落語の枕で、江戸には三社祭、神田祭、山王祭の、江戸三大祭りというものがあって、神田祭と山王祭は将軍家が御覧になったので、天下祭りと言った、などと言う。山王というのは赤坂の日枝神社のことだろうが、浅草の三社祭だけ徳川将軍が関わらなかったなどということはあり得まい。他に鳥越神社でも鳥越の夜祭りというものがあるらしいが、浅草の人たちはわざわざ神田明神や鳥越神社まで行くこともなく良くは知らぬという。
松屋浅草に町会の印半天が展示してあったのだが、これがいくらオーダーメイドだって20万も30万円もするはずはあるまい。町会ごとに何百着とまとめて注文するのだろうから、せいぜい1着1万円程度のものではあるまいか。やはり町会が町の住人に貸し出して、洗濯して返すことになっているのだが、洗濯して返さなかったり、そもそも戻ってこなかったりして数が減っていくのであろう。そりゃそうだ、100着貸したら毎年1着や2着は紛失するだろう。

店も祭りの間は親戚に貸したりして、祭りだから人がおおぜいくるのは当然で居場所が無いから、つてがあればそうした家を休憩所にしたり宿泊所にしたりするのだろう。道にもブルーシートを敷いて地べたに座って酒を飲んだり神輿を担いだりする、金曜と土曜は町会の神輿、日曜は浅草神社の神輿が出る、なんでも80万人くらいが来るという。厚木で相模川で花火が上がるときは60万人くらい来るというが、けっこうな人出だった。あれより多いんだから相当なものだ。ユーチューブなんかで三社祭りの映像などみると、なるほどこれは見てるだけではそんな面白おかしいものではない。山鉾とか山車とかだんじりとかねぶたみたいなでかいものを引き回すのでなくて、町会ごとに持ってる神輿を担ぎ、その町の数がやたらと多い、というのが浅草の祭りの特徴なのだろう。だから実際に参加して神輿を担いでみなくては面白くはなさそうだ。

土曜日は町会ごとに神輿を担ぐ(町内神輿連合渡御)のだろう。日曜日は、三社、つまり浅草神社内の一宮、二宮、三宮の神輿を町会で分担して担ぐ(本社神輿各町渡御)、というだんどりなのだろう。うん。だんだんわかってきたぞ。部外者にわかりやすく解説した記事はなかなか見当たらんようだ。浅草に住んでいる人もあんま気にしていないのだろう。
一之宮には土師真中知命、二之宮には檜前浜成命、三之宮には檜前竹成命。この人たちって観音像を掘り出して浅草寺を作った地元の人たちなんだよね?その人たちを浅草神社のご神体にしている。なんかすごい。もとは徳川家光が寄進した国宝の神輿もあったが戦災で焼失。七基あったがいったん全て焼失し、戦後町会から寄進されて三つになったのかー。
それはそうと、今時の敷き布団カバーは裏側がなくて上にかぶせるだけのものばかりで、しかもそんなに安くはない。昔は敷き布団全体をすっぽり包んでしまうようなものしかなかった。そういう昔ながらの布団カバーはイトーヨーカドーに行けばあるだろうと思い、曳舟のイトーヨーカドーに行くついでに東向島の東武博物館にも行ってみることにした。入場料200円でまあまあ面白かった。東武の株を買いたい気持ちにはなった。日光には行ったことがあるが赤木には行ったことがない。昔、東上線沿線に住んでいたんだがしかし四年ばかりで引っ越してしまったのでまだそれほどあちこち巡ってみたわけでもない。北関東というのはずいぶん広いから浅草に部屋を借りている間に見て回るのは難しそうだななんてことを考えた。



曳舟のイトーヨーカドーは布団売り場もおしゃれになってしまっていて西川の布団カバーしか置いてない。無印、ニトリにも行ってみたが、私が欲しいものはなかった。それで浅草に三平ストアという昔ながらの独立系のスーパーがある。その二階にサンキというそれっぽい衣料品店があるからそこならありそうだと思って行ってみたら当たりだった。999円で売っていた。この手のスーパーや衣料品店は昔はいくらでもあった。新中野の鍋屋横町にもいくつもあったがどんどん潰れて、サミットだけになってしまった。多少は残っていてもらわなくては困る。