いろいろ海外事情をググってみると、
indie なのにペーパーバックも出してたり、ペーパーバックしか出してなかったり、
いろんなパターンがあるのだが、
indie というのは単に個人作家を差すのではなく、
そういう個人作家を支える独立系の出版社があって、
さらにはそういう小さな出版社を支えるクラウドファンディングみたいなものが背景にあるんだろうなと思われる。
日本を見るとまだまだそういう、個人作家と中小出版社とクラウドファンディングの結びつきなどというものはほとんどみられない。
個人作家は kdp で、まさに自費出版と同じような感覚で、本を出している。
自費出版だが、電子媒体なので、kdpという仕組みのおかげで、出版費用はかからず出せている。そんな感覚。
いっぽう紙で自費出版をプロデュースする出版社も旧態依然としている。
素人からむしり取ることしか考えてない。
中小の中堅出版社はいまや社会の激動についていくのに精一杯、
淘汰圧に耐えるのでいっぱいいっぱいで新しいことには手を出せない。
ネットと結びついたいくつかの出版社は成長しているものの、多くのプレイヤーは前世紀から続く大手出版社だ。
著者もまた大手出版社を頼る。
同人作家もいざ商業出版しようとすると、まずは大手で箔を付けたいのだろうが、
いくら搾取されてもそこから独立するのは難しいらしい
(マンガ界の竹熊健太郎とか佐藤秀峰なんかがその先駆かもしれないが)。
大手もよくわからないラノベ部門やラノベ文庫を抱えている。
大手出版社の闇はそうとう深い、と私は思っている。
みんながそこから抜け出したいと思っているはずなのに。
kdp は個人作家や自費出版をプロモートするものではないのかもしれない。
アマゾンが敵対しているのは既存の大手出版と大手流通だ。
そこをすっとばしてインディー出版社を育てる。
インディー出版社はすぐれた個人作家を発掘してプロデュースする。
そういう世界に我々を導こうとしているように思われる。
クラウドだか、或いはある特定のエンジェルだかは知らないが、
欧米にはちゃんとした投資家がいて、インディーを育てている。
きちんとマーケティングして、きちんと装丁して、普通の商業本と同じ体裁で世の中に送り出している。
だがね、日本の書店や流通がそういう本を店先に置いてくれるかな。
まあ、売れりゃ置くに決まってるけどね。