そえだ信『天気予報は今夜もはずれ』

まあ、面白い。
お金払ってもいいかなと思わせるレベル。
だが、短編をそのまま有料にすると割高感はあるかも。

ネットで検索するとファンタジーかミステリー系の新人賞の選考に何度か残っているようだ。
どんどん kdp で出していただきたい。
確実に読みます。
表紙の絵もなんか意味ありげ。

以下、ややネタバレあります。
タクシー運転手のモノローグで通す、という形式は、うーん、たぶん皆無ではないと思う。
恋愛シミュレーションゲームのいわゆる「二人称視点」というやつがそうだ。
作品の中にも書いてあるようにこれが Youtube 動画とかニコ動的なものをそのまま文章にした、というのは、少し新鮮かもしれない。
私小説っぽい出だしでだんだんにミステリー小説になっていく、というのもおもしろい技巧。
ただまあ、一発ネタだよね。
なんだミステリーオチかという気もした。
構成が巧んでいる割には、アリバイの謎解きがありきたりな気がする。
ここまで凝ったんだから、ついでにもっとこってりしたミステリーものにすれば良かったのではなかろうか。

ミステリーというのは問題提起して読者に推理させながら謎解きしていくというわけで、
一つのパターンにはまっているから読者も安心して読める。
いわば、センター入試の筆記試験みたいなもんじゃん。
小説をその枠にはめるというのがね。
すこし抵抗があるんだが、半七読んだせいで、たまにはそゆのも書いてみようかなという気もしてきた。
私としては、推理モノなのか歴史物なのか恋愛ものなのかゆらいでる感じなのが好き。
世間一般のジャンル分けに抵抗してみたくなる感じ。
一箇所にとどまりたくない。

『紫峰軒』まだ無料で読めますので是非。

追記。タイトルは中島みゆきの歌に由来しているのか。

kindleランキング

[kindleの無料ランキング上位](http://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/digital-text/ref=zg_bs_nav_0)が青空文庫とかだとお上品でよろしかったのだが、
最近はアダルトとか裏事情系の本が上位に来だして、一気に雰囲気悪くなってきた。
さもなくば自己啓発本とかね。無料PR誌的なね。
同一人物が複数の筆名で書いてる匂いもする。
まあそういう特に悪質なやつはアマゾンさんがbanするとは思うが。
ぎりぎりのところを狙ってくるよね。
つまりまずアダルト(R18)なコンテンツを作っておきそれは有料にする。
R18で無い部分だけ抽出して同じタイトルで無料コンテンツを作る。
それで有料コンテンツに誘導する。

まーそういうものも含めてkindleコンテンツが充実して読者が増えてくれた方が良いとも言えなくもないが、
こんなところに一緒に並べられたくない胆刷る。
私一人ならともかく誰かを共著で巻き込むのはためらわれる。
もう少しようすを見るべきか。
健全に育ってね。

ていうか無料キャンペーンの配布数も頭打ちで、
どうやらすでに固定客数の上限が見えてきたような胆刷る。
今後どうしましょうかねえ。

江戸時代の法律

やはり半七捕物帳を読んでいて思ったのだが、
江戸時代の法律とか罰則というのは、江戸初期に作られたもので、
戦国の世に合わせた非常に厳しいものだったが、
世の中が太平になってくるとだんだん実情に合わず、過酷すぎるようになってきた。

部下が処罰されればその上司もみな罰せられる。
家族の中に一人罪人が出ると家族全部が罰せられる。
必要とされる以上に刑罰が厳しいと、
社会全体が隠蔽体質になり、事なかれ主義になり、社会ぐるみで真実を隠すようになって、真相が判明しにくくなり、
事件解決の妨げになる。
或いは犯罪が余計に巧妙になり、やはり真相を見えにくくしてしまう。

ほんとはいろんな犯罪や疑獄が起きているのだが、
それが表面化しない。
法律が法律として機能しなくなり、
何事も情実で裁かれるようになり、
裏社会が発達し、表社会が腐っていく。

つまりまあ、重すぎる罰則は社会のためにも、犯罪抑止のためにもならん、ということですわな。

アメリカの禁酒法みたいなもんだな。

訂正

物語を時系列に書いてないもんだから、
後から読み直してみると、
前後がつじつまあわないことが発覚したりする。

石油ストーブの側で綿入れ半纏を着て着ぶくれした子供、
つまりこれは冬の寒い頃の光景なのだが、
話の流れ的にはどうしても梅雨時か初夏でなくてはならない。
こっそり書き直した。

