青木大使

夕刊フジに書いてあったが,日本大使公邸が占拠されたのは日本大使の責任であるから,大使は辞任すべきであるという.外務大臣も辞任すべきであるという.また,同じことは日経の春秋にもちょっとだけ書いてあったが,こちらはどちらかというと同情的である.私は,理由の如何を問わず,また本人が人質になったかどうかも関係なく,大使公邸での事件はつまるところ大使が責任を取るのが筋だと思う.責任者が処分されることによって責任の所在が明らかになることが重要なんであり,そのために責任者は部下よりも余計に給料を貰い名誉も与えられているのであり,それが綱紀粛正ということであり,それが noblesse oblige というこである.青木大使個人がどれだけ頑張ったかとか,サムライだったかどうかとか,そんなことはどうでも良い.いやサムライだったんならなおさら潔く「辞任」し,後世に範を示すべきだろう.

どちらかと言えば日本政府全体がそういうぬるま湯みたいな体質だから起きたとも言える事件ではある.そんなことはもちろんわかり切っている.夕刊フジによれば,例年は用心のため昼間に小規模のパーティを開いていたが,去年は夜盛大に開いたそうだ.誰の指示かは明らかだ.よって国家的信頼の喪失,人的物的被害,数百億円の支出,などなどの結果を生んだ.のんきにパーティを開いて隙を作るとか,重大事件が発生したときに大使が不在だとか大使が遅刻するとか(日米開戦の時),そういう不祥事の再発を防ぐためにも厳しく処分すべきではなかろうか.

追記:
日本大使公邸においてペルー政府が,日本政府または日本政府の全権を委任していると見なされる大使に許可なく軍事行動を起こして,邦人に死者が出た場合,それは本来戦争事由にもなりうる重大事件だ.もちろん,日本がペルーに対して宣戦布告する,ということもあり得る,という意味でだ.橋本龍太郎がブゼンとしていたのも当然だと思う.まあしかしそれは極端な例ではある.帝国主義華やかなりし日のやり方である.今回の場合,日本政府は軍隊も派遣せず,ペルー政府にすべてをまかせていた形になっているので,事後承諾でもやむを得ないだろう(で結局何がいいたいのだ?).

人質が一人死んだのはわざと殺したんだという疑惑が現地の新聞で取り上げられているそうだ.まあ私が独裁者フジモリになり代わって考えてみるに,人質全員無事救出することの方が,やっかいな政敵をどさくさに紛れて殺すよりも,国際世論にも国内世論にも評価され,ずっと自分の独裁体制を固めるのに役に立つんじゃないのかな?だから私はその手の話は信憑性は低いと思う.ただ,軍の影響力がどのくらいあるかというのが不確定要素ではある.フジモリ大統領ではなく,軍の中の一部の勢力の指示かもしれないし,それはあり得るかもしれない.アメリカ政府や日本政府はそのへんを気にしているようだが….

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