源氏の長者

Wikipedia には「村上源氏」の所に

> 源氏といえば武家として活躍した清和源氏を想起する人が多いが、公家社会では村上源氏が最高とされていた。

などと書かれ、また、「源氏長者」の項目には、

> 源氏一族全体の氏長者の事を指す。原則として源氏のなかでもっとも官位が高い者が源氏長者となる。源氏のなかでの祭祀、召集、裁判、氏爵の推挙などの諸権利を持つ。

などと書かれている。にわかに信じがたい。
いったい誰が「公家社会では村上源氏が最高とされていた」と言っているのか。
もし、北畠親房が『神皇正統記』などで主張していた、というのであれば、それは単に、
自分自身を「源氏の長者」なるものに祭り上げるための自画自賛に過ぎない。
北畠親房は、清和源氏の八幡太郎義家の流れに対するはげしいライバル意識があった。

「源氏長者」とは「治天の君」などと同様に近世、というより戦後になって作られた概念なのではなかろうか。
「源氏」というのは、たまたま賜姓が「源」だったもと皇族というだけであって、
何か具体的な横のつながりがあったというのは考えにくい。

また、「源氏長者」というものを清和源氏、つまり武家の頼朝、足利氏や徳川氏と切り離して考えること自体、無意味に思える。
そんなことをして、いったい何の意味があるのか。誰が得をするのか。

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