「完成度は高いはず」などといっときながら、ちょこちょこ書きかえる。
なんかこんな作業を永遠に続けなくちゃならない気がしてきた。

設定資料なんかをまず書いてから書き始めるべきなんだけどね。

心臓検査

心臓の超音波エコーの結果が出たのだが、収縮率が63.5%で、
正常値が 60-80 なので、もうすでに正常値になった。
前回は 52%くらい。
その前は 35%くらいだったから、順調に回復している。
心電図も血液検査の結果も正常。
血圧も、その他もろもろ全部正常。
病気になる前に戻った、というかたぶん、病気になる前よりも回復していると思う。

そうすると心房細動のために飲んでいたワーファリンは次回の検診の後飲まなくて済むようになると思う。
納豆が食えるようになる。
ほぼ常人と同じ生活に戻れる。
たぶん利尿剤も飲まなくなると思う。

他の薬は飲み続けねばならないし定期的に検査は受けなきゃならないけど。
アーチスト(心臓を休ませる薬)と、アンカロン(不整脈止める薬)。
アーチストは飲み続けなくてはならんのかしれんが、
アンカロンはもういいんじゃないかと思うが、
まあお医者さんの言うとおりにする。

ミステリー

ネットぐるぐるしてたら[「将軍家の仲人」のレビュー](http://book.akahoshitakuya.com/b/B00BAE2OZE)
を見付けた。
すごくちゃんと読んでくれていて嬉しい。

一応、補足しておくけど、新井白石が家継の仲人になったという史実は確認されてない。
少なくとも私が調べた範囲ではない。
でも白石が仲人役をやった可能性は高い。
白石でなければ京都所司代がやったかもしれないし、
近衛基煕が自ら霊元院に働きかけた可能性もある。
そんな史実が残っていればそれを利用するが、
undefined ならそこをフィクションで都合の良いようにおぎなって小説に仕立てる。
近衛基煕の日記とかにすでに記載されているおそれもある。
私はそこまで一次資料に当たって書いているわけではない。

白石と喜世が懇意だったという証拠もない。
ここもフィクション。
間部詮房が代々甲斐の地侍の家柄だったという設定も、フィクション。
私の歴史小説の書き方はだいたいいつもそんな感じ。
宮将軍説にしてもこれは私独自の解釈なんだけど、
他の歴史小説にも独自解釈を必ず盛り込んでいる。
それをフィクションというか論説とみるかはともかく。
どこがフィクションでどこか史実かを見分けるくらい深読みしてくれると作者としては非常に嬉しい。

小説には書かれてないけど、史実では、家継と皇女八十宮の婚姻は家継が死んで実現しなかった。
息子夫婦と京都見物できなくて喜世も悲しんだだろう。
でもそこまで書くと野暮だから書いてない。
ていうかむしろわざと書かない。
「エウメネス」もスーサの合同結婚式やアレクサンドロス大王がバビロンで即位するとか、
エウメネスがディアドコイ戦争の将軍の一人になるとかアパマがセレウコスと結婚するとか、
などということはわざと書かない。
写真の一部を切り抜くようにして作品密度を高めるという手法。
一種のモンタージュ手法?
印象的な部分だけ残してつないで後は捨てる。

「紫峰軒」も無料配布数があまり伸びずにやきもきしていたが、
だいたいいつもどおりくらい読まれているようなので安心した。
目立つことはやはり必要だ。

自分で挿絵や表紙を書かず知り合いに頼んで共著で出すことを考えている。
表紙の絵で引きつけるのは重要だと思う。

今は、半七捕物帳をヒントにした推理小説を書こうかと考えている。
今の時代、一番売れるのはやはりミステリーか推理小説。
さもなくばファンタジー。
歴史物は、一部にファンが居るとしても数は出ない。
岡本綺堂は西洋のミステリーものを輸入しながら、
それを明治、大正ではなく一つ前の江戸時代に応用した。
歴史物語として読んでも面白い。
私の主な守備範囲は、たぶん、道長から義政くらいまでの日本史、
もしくはイタリアから東ローマかペルシャとかなんで、
そのへんをネタにミステリーを書いてみたい。

たとえば「源平捕物帖」みたいな(笑)。
知識がなくても楽しめて、知識があればなお面白いみたいなのにしたい。
ミステリーとは言ってないが「紫峰軒」「将軍家の仲人」「安藤レイ」「超ヒモ理論」なんかは一種の推理小説なんで、
書けないことはない気がしてきた。
どういう結末になるか読者に推理させる小説って、広い意味で推理小説だよね。
そこに事件とか探偵とか警部とか岡っ引きとか同心とかが出てくるといわゆるシャーロックホームズ由来の定石踏んだミステリーになるわけだが、
武士にも検非違使とか兵衛とか北面の武士とか京都勤番とかいるわけだから、
そこらで適当にミステリー仕立てにできると思う。
たぶんまだほとんどやられてないと思う。
前例あるんかな。

