今の時代、ラノベもイラストもファッション化していると思う。私は行ったこともなく興味も無いので詳しくは知らないが、コミケなどでも、ひたすら自分の好きなことを同人誌に書いている人もいるが、そのときそのときの流行りを追いかけてジャンルをたびたび変える人もいて、そういう人はイナゴと呼ばれているらしい。
実際、フリーランスの作家で、生活費を稼ぐために創作活動をしている人はイナゴにならざるを得ないだろうと思う。逆に、ある程度社会的地位があるにも関わらず、イナゴのような創作活動や研究活動をしている人を見ると私は、そんな営業活動みたいなことがしたいんなら最初から民間企業で営業職でもやれば良いのに、と思う。ましかしそういう人たちはたぶん民間企業の営業職にはあまり向いてはおらず、創作研究の営業活動がなぜか得意で、承認欲求をこの上もなく満たせるからやっているのだろう。
毎年毎年、アパレルのファッションというものは意味も無く変わっていく。ズボンが太くなったり細くなったり。月の満ち欠けのように変動する。そういうものを追いかけるのは無意味だと私は思っていた。しかし文芸における流行りというものはきっと今SNSの流行などで急に顕著になったわけではなく、滝沢馬琴や上田秋成などが活躍した江戸時代頃にも既にそうだったのに違いない。
私もファッションを追いかけてみようと思って書いたことがあったのだがどれも書いても書いても全然そういうふうにならない。出版社から注文を受けて流行りそうな文章を書いているつもりが全然そうはならないので、ファッションに左右されるような作家になったらどうしようなどという心配だけはしなくて済んでいる。
私は今更新作を書こうとは思ってない。今までずいぶんたくさん書いてきたので、それを手直しするので精一杯だ。手直しするために人の書いたものを読んだり映画を参考にしたりしている。