売れる本

退院後、職場に復帰するまでの間、つまり自宅療養中に、できるだけ自宅でできる不要不急の仕事を片付けておきたいのだが、
たとえば茂りすぎた鉢植えを整理するとか、自宅サーバのバックアップを取るとか、部屋の模様替えや不要物の整理をするとか。

知り合いで同人作家というのだろうか、イベントとかで同人誌を売って、それで食っている人を同人作家というのであれば、
彼はそうなのだろうが、売るためには中身が面白い必要はなくて、ぱっと見面白そうに思えれば良いのだと言っていたが、
まあ確かに、コミケなどの会場でどのくらい売れるかというのはそういう要素が強いだろうし、実際には書店売りの小説などもみなそうなのだ。
たとえば太宰治の小説の表紙をイケメン俳優の写真入りにするとか。
ただそれだけのことで小説は売れるし、買ったやつも中身を読んでいるとは限らない。
おそらく売れた本の活字の総量に対して実際に読まれた文字数は10%くらいにしかならないのではなかろうか、と言う気もする。

要するに作家として食っていけるかどうかというのは、面白そうだなと思わせて買わせるところまでであり、
中身がほんとうに面白いかどうかはあまり関係ないのだろう。
そうなるとやはり話題性とかプロデュースという要素が大きくなるし、
というより、そもそも、中身がほんとうに面白いかどうか、自分で判断できる人間などほとんど居ないのに違いない。
これは面白いよと言われて、なら読んでみようかと読んでみて、一応頁をめくってみて、字面に目を通すが、ああ、やっぱり面白かったなと考えて、
それでそれ以上判断しない人が圧倒的なのではないか。
完読したからその人が本を読んだとは言えまい。
まじめなやつで自腹で本を買ったやつはそれを全部読むのが当然だと思っているからだ。
出されたご飯を残さず食べる発想と同じ。

だからそれで商売が成り立つ。

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