エウメネス」カテゴリーアーカイブ

あほなAIにあほなマーケティング

最近、エウメネスの売り上げが落ちてきているのだがこれにはいろいろ思い当たるふしがある。 私の小説の中でエウメネスだけが割と読まれていた。それほどの収益にはならないが、売れ続けているということで、書き続けよう、完結させようという気にさせてくれた。 なぜエウメネスだけが売れ他は売れないかというからくりにはもうとっくに気づいている。「ヒストリエ」というマンガがあり、その主人公がエウメネスで、エウメネスについてもっと知りたいという人がネットかアマゾンで検索すると割と上位に私の小説がでてきて、それで読まれていたというわけだ。私がエウメネスを書いたのはいつだったかこまかなことはすぐには思い出せないが、エウメネス1をkindleで出したのは2013年。つまりkindleが始まってすぐに出したわけだが、この頃はエウメネスに関して書かれた書物はほぼなかったから、自然と私の小説が読まれることになったわけだ。 私は別に「ヒストリエ」を意識して、ましてやそのマーケティングに乗っかろうと思って「エウメネス」を書いたわけではない。逆に、なぜ「エウメネス」だけ売れるのか調べていて「ヒストリエ」の存在、というか内容を知ったのである。「ヒストリエ」がなければ私の小説が読まれているはずがない。内心忸怩たる思いはありつつ、しかしもしかしたらごく一部の人は私の小説を愛好してくれているかもしれない、「ヒストリエ」をきっかけ… 続きを読む »

エウメネス

エウメネス6は未だに全く読まれないのに、エウメネス1はちょこちょこ読まれるという現象が続いている。 とりあえず今後私にできることはエウメネス1の文章をできるだけ磨くことくらいだと思われる。 改めて読んでみるとまだ誤字があるのには驚かされる。 一太郎からWordに変換したことによって、いままで気づかなかった誤字が見つかるようになった。 人間の知覚は不思議なものだ。なぜ今までわからなかったのだろう。

エウメネス

エウメネスを新人賞に応募したのが 2012年12月。落ちたので kindle で出したのが 2013年。 その後なぜかエウメネスばかりが売れるようになり、といっても大したことはないのだが、他のはだいたい出して少し読まれたら失速していくんだが、エウメネスだけはぽつぽつ買われてて、続編が読みたいというレビューもあったんで、続編を書いた。それでエウメネス2とエウメネス3を出したのが 2016年6月とか7月。 おそらくは『ヒストリエ』の副読本もしくは世界史の勉強のために読まれているのだろうと思う。それ以外あまり理由がおもいつかない。 それからエウメネス4とエウメネス5を出したのが2017年の8月とか11月。このへんからかなりフィクションを交えて膨らますようにした。というより、イッソス、ガウガメラあたりまでは勢いでかけるのだが、そこから先はエピソードを羅列しただけでは書きようがなく、フィクションで補間しないと話として成立しない。ペルシャがまたよくわからない。少なくとも日本語の文献だけではほとんど何もわからず、日本人にも感心が薄いところ。でも、ペルシャを書かねばアレクサンドロスは書けないのだから、書けるようになるまでずっと構想を練っていた。それでやっと完結編エウメネス6を書けたのが 2021年8月。 アレクサンドロスの死やディアドコイ戦争については書く気はもともとなかったので、これでおしまい。… 続きを読む »

