南朝で編纂された新葉和歌集がかなりおもしろい。特に後村上天皇の歌が力が入っててすごくおもしろい。
高御座 とばりかかげて 橿原の 宮の昔も しるき春かな
あはれ早や 浪収まりて 和歌の浦に 磨ける玉を 拾ふ世もがな
四つの海 波も収まる 徴しとて 三つの宝を 身にぞ伝ふる
南朝は、宮廷の貴族なども少なくて、明治になってから正統とされたからそれまでにきちんと記録に残らなかったことも多いのだろう。後醍醐天皇の皇子らの名前の読みが曖昧なのも、親王でよくわらかない人が居るのもそのためなのかもしれん。
幕末や維新までくだってきたならともかく、天皇が、「橿原の宮」や「三種の神器」を和歌に詠むというのはかなり異色だ。三つめの歌などは、明治天皇御製
四方の海みなはらからと思う世になど波風の立ち騒ぐらむ
を思わせる。おそらく関連はあるのだろう。
今なら岩波文庫版が新品で買えるようだ。確保しておくか。
Visited 44 times, 1 visit(s) today