書籍販売のビジネスモデル

投稿者: | 2013年3月15日

Google Reader から Bloglines に避難したが、
避難先の方が居心地が良かったでござる。

それはそうと、
今 KDP はまだガラガラにすいていて、
検索かければ割とすぐみつかるけど、
その分人も余りいない。
いつか見た光景だなと思ったらWebの初期がちょうどこんなかんじだった。
日記がよみたきゃ日記のサイトに行けばよく、
そこには割と面白いコンテンツが濃縮されていたものだ。
だが、誰もがblogを書くようになり、個人は埋没していき、
やがてblogも飽きられて、SNSに引っ越していく。

でまあ誰も読んでないだろうから書くが、
今後のビジネスモデル(笑)的に考えると、
KDPもそのうちいろんな人がわらわらと有料、無料の書籍を出版するようになって、
普通の本では目立てなくなる。埋没する。
今まで無料でblogに書いてたようなことを無料のKDPにしてはどうかとも思うが、
そんなことは誰でも考えつくこと。
(素人にとって)書きやすさの順に言えば、
SNS、blog, KDP だろうし、blog ですら書かない人が、
わざわざ書きにくい KDP までやるかというとあんまりやらない気もする。

でまあ、blog と KDP の違いは、
blog は基本的に無料であり広告貼るくらいしか収入の方法がない。
KDP は同じ著者名で無料コンテンツと有料(DRM)コンテンツを混在させることができる。
この、コンテンツ検索可能でかつ無料と有料の境界部分というものが、
ビジネスモデルというものだろう。
スマホもそうだ。
Webは基本無料だが、スマホだと課金できる。
だからみんなスマホのアプリ作りたがる。
しかしアプリも飽和してくると儲からなくなる。

無料コンテンツは撒き餌、コマセである。
100万人くらいがそれにひっかかってくれればよい。
たぶん、私の書くものを読みたいという人は、
10万人くらいはいると思う。
そして実際に読んでくれる人が1万人くらい。
有料コンテンツを買ってくれるのは1000人くらい。
たぶんそれがmax。
もしまともにマーケティングしても取りこぼしが多すぎて商売にならんレベル。
ていうか、マーケティングしては確実に死ぬ事例。

しかし、有料コンテンツが1000人も買ってくれれば今度は広告効果が発生して、
も少し売れるようになるかもしれず、
もともと興味もなく読む気のなかった連中も読んでみようかと思うようになり、
そうすると流通とか広報にコストをかけられる閾値を超えて、
世話をやいてやろうかという連中がよってきて、
そのうち、
読めもしないくせに買っておこうか積んでおこうかそのうちひまなとき読んでみようかという連中が買ってくれるかもしれない。

たぶん今後侮れないのは外国人で日本語のわかる人はどんどん増えている。
日本を学ぼうという人が高い確率で日本語で書いてある私の本をわざわざ読んでくれる可能性もある。
そういうのは今まで紙の出版業界や紙の書店がやらなかったこと、
できなかったことだ。
また、今後もあまりうまみがないからやらないだろう。
ものすごくはてしなく広いマーケットの中に散らばっている少量のニーズをかき集めて、著者一人だけがその利益にあずかるというビジネスモデル。
その正反対は、会社を経営して、編集者を雇って、流通にのせて、マーケティングして、狭いマーケットやユーザ層にピンポイントで投資するというやり方。
「今流行ってる」というか「現実にやられている」やり方だ。

しかし、2013年現在、
紙の本屋を眺めていると、もはやこの手のビジネスモデルは終焉しつつあると思う。
工芸品としての紙の本、愛蔵本というものは残るかもしれんが、
コンテンツとしてみたとき、
このような装丁とか物理的実体ごと抱き合わせで売られちゃかなわんなと思うことの方が多い。
ネットで検索して買える時代にわざわざテナント借りて陳列して店員雇ってるわけで、
そのうえ私が見てみるに買いたいと思う本がほとんどない。
ていうかほんとに売れているのか。
買うひとは何を基準に買っているのか。
目の前に面白そうな背表紙や表紙の本があって手にとってポケットの中に金があるからつい買うのだろうか。
もしそうだとすればこの種のビジネスモデルはもう終わってる。

服とか靴とかは実際手に取り、着たり履いたりして買うかもしれん。
住むところもやはり実際に見て住んでみなきゃわからん。
そういう世界のビジネスモデルは今後もあんまかわらんかもしれん。
外食(チェーンを除く)もそれに似ている。
しかし、そういうの以外、ネットで済んじゃう世界のビジネスモデルはどんどん変わる。
古い業界は死んでいく。
今は生きているが五年後十年後には確実に死んでいる。

新人賞にもいくつか応募してみて思うが、
たぶん、自分の読まないジャンル、興味のないジャンルの小説は、
編集者も担当になりたがらないし売りたがらない。
そういうところに自分が書きたいものを書いて応募しても通るはずもない。
本屋を見れば今どんなものを出版社が売りたいか、実際に書店で売れているかがわかる。
歴史書とか古典などほとんどない。
あるとすると、とても売れそうもないようなものがどさくさ紛れに置いてある感じ。

でまあ、KDP という新しいメディアに適したビジネスモデルを考える方が、
新人賞に応募するよかずっとましじゃなかろかと、
酸っぱい葡萄的な発想をしてみた。
古い社会、古いビジネスモデル、古い業界はいままさに亡びようとしている。
無能な上司にくっついても定年でいなくなれば何のあてにもならぬ。
負の遺産に苦しむだけだ。
他人が作ったビジネスモデルに便乗すれば搾取されるに決まってる。
なんか自分で新しいことを始めない限りうまみはないのだ。

KDPと同人出版というのは奇妙に似ている。
というか、全く同じだと思う。
というか、同人出版の事例はKDPに生かさないわけにはいかない。
自費出版のビジネスモデル(実はプロの出版もどんどん自費出版化しつつあるが)
とは根本的に異なる。

少量のコンテンツを読者と著者が直接取引することによって、
著者はなんとか生計を立てる。
途中のマーケティングや流通などをすっとばすことでコストは下げられる。
今までは、いくらコストが下がっても広報や流通に金かけなきゃ売れるわけないじゃん、
な世界だったが、これからはどうなるかわからんよ。
クリエイターもいつまでも馬鹿じゃないから、
そういう高コストでマージン少ないところを迂回する方法をどんどん考えるようになると思う。

町の個人経営の居酒屋がなんで生きていけるかといえば、
マーケティングも経営戦略もなんもやらずにただ顧客を直接つかんでいるからであり、
それは同人活動と何も違わない。
それで生きて行けて自分の好きなもの作れて発表できて飯が食えて、
もしかしたら一発当てられるかもしれんというだけで十分ではないか。

KDP は改版が難しいので、
まず blogでだらだら書いて、
たまってきたら KDP にまとめて、
ときどき有料の小説も書いて、
同じ場所に並べておく、
というのでとりあえずいいかなと思ってる。
なんのことはない、趣味で勝手にblog書いてたころと何も違わない。
それで済む時代になってほしい。

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