浅草素描

昔世田谷に住んでいた頃にブログのタイトルを世田谷素描としたことがあった。また川越素描というタイトルの小説を書いたこともある。私のブログはいくつもあったのだが「はかもなきこと」というのがメインだったのでしばらく全部「はかもなきこと」にまとめていた。

実は三年前からちょくちょく浅草に通っていたのだが、今回いよいよ浅草に部屋を借りて住むことにした。なんでそんなことをしているのかということについてはごく個人的なことになるので書かないけど、上野でもなく入谷でもなく鶯谷でもなく三ノ輪でも南千住でも深川でも向島でもなくて浅草にしたのは結局浅草をピンポイントに、もう少し詳しく知りたい、実際に住んでみて理解を深めたいと思うからである。

私が生まれ育ったのは長崎だがその後大学受験に失敗し一浪して京都に住んでいた。その後東京に出て、まず文京区に住み、次に大田区に住み、次に世田谷区の三軒茶屋に住み、さらに世田谷区世田谷に住んだ。そこから今度は板橋区に移って、また世田谷に戻ってきて、その後は町田の辺りに住んでいた。

東急線沿線には馴染がありつつ小田急線沿線にシフトし、中央線沿線に若干の憧れもあったのだが中野の辺りに部屋を借りてしばらく住んでみて、まあ私には中央線はあまり合わないなと思った。小田急や井の頭線なども自分には合ってない気がしていた。東武東上線沿線民だったこともあるが割と好きだった。そうしてみると、ずっと東京の西側ばかり住んでいて、東側には疎かったのだが、浅草は、奈良や京都や鎌倉ほどではないけれどもその歴史の厚みにはなかなか侮れないものがある。家康からだと四百年、太田道灌からだと五百年くらいの歴史がある。後北条氏の時代もある。最初はなんかチャラい街だと思ってたが、それなりに趣きがあるというか。定年退職まであと六年、それ以後はあちこち転居することもあるまいからと思い切って浅草に住んでみることにした。

それでブログタイトルを浅草素描にしてみたというわけだ。

Visited 7 times, 1 visit(s) today

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA