女性の中国人の留学生がいた。
彼女は非常に慎ましく穏やかな人だった。
しかし、彼女に連れられて中国本土、とくに彼女の生まれ故郷の町にいくと、
彼女は非常に強い女性になり、
タクシーの運転手と喧嘩しはじめてびっくりした。
しかし彼らの間ではそれは単なる運賃の交渉なのであり、日常茶飯事なのである。
中国人はそうやってけんか腰で自分の民族や多民族と交渉をし、場合によっては武力に訴えることもあるかもしれん。

しかし日本人の場合、たちが悪いのは、
にこにこおとなしそうなのに、
ある譲歩できない限度を超えるといきなりぶち切れて殴りかかってしまうことだ。
そんなに怒っているなら怒っていると最初から言えばいいのだ。

中国人は、或いは中東の人たちなどは、真の国際人だから、
国内問題と国際問題を分ける習慣がそもそもない。

日本人が国内できちんとコンセンサスを取り毅然とした態度で向かえば、
たいていの国はそれを理解して対応してくれる。
日本に対して挑発してくるのは日本の中でしなくても良いのに勝手に譲歩するやつがでてくるからだ。

人口わずかに四百万人のノルウェーですら毅然とした態度で商業捕鯨しているではないか。
あれは国全体が捕鯨で食っていくというコンセンサスがとれているからだ。
日本人は一億人以上いるのにクジラなんて食わなくてもいいとか、
アメリカやオーストラリアから牛肉輸入して食ったほうがうまいとか言い出すやつが大勢いる。
だからつけ込まれるのである。

尖閣諸島とか竹島の問題も捕鯨問題とまったく同じだ。
日本人は日清戦争以来何も学んでいないように思える。

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