百人一首2

小倉百人一首が順徳院でぶつっと切れているのはかなり不自然であって、
心臓に悪い感じ。
やはり順徳院の時代の人が承久の乱に絶望して、作ったものか。
もし後世の偽作だとすると、とてつもなく順徳院に思い入れのある人の作になると思う。

[丸谷才一の新々百人一首](http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/100i/sinsin100.html)
だけど、
これはこれで非常に不満だ。
勅撰21代集あたりの作者を採ってるらしいが、
最後が正徹、心敬、宗祇、肖柏。
この二条派のお坊さん四連発があまりにも強烈で、
泣きたくなる。
かなり偏った選び方で、
人の好きずきと言ってしまえばそれまでなんだが、
少なくとも、
和歌の初学者のために選んだのではない。
お坊さんに和歌が死んだのでお弔いしてもらってる感じ。
王朝和歌へのレクイエム、といったところか。

初心者は幕末維新とか明治時代の歌人から入るとわかりやすいと思うのだが、
中には与謝野晶子みたいなとんでもないのが混じってたり、
すでに変な方向に曲がり始めてたり、
尊皇攘夷思想が強すぎてアレだったりするので、そういうのは除けた方がよい。
私は明治天皇から入ったのだが、
明治天皇の歌は、初心者にはそれなりに骨があるが、
慣れればなんということはない。
ただし明治天皇とか孝明天皇とか吉田松陰とか歌はうまいけどここらをまねるとやはり特有の風味があるので、
ほんとうは最初は除けた方がいいのかもしれない。

となってくると現代人にも理解しやすくてナチュラルな歌人というとやはり、
香川景樹、
小沢蘆庵、
上田秋成あたりが入門しやすいのじゃなかろうか。
堂上でなく、かといって野人でもなく、
江戸時代特有の粋と言うか艶というか優美さがあって、蜀山人のようにふざけてもいない。
江戸後期、幕末の人たちは自然とここらをエントリーにしたのだけど、
私がここにたどり着くにはものすごく時間がかかった。
ほぼ和歌を習得し終えた後だった。

真淵と宣長はあまりにも国学的なので、やはり最初はやらないほうがいい。

古今集から入ろうとか新古今からとか、まして万葉集からというのは論外だわな。

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