実朝

投稿者: | 2010年1月1日

とにかくにあればありける世にしあれば無しとてもなき世をもふるかも

あふひ草かづらにかけてちはやぶる賀茂の祭を練るや誰か子ぞ

八百よろづよもの神たちあつまれり高天の原にきき高くして

神風やあさひの宮の宮うつしかげのどかなる世にこそありけれ

端垣の久しき世よりゆふだすきかけし心は神ぞ知るらむ

ひなざかるこしの国辺にありしかば奈良の都も知らずになりにき

われのみぞ悲しとは思ふ波の寄る山の額に雪の降れれば

夕月夜おぼつかなきを雲間よりほのかに見えしそれかあらぬか

老いぬれば年の暮れゆくたびごとに我が身ひとつと思ほゆるかな

桜花咲きてむなしく散りにけり吉野の山はただ春の風

あづさ弓いそべにたてる一つ松あなつれづれげ友なしにして

道遠し腰はふたへにかがまれり杖にすがりてぞここまでもくる

歎きわび世をそむくべき方知らず吉野の奥も住みうしといへり

いづくにて世をば尽くさむ菅原や伏見の里も荒れぬといふものを

ひむがしの国にわがをれば朝日さすはこやの山のかげとなりにき

わが国のやまとしまねの神たちを今日のみそぎに手向けつるかな

身に積もる罪やいかなる罪ならむ今朝降る雪とともに消ななむ

神と言ひ仏と言ふも世の中の人の心のほかのものかは

見てのみぞおどろかれぬるぬばたまの夢かと思ひし春の残れる

空や海うみや空ともえぞわかぬ霞も浪もたちみちにつつ

はかなくて今宵明けなば行く年の思ひ出もなき春にや逢はなむ

世の中は鏡にうつるかげにあれやあるにもあらずなきにもあらず

ちぶさ吸ふまだいとけなきみどりごとともに泣きぬる年の暮かな

神風や朝日の宮の宮うつしかげのどかなる世にこそありけれ

かくてのみありてはかなき世の中を憂しとやいはむあはれとやいはむ

いとほしや見るに涙もとどまらず親もなき子の母をたづぬる

物いはぬ四方のけだものすらだにもあはれなるかな親の子を思ふ

たづのゐる長柄の浜のはまかぜによろづ代かけて波ぞ寄すなる

今朝みれば山も霞みてひさかたの天の原より春は来にけり

黄金掘るみちのくの山にたつ民の命も知らぬ恋ひもするかも

山は裂け海はあせなむ世なりとも君にふたごころわがあらめやも

なんかすげー歌。甲斐バンドのヒーローみたいだな。
ていうか実朝天才。
実朝は武家の棟梁だったから公家には忌み嫌われていて評価が低いんだな。
すげーよまじで。
万葉集をむさぼり読んだというが、その影響も見える罠。

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