kdp がメインなのは変わらないのだが、kwl と bwi (book walker indies) にも登録した。
kdp でプライスマッチするのが目的なので kwl だけでも良いかと思ったが(というか bwi の存在を知らなかった)、kwl にはいくつか問題がある。
kdp は再出版したり編集したりするとこまめにメイルを送ってくるのだが、
kwl は kwl に登録したときによこしたきりであとはこない。
しかもアップした epub に不具合があると出版停止になるらしく、
停止というより一旦削除されてしまうらしく、アマゾンがそれをみてプライスマッチをやめてしまう。
なぜ正常だったもとのファイルでそのまま出版を継続してくれないか。
非常にはがゆい。
その他とにかくいっぱいいっぱいな感じが伝わってくる。
今のままでは、修正・追記版をアップするたびに不具合で登録削除のおそれがあり、
kdp のプライスマッチが途切れて有料販売になってしまう。

もしかすると kwl だと最新版が常に読めるのかもしれない。
未確認だが。

bwi はも少しまともに対応しているような感じがする。でまあ、
今のところ仕方なく進出した形。

dmm は基本的にはアダルト通販サイトみたいなんで自分のポリシー的には近づかないほうが良さそうだ。

でまあ kdp メインで、無料サンプルは kdp + kwl + bwi という態勢でしばらくやってみる。

これまでは、私は基本的には自分の書きたいものを書いてきた。
そしていつかは私の本を読みたい人が、私の本までたどり着いて読んでくれるんじゃないかと思っていた。
私の読者の総数は世界中で数万人かもしれないし数千人かもしれないが、
たとえばコンスタントに2000部くらい売れりゃそれでいいと思ってた。
だがそのやり方では不十分だってことはこの3、4年でわかった。

私の書いたものはそのままでは全く売れない。
2013年頃売れてたようにみえたのはまだ作者自体が少なく、
なんか新しいものを読もうという読者が相対的に多かったからだ。
需要と供給の関係でいうと、需要も少なかったが供給はもっと少ない状況だったわけだ。

今、電子書籍は普及して需要もふえつつあるが、供給が何十倍かに増えたと思う。
そうすると無料キャンペーンやったくらいじゃ焼け石に水。やっても無駄。というところまできた。

それで多くの作者は、意識してかせずかは知らないが、読者サービスをするようになってきた。
読者が読みたいものを書けばそこそこ売れるってことに気付き始めた。
本が売れるかどうかは基本的にはクオリティではなくて需要である。

マンガが小説より売れる理由は簡単で、絵をかける人は少なく、絵を描くのには時間がかかるから、
自然と供給が制限されるのに対して、
マンガなら読もうかという需要は多い。
需要と供給のバランスでいうとつねに供給不足な状態になるから売れる。
小説は書きたい人が多くて書こうと思えば絵ほど手間はかからない。だからどんどん供給されてしまう。
需要は無いとは言わないがマンガほどはない。だから売れない。

売れる本のパターンも決まってる。エロとバイオレンスである。
それ以外ありようがない。
まったく無名の作者で宣伝もしてないのに、本の中身を読んで買う人がいるはずがない。
ここでもクオリティではなく需要によって売れるのである。
エロとバイオレンスならば読者は無限にいるといってよい。
だから、売り上げも途切れず長く続く。

もしエロとバイオレンスが無ければ、一定の読者に行き渡ればそこでぱたっと売れなくなる。
趣味の読者は有限なのである。
エロとバイオレンスは趣味ではない。
人間に共通の物欲であり、余暇である。
だからそこに餌を投げないと売れない。
昔は紙の本を出版するのは寡占だったから、自然と需要と供給のバランスが保てて、
エロともバイオレンスとも関係ない本がそこそこ売れるように見えたがこれからはそうはいかない。

世の中で、エロやバイオレンスを糾弾して、
戦争や、過労死や自殺、痴情のもつれの殺人なんかを非難しているその人が、
知らんぷりしてそういう小説やマンガを喜んで読んでいるのだ。
そういう構造が透けてみえる。
どうも人間というのは業の深いものだ。
私としては、特に必然性がないかぎり、その世界には入っていかない。

でまあ私が書いている無料サンプル、今のところ『妻が僕を選んだ理由』と『新歌物語』だが、
露骨にエロとかバイオレンスは出てこないものの、読者サービスで書いている。
バイオレンスはともかくとして読む人が読めば十分にエロは感じられるはずだ。
読者サービスに徹しているとはいわないが、万人受けする、老若男女が読んでもそこそこ楽しめる内容にしている。
そこで私の作品を気にいってもらえれば有料本も買ってもらおうというわけだ。

それでまあ、無料サンプルと割り切って今回書いてみたのだが、
私の場合無料サンプルを書くつもりで書いたほうが自分としても面白い作品になるような気もしたので、
今後は少し検討してみる。

私の場合には kdp をハックしている感じだ。
『妻が僕を選んだ理由』はプライスマッチがはずれるまで失速せずにそれなりにダウンロードされていた。
そうすると無料kindle本のランキング上位に浮遊する。
こまめにサブカテゴリーまで見るひとには目立つことになる。
よくよく見ると、ロマンスとか歴史のサブカテゴリーにはほとんど他の本がないから、
ここに無料サンプルを投入することには意義があると思ったわけだ。
『妻が僕を選んだ理由』がロマンスでそこそこうまくいった感があるので、
今度は私の得意分野の歴史ジャンルに『新歌物語』を投入した。

私のもくろみが正しければ『妻が僕を選んだ理由』と『新歌物語』の連携プレイで、
マイナーサブカテゴリーで順位をそこそこキープできて、
新しい読者がときどき kindle unlimited を読みにきてくれるだろう。
そんな戦略、というかハックでいこうと思っている。
それにはプライスマッチがコンスタントに機能していなきゃいけないのに kwl と来た日には。