つか、まずミステリー小説新人賞とかに応募してみるとか。

両国

[半七捕物帳02 石灯籠](http://www.aozora.gr.jp/cards/000082/card4641.html)
を読んでいて気がついたのだが、
今両国国技館があり両国駅があるところは江戸時代には「向こう両国」と言っていた。
普通両国とか両国広小路などというのは、
神田川が隅田川に合流するあたり、
柳橋と両国橋に挟まれたあたりをいうのである。

kdp戦略

ほんの1、2週間前までは無料ベストセラーに「ブラックジャックによろしく」が並んでいたのだが、
今はまったく見かけない。
有料ベストセラーで「限界集落温泉」がトップに来たのも一瞬だった。

ここからえられる結論は、とにかく電子書籍は最初出たときしか売れないし目立たない。
一度埋もれてしまったら二度と売れない。
ということになる。

すでに広報が行き届いているコンテンツに関してはそうかもしれんが、
逆に、
広報をまったくやらない、口コミや評判によって知られていくコンテンツの場合には、
も少し緩やかに売れていくのじゃないかと思う。

で、私のところの場合、無料キャンペーンを一つずつやると、
それが一瞬目立つ。
それを見に来たひとがついでに有料のものも買う。
ということを繰り返すしかない。
そんで、固定客というかファンは絶対必要なんだなという気がしてきた。
固定ファンが付けば彼らがネットで広報の代わりになってくれるからだ。

となると、それなりに面白いコンテンツをある程度の数そろえておいて、
たまに新作も投入するなどして、
新規の客も無料キャンペーンでこつこつつかんでいく、
粘り強く固定ファンが付くのを待つ、
という戦略しかないのではないかと思う。

ただ目立っているだけでしょうも無い無料コンテンツが上位に居続けているのを見るが、
逆の言い方をすれば目立てば読む人は絶えないということだろう。
どうやって目立たせるか。

ラノベというのは基本子供向けであり、
その大人向けはBLみたいなものであり、
あるいは画像付きのアダルトコンテンツみたいなものなわけだが、
挿絵付の中年向けのラノベ(?)にまだ開拓の余地があると思っている。
「スース」とか「超ヒモ理論」とかはそういうつもりで書いたものだ。
も少し時間かけて、挿絵をもっとちゃんと描いてから、kdpで出そうと思う。
さらにも少し時間をかけて「アルプスの少女デーテ」も出す。
たぶんこのあたりが売れ線なんじゃないかと思うんだが。
もちろん文章だけで読ますコンテンツも書いていくつもりだが、
何かキャッチーなものはあった方がよい。
表紙とサンプルでダウンロードされるページにもう一つくらい。
あと中に五つくらい入れればいいかな。
絵を描くのも元来嫌いではないのでそっちの方で少しがんばってみる。
なんかだんだんピュアにkdpだけで売れるコンテンツを作るには、みたいな方向に関心が向かいつつある。

kindleベストセラー

ものすごくじわっとだが、売れ続けている。
この先どうなるかわからんが少しは夢見ても良いのかもしれん。

『ノーファインダー』だが、しばらく読んでいるとスカイツリーの話題が出てきてどうやら 2010年くらいが話の舞台らしい。
作者は40代半ばくらいか?
となるとほぼ私と同年代、小説を書き始めた動機も同じ?などと思えなくもない。
文章は非常に書き慣れていてほとんどまったく破綻がない。
一気にさっと書いてる感じがする。
そりゃまあ他人の文章だからそう感じるだけかもしれん。
私の場合書いてる途中でプロットが変わったり人称変わったり順序入れ替えたりするので、
ある程度落ち着いた後でもいろいろ修正しないとまともな文章になってくれない。
落ち着くところに落ち着くまで数年かかる、ような気がする。