エウメネス再考

10年以上続けてみないと見えてこないものはあるわけで。2013年にkdpで『エウメネス』を出して、以来、なぜか私が書いたものの中で『エウメネス』だけが読まれ続けていて、なぜかなと思って調べてみると、エウメネスを主人公とする漫画『ヒストリエ』があり、ああ、『ヒストリエ』を読んだ人がついでに私の小説にも興味を示して読んでくれているのだろう、とそのときは納得していた。そのままずっとそれで納得してたのだが、最近は、必ずしもそれだけじゃないんじゃないかと思い始めた。私が書いたもので比較的継続して読まれているものには、カクヨムで出している『伊勢物語』がある。この『伊勢物語』と『エウメネス』に共通しているのはどちらも娯楽ものというよりは教養ものという性質の読み物であるということ、学習参考書的な性質を持っているということだと思う。思うに、『ヒストリエ』を読んでアレクサンドロス大王に初めて興味を持った、という人はおおぜいいるに違いないが、そうでなくとも、アレクサンドロス大王に興味を持つ人はいるに違いない。世界史を学んでいて、『ヒストリエ』を参考にしようとしても、『ヒストリエ』は時代考証的にはかなり怪しいので、楽しみながら読めてもう少し役に立つ読み物はないかと探すと『エウメネス』にたどり着くのではないか。あとはやはり、アマゾンでポジティブなレビューがついているのはやはり大きく、ときどきランキングで浮上… 続きを読む »

メガス・バスィレウス

『エウメネス』の一番初期の草稿を読んでみたのだが、まず、タイトルが『エウメネス』ではなく『メガス・バスィレウス(大王)』になっていて、一人称ではなく三人称になっていて、エウメネスではなくて、アテナイ出身の貴族ニコクラテスという人が主人公になっている。いやそもそもこのニコクラテスなる人物は主人公というほどでもなく、王の次くらいに主要な登場人物というにすぎない。 アマストリーもまだ出てこない。 拙い、5000字足らずの草稿のようなものだが、『エウメネス』のエッセンスはとりあえず最初からここにそろってる。沙漠の話しかしてない。アリアッノスの『東征記』を読んで一番面白かった箇所を抜き出して小説風に脚色しただけ。これを多少膨らまして中編小説としてどこかの新人賞に応募したが、何の反応もなかった。 ※追記: 今は全6巻、文字数は、1巻平均10万字として、50万字は軽く超えてるだろう。よくまあ書いたものだ。もはや自分でも読もうと思っても読めないくらい長い。 以下にその最初期の草稿全文を公開する。 メガス・バスィレウス 田中久三 アフガンの山岳地帯を抜け、ペルセポリスへ向かう途中に、ペルシャ高原でも一番に過酷な砂漠が横たわっている。その東半分は塩の平原。太古の昔、カスピ海やアラル海のような、閉ざされた塩辛い海が広がっていたのだろう。さらに西へ進めば、砂の砂漠。塩と砂の他には、不毛の岩山がそびえている… 続きを読む »

エウメネス

『エウメネス』を最初書いたときは、アリアッノスの『アナバシス』しか読んでなかった。 その中の名場面を切り抜いて一本にして、それ以外を書く気はなかった。 連載ものにしたのは、続編が読みたいというレビューが書き込まれていたためでもあるし、 また、『エウメネス』が良く売れるので、一から書いてみようかという気になったのだ。 それで、アレクサンドロスの東征の開始からイッソスの戦いまでを書いてみようとして、これは一本では書き切れないってことがわかって、 二本にわけた。 もともと出してたやつを『エウメネス1 ゲドロシア紀行』とし、 つづいて『エウメネス2 グラニコス川の戦い』、『エウメネス3 イッソスの戦い』としたのだった。 『エウメネス4』と『エウメネス5』では、それまでと違って、 アレクサンドロスの金魚の糞みたいな位置づけだったエウメネスを単独行動させてみた。 わざとアレクサンドロスを登場させず、アレクサンドロスの三人称視点としてのエウメネスを独立させて、 一人称視点のエウメネスを書くことにしたわけだ。 ついでにカッサンドロスやセレウコスなどの若者も登場させてみた。 『エウメネス』シリーズはすべて一人称視点で書かれているのだが、 一箇所だけ、イッソスの戦いでダレイオス三世が敗走するところだけ、 ダレイオスの一人称視点で書いてある。 というか、エウメネスでもダレイオスでもない三人称視点のような… 続きを読む »