次は『紫峰軒』を無料キャンペーンする。
これはたぶん完成度は高いと思う。短いし。
現代小説だが、昭和五十年頃を回想する話なのでプチ歴史小説とも言える。
徳川幕府が駿府藩に転封する、という小説を書こうかと思ってたのをこいつにまるごと突っ込んでいるので、
なんとなく歴史小説の匂いもする。
そうね、なんとなく歴史小説の匂いのする現代小説、と言うこともできるかね。
田舎は砂利道、桑畑が広がり、飲み屋といえば屋台くらいしかなかった時代、
藁葺き屋根の農家を改造した、8トラックのカラオケスナックが出来始めた頃のノスタルジーみたいのを書きたかったわけ。それだけ。
昭和三十年代のノスタルジーものってけっこうある気がするが、五十年代はまだちと近すぎて書かれたものがあんまりないよね。
ていうか当時書かれた風俗小説が腐るほどあるからそれを読んでもいいのかもしれんが、
現代の視点で書かれた、しょんべんくさい、戦後昭和末期的な。

てか半七の作者の岡本綺堂が、麹町に茶畑とか桑畑があったって書いてた。
幕府や武家屋敷が退いた後の明治時代の話。
薬草なんかも栽培しててそれで元園町という名前になったとか。
今の半蔵門駅のあたり。
元園町なんて地名はもう残ってない。

[kindleベストセラー](http://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/digital-text/2275256051/ref=sv_kinc_2)
をチェックするのが日課のようなものなんだが、
マンガが top100 にほとんどない。
kindle は画像だけでできてる写真集や漫画などのコンテンツには向いてない。
日本は漫画じゃないと電子書籍が売れない、と言われていたわけだが、
kindle ユーザーは必ずしもそこにこだわってない、てことが言えるのではないか。
まー、私も最初は「限界集落温泉」(有料)とか「ブラックジャックによろしく」(無料)とか買いましたけど。
それからなんかしょうもない無料の写真集も落としてみたけど。
こういう画像コンテンツを読むためのデバイスじゃあないよね、kindle は。
どちらかといえば青空文庫なんかテキストベースの軽いコンテンツを電車の移動時間中などに手軽に読むもんだよね。
有料のラノベが上位に来てるのはわかる。
テキストメインでたまに画像ね。わかるわかる。
あとは、自己啓発本とかビジネス本、英会話本。
これもわかりやすい。

そのほか。よくわらかん個人のブログみたいのをそのままkindle本にしたようなもの。
これは痛い。
でもしょうがない。それが kdp ってもんでしょ。

やっぱね、需要というのは漫画だけじゃないんですよ。
さくっと活字が読みたい人もたくさんいるわけですよ。
アマゾンのユーザーには普通に活字の本(新書とか)読む人がもともとたくさんいるのだと思う。
今まで電子書籍は漫画であると、漫画じゃなけりゃ売れないという既成概念はね、やっぱ間違ってたんじゃないかな。
極めて健全な方向性だと思う。

kindle本がほとんど売れてないだけかもしれんけど。
「伝え方が9割」ってやつもまだ100とかしか売れてないらしい。
100じゃあねえ。
でも将来はどうかわからんよ。今は過渡期だからなあ。

アナン『ノーファインダー』

どこからでてきたのかわからない、ネットで検索してもみつからないが、おそらくまともなライター、
新聞社勤務かなにかの人が書いたものだろう。
まだ途中までしか読んでないが、非常に面白い。

話の内容と、ネットに全然ひっかからないことから、ずいぶん古い紙の時代のものの復刻ではないかと思う。
たとえば著者はすでになくなっていてその遺族がアップしているとか、そんな感じ。

たぶん今から五十年前のカメラマンって仕事は今のCGクリエイターみたいなもんだよな。
すごく稀少な技術者だった。

まてよ、有料の本の書評書いた方が、少しは儲かるんじゃないか。
図書館で借りてくるか(笑)
賃金として考えりゃ安いもんだわな。

思うに、パブーにも読者がいないわけではなかったが、
ほとんど売れなかったのは、
パブーでお金を払うのには面倒な手間があったからだ。
アマゾンを見に来る人は多い上に普段からポチり馴れている。
アマゾンのユーザーというのは、ふだんからネットで買い物をするのに馴れている人、ということだ。
そういうところに本を並べておけば、
たくさんの人の目に触れてたまには買ってくれる人もいる。

それに紙の中古だとアマゾン以外に古書店がいてたいてい別に郵送料がかかり、届くまでに時間がかかるじゃん。
kindle だとポチったらすぐに読める。
これは便利だわな。

アンドロイドのスマホ、つまり google play のユーザーではどうだろうか。
人は多いだろうが、たいてい無料で済ますのではなかろうか。
よくわからん。
いずれにしても他の買い物をしたことがあるひとは割と気軽に別の買い物もできるわけだ。

将軍放浪記も将軍の仲人にしてもいままで一度も売れなかったのに、
川越素描を無料キャンペーンにした巻き添えでちょこっと売れた。
すごいなあと思う。